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東天の獅子(第1巻) の商品レビュー

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2013/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

待ちに待って読んだ、夢枕獏先生の「東天の獅子」。。柔道を作った嘉納治五郎先生の半生を描いた本・・ではあります。 本の前半は、嘉納治五郎先生の若い時の話。 東京大学に入学する以前から、優秀だけど体が弱く、喧嘩に勝てない悩みがあったのだそうです。そして、14歳ごろからいろいろ考えて「柔術をやろう!」と思ったのだとか。 柔術をやっていた人間は身の回りにパラパラいたのだそうですが、いずれも「時代遅れだからやめなさい」と言われる始末。 お父さんの治次郎さんや、その友達の勝海舟にも相談して後押しされ、ようやく18歳になって師匠が見つかります。 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1718211 古賀残星さんという作家の、「嘉納治五郎」という本があったのだそうですが、内容はかなり近い。非常に参考にされたかもしれません。 ↑この本、かなり面白いです。 夢枕先生も書かれているように、資料が関東大震災で焼失しており、何もないのだそうです。 古賀さんは、僕は存じなかったのですが、当時は有名な作家だったようですね。柔道関連の作品が多く、何本かは映画になっておられる。 ご自身も柔道家で、嘉納治五郎師範について旅行をしたりした、その記憶を頼りに書き上げたのだそうです。全編に、優しい明るさが満ちた、柔道を好きになる物語です。(僕は柔道経験ないのですが・・) 読み物として書かれたのでしょうが、嘉納治五郎を調べるには、貴重な資料の一つでしょう。地震によって失われた記録や資料は、本当に膨大なのですね。 「東天の獅子」の途中からは、警察が主催した柔術の他流試合が舞台に移っていきます。夢枕獏先生の取材により、いろいろな資料がさらに盛り込まれます! ほんっとうに、他流波の柔術家たちのファンになってしまいますね。。 当時の九州の柔術界や、千葉の柔術界のことまで記載があります。いったいどうやって調べたんだろう・・ 格闘シーンはもちろん、夢枕獏の真骨頂! 西郷四郎(姿三四郎)が中心的な役割になっていくのですが、四郎が実は西郷頼母の息子であった!とか、武田惣角と××!!!とか。 夢枕ワールド、炸裂! あちこちに書かれているように、足かけ10年以上かかって書き継がれたこともあり、当初の嘉納治五郎の話から、どんどん広がってしまった感じはします。 嘉納治五郎も最初に少し出てきますが、あとは四天王の西郷四郎と横山作太郎の二人と、唐手家や武田惣角のストーリーに流れていく感じ・・ これからも、小さい読み物をたくさん書いてほしいなぁ・・というのが、読者の欲として湧いてきますね。 嘉納治五郎編、四天王編、九州柔術界編、千葉柔術編・・ さらには、嘉納治五郎の晩年も書いてほしい・・ 僕が中学生の時から大好きだった夢枕獏先生も60歳。 あとがきは、ちょっとしんみりと読みました。

Posted byブクログ

2012/01/24

柔道の創始者「嘉納治五郎」、姿三四郎のモデル「西郷四郎」、講道館四天王のひとり「横山作次郎」、柔道王国久留米の「中村半助」、大東流合気柔術創始者「武田惣角」・・・ 日本の格闘技世界を築き上げた格闘技家の物語を史実に沿って書き上げた物語。 殆どノンフィクション・ノベルと言ったていだ...

柔道の創始者「嘉納治五郎」、姿三四郎のモデル「西郷四郎」、講道館四天王のひとり「横山作次郎」、柔道王国久留米の「中村半助」、大東流合気柔術創始者「武田惣角」・・・ 日本の格闘技世界を築き上げた格闘技家の物語を史実に沿って書き上げた物語。 殆どノンフィクション・ノベルと言ったていだが、「この物語はフィクションである」と巻末に但し書きがありました。 明治初期というのは、文学にしても格闘技家にしても、また軍人にしても、何故にこうも一種の天才が才能を煌かせたのか。

Posted byブクログ