パラスティック・ソウル の商品レビュー
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同じ世界観の短編詰め合わせ。 そこそこBLっぽい話から始まって、どんどんBLから離れていって、最後にまたBLっぽくなる。この流れが木原さんっぽいなと思う。(読んでる最中BLなのを忘れるけど最後にまた思い出す的な)
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BLだと思って読んだら何か違う…。でも素晴らしかった。どの話も切なく、救われないような…ハピエン好きとしては好みではないはずなのに読後感は悪くない。舞台は国と国境制度が廃止され、犬の耳としっぽを持つビルア種という人種が全人口の10%を占める近未来。とある科学者の葬儀に参列した4人...
BLだと思って読んだら何か違う…。でも素晴らしかった。どの話も切なく、救われないような…ハピエン好きとしては好みではないはずなのに読後感は悪くない。舞台は国と国境制度が廃止され、犬の耳としっぽを持つビルア種という人種が全人口の10%を占める近未来。とある科学者の葬儀に参列した4人に形見分けとして配られた”願いの叶う薬”にまつわる物語。それぞれの話がリンクしてて、読ませ方が上手く引きこまれた。
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ファンタジー色が濃くなっても、木原音瀬の簡素で無駄のない文体が変わらない所がいい。八尋とジョエルの章しか音声化されてないのが非常に残念だ。まだ「おわりの章」を読んでないが、個人的に犬のジョンと発達遅滞の少年ニコラスの話が秀逸過ぎる。ネタばれになるのでぼやかすが、ニコラスの少ない誤...
ファンタジー色が濃くなっても、木原音瀬の簡素で無駄のない文体が変わらない所がいい。八尋とジョエルの章しか音声化されてないのが非常に残念だ。まだ「おわりの章」を読んでないが、個人的に犬のジョンと発達遅滞の少年ニコラスの話が秀逸過ぎる。ネタばれになるのでぼやかすが、ニコラスの少ない誤謬、舌足らずな喋り方が何故なのかが解った時の衝撃。願いの擦れ違いの悲しさ。イノセンスなニコラスと、ニコラス以外の人間に感情移入しないジョンもまた、ある意味酷く純粋である。祁壜のエピソードを第2話に持ってきている所が憎い。 ドラマCD聴いたのに声が蘇って来ないと言う事は聴き込みが甘いのか。ケモ耳&尻尾萌えはないんだが、こうして自分の範疇外が木原作品のお陰で破られていくよなぁ、尻尾に触れて安心したいジョエルの気持ちは痛いほど解る。
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絵師さん買い。文章に慣れれば普通に面白いです。薬を使われる方の目線で語られる感じや、4組が意外なところで少しずつ交わっているのが好きです。でも同じ世界観を何度も語られるのは少々面倒でした。 読み終えて、各話とも展開が衝撃的でラストはいつも感動的で悲しくなってしまいました。下巻も楽しみです。
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冬の寒い朝、一人の老人が死んだ。 葬儀に招かれた4人は『願いが叶う』という薬をもらう 読み進めていくと繋がる そして明らかになる真実。 そして想い オムニバス作品です。 2話の兄弟の話が何度読んでも胸が締め付けられて何とも言えない気持ちになるのだけど、1番好き。(好きという表現で良いのか…哀しくて、切なくて、愛おしい。と思った。)悪は悪である けれど哀しい2人の間の、 すれ違いと 歪ではあるんだろう、けれど確かにあったはずの兄弟愛がただ切なくて哀しい でも好き… 最後がマジ… 他の話、3話も読んでるし ジョンのいうように 自分が他人にしたことが回り回って戻ってきただけ そう言われてもしょうがない。 わかってるけど 2話の後半読んでると、2人で逃げて幸せに、なってほしかった… やり直してほしかった… と、思ってしまう。 取返しのきかない 後悔が ただ、かなしい 3話も途方もなく…。。 ジョンの怒りや悲しみ 途方もない真実に 気が遠くなるような いきばのない思いが 痛い 好きな木原さんの中でも(1、箱の中、檻の外) 2番目のお気に入りになってしまった。 ※BL作品です。
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願いの叶う薬を入手したらどうするか?薬を貰った4人の人間のそれぞれに独立したお話がリンクしていくオムニバス。人間の心に潜む醜悪さといった黒い部分を容赦なく描写する木原節健在。短編ながらどのお話も余韻と呼ぶには重過ぎるほど胸にずっしりくる。願いが叶うと見えてくるモノがどれも切なく悲...
