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飼猫ボタ子の生活と意見 の商品レビュー

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2012/02/15

読後、内容をかみ締めていたら、ホラー映画でもないのにゾッとした。猫の視点とコトバを借りて、ユーモアで味付けしなければ読めないんじゃないかと思うほど、曽野さんの見た現実は冷徹だ。特に【第八章 月光のチータ】は圧巻。 文明の発展による地球温暖化。これによって文明と程遠い人たちも被害...

読後、内容をかみ締めていたら、ホラー映画でもないのにゾッとした。猫の視点とコトバを借りて、ユーモアで味付けしなければ読めないんじゃないかと思うほど、曽野さんの見た現実は冷徹だ。特に【第八章 月光のチータ】は圧巻。 文明の発展による地球温暖化。これによって文明と程遠い人たちも被害をこうむるのかと上から目線でものを考えていた。けれどこの本を読んで別の視点が生まれた。人口爆発による飢餓の恐れ。これに耐えうるのは現在も飢餓の中に生きている人たちだけなのではないか。食べるものがない、着るものもない、家もない、お金もない、仕事もない、平和も教育も倫理も道徳も、希望もない、病気になったら死ぬだけ。そんな環境で生きる動物的とも言える原始の生きる力が、文明に寄りかかってしか生きられない力を凌駕するのではないか・・・。それが非文明社会の、文明社会に対する無言の復讐のように思えてゾッとしたのだ。 かなり「ガツン」とやられた。 それでも私は私のできることをして生きていかなければ、と思う。

Posted byブクログ