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國語讀本 尋常小學校用 の商品レビュー

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2019/03/11

明治33年9月に刊行された尋常小学校の国語教科書。その後文部省が国定教科書制度を施行した為、明治37年4月からは全国一律の教科書に変わってしまうが、制度の切り替わり直前に世に出た非常に題材が豊富で、詰め込みの知識偏重ではなく、読書の楽しさを子供たちに伝えることができる教本だった。...

明治33年9月に刊行された尋常小学校の国語教科書。その後文部省が国定教科書制度を施行した為、明治37年4月からは全国一律の教科書に変わってしまうが、制度の切り替わり直前に世に出た非常に題材が豊富で、詰め込みの知識偏重ではなく、読書の楽しさを子供たちに伝えることができる教本だった。巻1から8まであるが、4以降は特に内容が充実しており、現代の小学生の教科書よりレベルが高いと感じる。理科や社会といった科目が当時なかった影響か、国語でその内容をカバーしようとその方面の記述も多数出てくる。この時代から、既に諸外国への関心が高かったことに驚く。扱われる題材の中にはイソップ寓話「アリとセミ」や、ギリシャ神話のミダス王の触るものが皆黄金になる物語もある一方で、「鐡の物語」や「さざえのじまん」など物や他の生物を擬人化した物語なども多く、広範な題材をよくもまあこれだけ集めて編纂したと感嘆しする。

Posted byブクログ