疑心 の商品レビュー
このシリーズは面白くて、読みやすい。一巻と二巻がすごく面白かったので、それと比べてしまうとやや物足りない感じ。それでも緊迫感があり、一気に読んでしまった。
Posted by
堅物の竜崎が恋に落ちるエピソード。 アメリカの大統領来日合わせて大森署長の竜崎が警備本部長に任命される顛末。実際の来日までの数週間のお話だけど、主題は女性警官に心奪われる中年おっさんの葛藤の話。これが結構面白かった。
Posted by
主人公竜崎がとてもカッコ良い。こうありたいなぁ。と思ってたら、お世辞で、竜崎みたいでしたよと言われた笑笑。お世辞でも嬉しい
Posted by
恋して嫉妬して、そんな凡人みたいなこと似合わんぞ!って思いながら、そんな竜崎見たくなくてなかなか進まんかったわ。まぁ最後は人間として深みが増したようなのでよかったんかな。 中学生みたいな恋の相談されてもバカにせず親身になって答える伊丹がかっこよかった。
Posted by
1.著者; 今野氏は、大学在学中に「怪物が街にやってくる」で、問題小説新人賞を受賞し、作家デビューしました。隠蔽捜査シリーズで脚光を浴び、第一作「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞受賞。第二作「果断 隠蔽捜査2」で、山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞しています。中学生の頃、北杜夫...
1.著者; 今野氏は、大学在学中に「怪物が街にやってくる」で、問題小説新人賞を受賞し、作家デビューしました。隠蔽捜査シリーズで脚光を浴び、第一作「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞受賞。第二作「果断 隠蔽捜査2」で、山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞しています。中学生の頃、北杜夫に憧れ、詩を書き始めました。北杜夫独特のユーモア感覚と小説全体に漂う上品さに 魅了されたそうです。空手の指導者という武道家でもあり、異色の作家です。 2.本書; 警察庁のキャリア官僚の活躍を描いた警察小説シリーズの第三弾です。概略は、主人公の竜崎が米大統領の訪日第二方面警備本部長に抜擢されます。そして、テロ情報が入り、米シークレットサービスとの摩擦や単独捜査に走る所轄刑事及び女性刑事の畠山への恋心等の葛藤の中で、難局に取組む竜崎の活躍を描いた小説です。 3.個別感想(気に留めた記述を3点に絞り、私の感想と共に書きます); (1)段落2より、「感情と理性のどちらが大切かと問われれば、竜崎は迷わず理性だとこたえる。・・・人間を人間たらしめているのは、間違いなく理性なのだ。理性こそが大人の証しだ」 ●感想⇒この考え方に賛成です。しかし、理性が大切なのは分かっていても、喜怒哀楽の無い人間なんて、つまらない気します。私は、理性を基本にしても、泣きたい時は泣き、笑う時には大いに笑うというメリハリのある人間関係を好みます。 (2)段落10より、「日本人の中には、外国人におもねって、相手の習慣に合わせようとする者が少なくない。おそらく、それは劣等感の表れなのだろう。竜崎は、日本にいる限りは外国の客に合わせる必要などないと考えていた」 ●感想⇒私は、米人3人と数カ月間、仕事をした経験があります。当初は、言葉のコミュニケーションがうまく取れず、外人アレルギー気味でした。しかし、仕事を続けていく中で、相手の性格が分かり、コンプレックスが和らいでいきました。外国人と言っても同じ人間なのです。意思疎通のポイントは、相手の国の文化への理解と言語力だと痛感しました。 (3)段落22より、「情報を整理・分析・統合し、常に的確な指示を出すために準備をしておく。それが管理者の仕事だと思った」 ●感想⇒管理者の役割としては正しいでしょう。しかし、管理者には、組織は人間集団なので、現場への理解と行動科学(人間行動に関する学問)の勉強が必要と思います。右、左と指示だけするマネジャーは失格です。 4.まとめ; シリーズ物を続ける事は、難しいと言われます。この「隠蔽捜査3」も前二作に比べると、前述3.のような気に留める記述があるものの、竜崎は女性警察官に心を奪われて、仕事の精彩を欠いています。隠蔽捜査は、主人公竜崎のキャラクターが魅力です。徹底した合理主義者で、判断のモノサシが、揺るがない理屈で押しまくる点です。私は、竜崎に警察機構の中で、隠蔽されるものを明らかにしていくストーリー展開を期待します。とは言え、竜崎の言質に惹かれ、隠蔽捜査シリーズを読み続けます。 ( 以 上 )
