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犬の心臓 の商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2021/07/11

犬が人間になる。それも人間が下品と思う部分を多分に持ち合わせている人格に。この手の小説は苦手だけれど、物語として面白い。最後の締めくくりも予想外で最後までハラハラした。

Posted byブクログ

2019/02/24

ロシア革命、ボリシェビキ政権を痛烈に批判したとのこと。旧体制下のブルジョアを排除し、新しい人間として生きることを推奨。物語は犬に死んだ人間の脳下垂体を移植する。そもそも生き延びるかわからない手術であった。次第に犬は喋り出すが、元来の人間の粗野な部分が反映される。犬の肉体を持つから...

ロシア革命、ボリシェビキ政権を痛烈に批判したとのこと。旧体制下のブルジョアを排除し、新しい人間として生きることを推奨。物語は犬に死んだ人間の脳下垂体を移植する。そもそも生き延びるかわからない手術であった。次第に犬は喋り出すが、元来の人間の粗野な部分が反映される。犬の肉体を持つから粗野ではなく、人間の持つ思考が粗野だったという。著者はわざわざ皆の前で朗読したらしく、原稿は没収。犬は犬に戻されたが、それが作者の願いなのだろう。

Posted byブクログ

2019/02/19

大怪我をした野良犬が道端に転がっている。このまま何も食べられず死んでいくのか…と絶望していた犬の目の前に、一人の救世主が現れる。 その男は医学の教授で、彼に引き取られた犬は怪我の手当をしてもらい、食事を与えられ、「なんて幸せな犬なんだろう」と思い始める。しかし…。 酔っ払いの人...

大怪我をした野良犬が道端に転がっている。このまま何も食べられず死んでいくのか…と絶望していた犬の目の前に、一人の救世主が現れる。 その男は医学の教授で、彼に引き取られた犬は怪我の手当をしてもらい、食事を与えられ、「なんて幸せな犬なんだろう」と思い始める。しかし…。 酔っ払いの人間の脳下垂体と精巣を移植された犬は、その後不思議な変化を遂げる。 お話自体は面白そうなのに、読んでいてちっとも面白くないのはなぜ? ロシア文学って、ユーモアがあるんだか、ないんだか???

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2016/05/04

面白すぎる! しかも本書が1925年(昭和元年)に執筆されたというのだから驚きだ。昨日、平山夢明によって執筆された、といっても誰もわからないのではないか。ロシア語の知識は全くないのでよくわからないが、水野忠夫先生の訳も凄いのではないか。本書の初版が1971年であるから既に45年が...

面白すぎる! しかも本書が1925年(昭和元年)に執筆されたというのだから驚きだ。昨日、平山夢明によって執筆された、といっても誰もわからないのではないか。ロシア語の知識は全くないのでよくわからないが、水野忠夫先生の訳も凄いのではないか。本書の初版が1971年であるから既に45年が経過しているが、日本語としても全く色あせていないのが凄い。

Posted byブクログ

2013/03/29

かなり面白かった。 まずタイトルで度肝を抜かれるのだけど、次の犬の独白で心を鷲掴みにされる。内容は犬が人間化していくという、しかもかなり下品な人間になり、それに振り回される人々を描いた奇想天外な話。しかし、動物実験という形でこのような手術がどこかで実際に行われているのだろうなと思...

かなり面白かった。 まずタイトルで度肝を抜かれるのだけど、次の犬の独白で心を鷲掴みにされる。内容は犬が人間化していくという、しかもかなり下品な人間になり、それに振り回される人々を描いた奇想天外な話。しかし、動物実験という形でこのような手術がどこかで実際に行われているのだろうなと思わされる。 この本が書かれたのが1925年。当時のソ連の時代・体制からよく書けたな、というのが素直な感想。 今までロシア文学に接する機会というのは絵本に限られていて手に取ったことがなかったのだが、これからはいろいろと読んでいきたいと思えた。

Posted byブクログ

2012/09/30

脳を移植された犬が人間として生活するという内容。 なんとも不思議な感じ。 最後はあっさりと収拾したかと。

Posted byブクログ

2012/03/30

「巨匠とマルガリータ」と同じくアイロニーと幻想にまみれた小品。野良犬がたどり着いた数奇でグロテスクな運命。

Posted byブクログ

2012/03/28

Михаил Афанасьевич Булгаков (1891-1940) •Собачье Сердце (1925) ヴィルノ(ヴィルニュス)はロシヤ語ではヴィリノになるのかと、そんなマージナルな所に感心してしまった。 ロシヤ名Вильна(ヴィリナ) ポーランド準拠ロ...

Михаил Афанасьевич Булгаков (1891-1940) •Собачье Сердце (1925) ヴィルノ(ヴィルニュス)はロシヤ語ではヴィリノになるのかと、そんなマージナルな所に感心してしまった。 ロシヤ名Вильна(ヴィリナ) ポーランド準拠ロシヤ呼称Bильно(ヴィリノ) リトワニヤ準拠ロシヤ呼称Вильнюс(ヴィリニュス) ポーランド語のŁを「暗いL」と言ったのが誰だったかは忘れてしまったけど、本来それは後続母音を伴わないЛ音を表記するための文字だったはずなのだ。そして「沼野充義 巻末解説」で使用されてるセリフ付きキリル文字フォントがどえらく格好良いのだ。 本当にどうでもいいことですね。すいません。

Posted byブクログ