恋文・私の叔父さん の商品レビュー
久しぶりにちゃんとした恋愛小説を読んだ。 主に男女の関係性が描かれているけど、どの短編も角度を変えた題材が印象的だった。今の年齢で読むことが出来て良かったと思う。心情描写がとても素敵。
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あとがきの「これは僕の恋文です」が全部持っていった。他の作品も読みたい。 1984年の単行本だからかバーコードもないし検索でも掛らない…とりあえず文庫で登録
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1984年の直木賞受賞作品。5作品収録。日常にありそうな風景から始まって、噺をどんどん複雑に転がして、意外な着地ながら納得のエンディングで締める。エンターテインメントの見本のような作品集。
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誰もが高評価の文学作品。 男と女の物語。 直木賞受賞作。 「恋文」 「紅き唇」 「十三年目の子守歌」 「ピエロ」 「私の叔父さん」 すいません。 まったく合いませんでした。。。_| ̄|○ やっぱり【文学】は手ごわいなぁ。
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久しぶりに文学の世界に入り込んだ気がした。 男と女 こんなに深い関係があるのか?? ただ溺れるのではなく、精神的に。 5編の短編集。 「恋文」、「紅き唇」、「十三年目の子守唄」、「ピエロ」、「私の叔父さん」 どれもよかった。 一番よかったのは、、、選べない、、、 ブクログさんの...
久しぶりに文学の世界に入り込んだ気がした。 男と女 こんなに深い関係があるのか?? ただ溺れるのではなく、精神的に。 5編の短編集。 「恋文」、「紅き唇」、「十三年目の子守唄」、「ピエロ」、「私の叔父さん」 どれもよかった。 一番よかったのは、、、選べない、、、 ブクログさんのおすすめだったのだけれど、本当にこの本に出会えてよかったと思いました。。 これは手元に置いておいて、何度も読み返しますね。
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「十九年前真実の気持ちを全部嘘にしたのなら、今この嘘を全部真実にしてやる」 落とし前の付け方が哀しくて、美しい。 青春時代Number Girlとハヌマーンから受けた同じ類の衝撃でした。 今度は音ではなく、地の文として、胸元に突き付けられた。 表現者への未練を断ち切れず、舞台に...
「十九年前真実の気持ちを全部嘘にしたのなら、今この嘘を全部真実にしてやる」 落とし前の付け方が哀しくて、美しい。 青春時代Number Girlとハヌマーンから受けた同じ類の衝撃でした。 今度は音ではなく、地の文として、胸元に突き付けられた。 表現者への未練を断ち切れず、舞台に上がろうともしない僕は、煙草を吸いながら、こんな言葉を紡ぐことができたらなと、これが僕の言葉だったらなあと、ひとり妄想するだけであった。 誰に向けてるのかも判然としないけど、これが僕の恋文です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
知り合いにおすすめされて読みました。『恋文』は感情の表現が素晴らしい。特に好きなシーンは、鉄幹作の小説のことを江津子と話合っているときの描写です。 「郷子の胸が冷たい一滴を覚えた時である。」 「今まで胸の奥に隠していた感情が一挙に爆発し、流れ出した気がしたのだった。」 ラストで離婚届をラブレターと表現するシーンも好きでした。全然共感はできないけど、何故か泣けます。
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愛というのはその対象を選ばす、何に対しても惜しみなく注がれるものだと思っている。飼っている猫や育てている植物、勿論本にだって。 でも恋は違う。 一般的には、両親や兄弟、子どもに対して抱く感情ではない。そして大抵は一対一のものであり、自分と同じ気持ちでいることを相手に求めてしまうし...