Posted by
今回も一気に読んでしまった 今回は竜崎が部下に恋心をいだき嫉妬に狂う状況が事件と同時進行でこちらのほうも実に竜崎らしい決着を見せとても示唆に富んでいる 前作、前々作に比べれば一段下がるが十分面白かった
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今野敏「隠蔽捜査」シリーズ第3作目(2009年3月単行本、2012/年2月文庫本)。 主人公は元警察庁長官官房の総務課課長、大森署に署長として左遷されて1年の竜崎伸也47歳、東大卒のキャリアで警視長である。家族は主婦の妻冴子、大学を卒業して広告代理店に就職1年目の娘美紀、東大を目指す予備校生の息子邦彦の4人家族。 そしてもう一人の主人公が警視庁刑事部長の伊丹俊太郎47歳。竜崎の幼馴染、小学生の同級生で私大卒ながら入庁キャリアの同期生である。 今回の物語はアメリカ大統領来日に向けての方面警備本部の本部長に竜崎が任命されたことに関わるテロリストとの闘いとあろうことことか竜崎の恋の葛藤の物語だ。 所轄の警察署の署長である竜崎が警視庁の方面本部長をさておいて方面警備本部長に任命された。その理由について竜崎は探るが警視庁の藤本警備部長も警察庁の落合警備企画課長も言うことは建前だけに聞こえて本音が見えない。 前作で竜崎に遺恨を持っていると推察される第2方面本部の野間崎管理官が竜崎の失敗を画策したとかという噂は聞くが確証はない。左遷された竜崎だが前作の拳銃立てこもり事件で功績をあげている。竜崎の復活するのを恐れる藤本と落合の画策だと伊丹は言うがそれも確証がない。 結果的には竜崎はまたもや方面警備本部長としても大手柄をあげ、大役を果たすことになるので最後まで竜崎の本部長任命に裏があるのかどうかはわからず仕舞い。 先遣隊でアメリカから派遣された二人のシークレットサービス、大統領暗殺のテロ計画が進行しており、日本人の協力者がいるという。羽田空港に怪しい人物が発見され、彼らは空港閉鎖を主張する。やはり竜崎に責任を負わせる為の任命か?と思わせるような難題だ。 竜崎は彼らに首謀者確保の確約の啖呵をきり空港閉鎖を拒否、大統領来日まで数日とせまり、ここで前作と同様に戸高刑事が大活躍、日本人首謀者を特定するのである。そしてここからが竜崎の凄いところで警察組織の縄張り根性や縦割り行政を一挙に破壊して、警察組織を総動員して瞬時に犯人検挙に到達させるのだ。竜崎が警察組織の中枢に復活する予感を思わせるエンディングだ。 もう一つのドラマ、竜崎の恋の葛藤物語だが、これは要らない。 藤本警備部長が竜崎の補佐役に派遣した警視庁警備部の美人のキャリア、畠山美奈子に竜崎が恋をしてしまうのだが、寝ても覚めても彼女のことを想う竜崎の姿は情けないのだ。 それでも必死に自制をかけるところが痛ましく可哀想でもあるのだが、禅宗の本の禅問答に救われ、吹っ切れ、事なきに終わることになるが、竜崎の恋愛に対する考え方は明らかに変わる。人間的に丸くなり、恋愛について温かく優しくなり、娘の美紀と三村との交際への対応も親身になり、冴子からも何かしら見透かされる。しかし良い方に変わったと指摘する冴子の大きさに竜崎はかなわないと実感させられる場面だ。 しかし畠山美奈子の派遣も竜崎を失脚させる為の策略ではなかったのかとも竜崎は思ってしまう。 エンディングでは、皆んな竜崎への賞賛と尊敬の言葉を投げかけ、竜崎を失脚させる策略なんか全くなかったのではないかと思う結末になっているが本当にそうだろうかと思わせる結末でもある。 方面警備副本部長を務めた警視庁第2方面本部の長谷川本部長44歳警視正、同じく野間崎管理官50歳超ノンキャリア警視、警察庁警備局の落合警備企画課長46歳警視長、総合警備本部長を務めた警視庁の藤本警備部長50歳警視監。これからも登場するであろうこれらの人物の本音を監視しながら次回作以降シリーズを読む楽しみが出来た。
Posted by
堅物の竜崎が恋?前作に比べ事件性が小さくまとまっていて、残念。今回は、竜崎も悩むことあるというストーリーと認識。次作に期待。
Posted by