願いの叶う薬を入手したらどうするか?薬を貰った4人の人間のそれぞれに独立したお話がリンクしていくオムニバス。人間の心に潜む醜悪さといった黒い部分を容赦なく描写する木原節健在。短編ながらどのお話も余韻と呼ぶには重過ぎるほど胸にずっしりくる。願いが叶うと見えてくるモノがどれも切なく悲しくて…。2話の取り返しのつかない真実に涙してたら、一番純粋な願いと思えたものですらすれ違ってしまう3話でさらに涙。話が進むにつれて明かされていく背景という構成もさすが。3月発売の後編が待ち遠しい! Amazonのレビュが問題になってた作品だけど、読み応えがあって私はすごく好き!BLというよりは文学の匂いのするSFファンタジーといった印象なので、BL的な萌えや甘さを期待して読むと肩すかしなのかもしれない。
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すべてのベースが第3話に。 おわりの章で 意外な展開をみせ、感動的なエンディング…完結してはいないと思う。 性差 年齢差 個体の差 …。 parasiticとは寄生する…。肉体に宿る魂は死後 どこへ行くのだろう…。
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あちこちの感想で読んだように BL色は確かに薄い。 けど、私は好きなタイプの作品。 エロばかり読みたいわけではない、話が読みたい、なので。 それぞれがどこかで繋がってる短編なわけだけども しっかりと考えながら読ませてもらえる。 正直、作家買いをして、本を開いて 「げ。ケモノ耳!...
あちこちの感想で読んだように BL色は確かに薄い。 けど、私は好きなタイプの作品。 エロばかり読みたいわけではない、話が読みたい、なので。 それぞれがどこかで繋がってる短編なわけだけども しっかりと考えながら読ませてもらえる。 正直、作家買いをして、本を開いて 「げ。ケモノ耳!」(←読んだことがない、ので。) だったわけだけども、そういうのを気にせずに読めたのがよかった。 ファンタジーは根本的に無理な私でも これくらいなら大丈夫。 若干の無理無理はOK。 どれも切ないお話でしたが、ライヴァンが気になる。 おわりの章ですっきりできるのかな。
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ケモ耳もふもふなファンタジーではなくて、いつもの木原ワールドでした。ディアプラス、ウィングスなど新書館発行の雑誌を全誌に渡って掲載された短編が、オムニバスになっています。 胸を抉られるような痛みがあるストーリー。エゴイスティックな人間の犠牲になった罪なき者たちが主人公。例によって...
ケモ耳もふもふなファンタジーではなくて、いつもの木原ワールドでした。ディアプラス、ウィングスなど新書館発行の雑誌を全誌に渡って掲載された短編が、オムニバスになっています。 胸を抉られるような痛みがあるストーリー。エゴイスティックな人間の犠牲になった罪なき者たちが主人公。例によって救いがありません。そして3つの話は完結しているようで、謎は肝心なところで持ち越されている状態。 でも、こちらは「はじまりの章」になっていて、「おわりの章」が後に控えています。なので、続編でぜひ救いがあることを祈りつつ… 第1話「fake lovers」はドラマCDが発売されます。鼻持ちならない男だったジョエル×ビルア種ケモ耳の八尋。短い話なので、いつものような仔細な日常や一つ一つの会話を積み重ねていく淡々とした描写が少なく、端折られていて少しもの足りなくあったかも。 でも、そのもの足りなさを補って余りある話でした。愛されたいというジョエルの気持ち、八尋の気持ちがあらぬ方向へと作用していくのにとても切なくさせられます。恨みつらみと愛する気持ちが背中合わせになっていることを、少ない枚数の中でこんなに巧みに表現できるのはすごい。 第2話「dear brother」は兄弟もの。BL色は殆どありません。こちらでも愛憎が表裏一体であることが描かれていて、さらに生死も絡んでいて印象深く頭から離れない話。幕切れには思わず芭亜斗と一緒に激しくショックを受けました… 兄は物語の謎の核心に関係しているので、この先も気になるところです。 第3話「eternal friend」は犬と15歳の男の子。二人の友情話かと思ったら、そんな生易しいものではなかった。こちらはさらに物語の核心にふれる話です。3つの話の中では一番仔細に描写されているので胸に迫ります。3話中、一番会話が成立していないもの同士なのですが、心がしっかり繋がっているというか、深い絆と愛情がきちんと感じられるというか。 BL的な萌えは求められませんが、愛について深く考えさせられることはまちがいなし。 他人にもらった薬を安易に使用してはいけない、という教訓もあり。
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