愛というのはその対象を選ばす、何に対しても惜しみなく注がれるものだと思っている。飼っている猫や育てている植物、勿論本にだって。 でも恋は違う。 一般的には、両親や兄弟、子どもに対して抱く感情ではない。そして大抵は一対一のものであり、自分と同じ気持ちでいることを相手に求めてしまうし、始まりがあり終わりがあるものなんじゃないかと思う。 『恋文』に出てくる郷子と将一は夫婦であり、優という小学生の子供がいる。将一は郷子より一つ歳下で教員をしているが、ある時突然「昔の恋人が不治の病にかかり残り少ない命なので、せめて残された時間を共に過ごしてあげたい」と家を出て行ってしまう。 恋人の名は江津子といい、漢字は違うもののわたしと同じ名前だ。郷子は将一の居場所を突き止め、話をする。そして彼が江津子の最期を看取ることを認めてしまうのだ。そして更に将一の従姉妹と偽り、定期的に江津子を訪ね、話し相手になってやる。 郷子のこの行動を、勤め先の編集長は健気だけど見栄っ張りだと言った。わたしもそう思う。でももしわたしが彼女の立場なら、おそらく同じことをしただろう。周りの目を気にして、自分自身に同情しないよう、傷に塩を擦り込んで早くその痛みが気にならなくなるように。 離れて暮らすようになり、郷子は初めて将一を夫としてではなく一人の男性として意識するようになった。もともと最初から、夫婦愛と家族愛で成り立っていた関係だった将一に恋をしたのだ。でもその恋仇の江津子は、彼女にとって唯一心を許してなんでも話し合える親友のようになっていた。ただひとつ、この苦しい恋心を以外は。 さて、この複雑な三角関係はどのような結末を迎えるのか。そしてそれがまた一対一に戻ったとき、二人はどんな決断をするのか。 郷子が最後に流した「それまで忘れていた涙」の忘れていたものはなんだったのか。彼女の心情に思いを馳せれば、この物語の余韻も更に深くなり、美しくて儚い数々の情景と共に、しみじみと心に染み入るものになる。 それ以外の作品ももちろん『恋文』に負けず劣らず素晴らしいものだった。特に女のいじらしくも哀しい想いの描き方は秀逸だ。作中に引用される詩のひとつひとつも心に強く残った。
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<感想> 初・連城作品。 評判の良かった短編集から読んでみた。 もともとはミステリー作家だったとのこと。本短編集はヒューマンドラマがテーマのようだが、ミステリー的などんでん返しもあり、作家の力量の高さを感じる。 ミステリー要素と「切なさ」を絡めるのが本当に上手い。 ただ、女性の描...
<感想> 初・連城作品。 評判の良かった短編集から読んでみた。 もともとはミステリー作家だったとのこと。本短編集はヒューマンドラマがテーマのようだが、ミステリー的などんでん返しもあり、作家の力量の高さを感じる。 ミステリー要素と「切なさ」を絡めるのが本当に上手い。 ただ、女性の描き方が昭和感を感じさせる。令和の感覚だとヤバいおじさんの恋愛小説と感じる人もいるかもしれんない。 ●恋文 別れた女の最後を見取りたいと言い残して消えた夫。妻が最後に送ったものは…。 ●赤き唇 死んだ妻の母と暮らす主人公。新し恋人ができるが義母の辛辣な態度で距離ができてしまう。死んだ娘のことは忘れて早く新しい相手を見つけなさいと言うのだが…。 ●十三年目の子守歌 いい歳になった母が自分より若い男と再婚した。離婚して実家に戻っていた主人公は新しい継父との付き合い方が分からない。母が知人から引き取った血のつながらない弟はすっかり懐いている。主人公も次第に心を通わせるようになるが…。 ●ピエロ 何をしても怒らない夫。妻は夫に嘘をつき高校の頃の同級生に会いに行く。相手は約束の場所に現れなかったが、睡魔に襲われ一泊してしまう。帰宅した朝、夫に浮気したと嘘をつくが逆に夫から意外に言葉が…。 ●私の叔父さん 姉の孫が妊娠した。その父は主人公だと言うのだ。トラブルに巻き込まれるうちに、主人公は死んだ姪のことを思い出す。残された5枚の写真に秘められた思いとは…。
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大事な人を思いやって尊重するために自分の本心と折り合いをつけてカッコつける人たちが出てくる短編集。令和の今となってはそのカッコつける感じはキザで古くさくてカッコ悪い気もするけど、そのカッコ悪くて不器用な感じが一周回ってカッコよくも思える。 自分はどちらかと言うと大事な人にこそ自...
大事な人を思いやって尊重するために自分の本心と折り合いをつけてカッコつける人たちが出てくる短編集。令和の今となってはそのカッコつける感じはキザで古くさくてカッコ悪い気もするけど、そのカッコ悪くて不器用な感じが一周回ってカッコよくも思える。 自分はどちらかと言うと大事な人にこそ自分の本心をぶつけて、それに対する反応を踏まえて落とし所を探ったりどっちかに判断したりする。自分が楽しくないと人を楽しくさせることはできない みたいな思考回路だ。そして大事な人にもそんなように遠慮なく振る舞ってほしいと日頃から思ってる。でもふと冷静に自省としては、相手がどうしたいかを考えることはそんなにないし深くもない。 不思議なのは、20年くらい前にこの恋文をドラマで見てけっこう感動し、その後原作も読んでときめいた記憶があるんだけど、今回また読んでそういうときめく気持ちはなかった。昔と今とで考え方が変わっているのかもしれない。時代のせいか? だからなんだというものでもないし自分を改めるつもりもほぼないけど、読み終わってそんなことを考えた一冊でした。
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