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万葉挽歌のこころ の商品レビュー

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2022/01/21

國學院大學文学部日本文学科教授。 ※國學院大學図書館  https://opac.kokugakuin.ac.jp/webopac/BB01512510

Posted byブクログ

2021/01/31

ひとつの歌群をここまで掘り下げた本はあまり読んだことがなかったので色々面白かったです。 天智天皇挽歌群への前知識もあまり無かったし上野先生の解釈にほぼ染まってしまいそうだけど過去の論文の引用も多いので参考になります。 歌の場の復元という話で出てきた一文「歌集に収載されるまでに、数...

ひとつの歌群をここまで掘り下げた本はあまり読んだことがなかったので色々面白かったです。 天智天皇挽歌群への前知識もあまり無かったし上野先生の解釈にほぼ染まってしまいそうだけど過去の論文の引用も多いので参考になります。 歌の場の復元という話で出てきた一文「歌集に収載されるまでに、数次に亘って編集されたもの、しかもいくつかの偶然が重なって残っている歌を資料として、果たして歌の場を復元できるか」は心に残りました。これは常に頭に入れておきたいこと。偶然、本当に偶然で残ってるものは多いはず。 過去の講演会で聴いた、「万葉集は(壬申の乱の)戦後文学」という話に繋がりますが、天武朝で冷遇された天智天皇及び近江朝は持統朝で早くも変換されているという話が外交政策や文武朝の天智天皇陵改修などの具体的記事と併せて興味深かったです。 この切り換え、ある意味現実的ですね。 天智天皇挽歌群は天智に近い女性陣の歌で構成されていて、内容からも「予定調和」「女性合唱」のようは評がありますが、この本で何度も何度も繰り返されてるのは「歌を詠むことは戦いである」ということで、この本読むとそうとしか思えなくなってくる… かなりしっかりと、歌の表現と歴史上の記録は必ずしも合致しないと仰られてます。万葉研究というものについても色々と参考になりました。自論の前の伏線がすごいのでこれだけの段階を踏んでくれるととても頼もしいです。

Posted byブクログ

2015/02/15

天智天皇挽歌群九首のみにしぼり、そこに含まれる万葉の生死感を紐解き探る。 読みやすい文章と多角的視野と総合的判断から得る論は得るものが大きいと思う。 著者曰わくの「挽歌を歌うことは、妻たちの戦い」が、とても印象的。

Posted byブクログ