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人生と運命(1) の商品レビュー

4.3

7件のお客様レビュー

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2022/09/08

1巻500ページ。全3巻の最初の1巻。 第二次世界大戦で最大の激戦地、スターリングラード。本書はドイツ軍がそのスターリングラードを包囲していた1942年から43年の一時期を描く歴史小説です。 本書の作者グロスマンは対独戦をじかに体験し、ホロコーストの実態を世界で最初に報道した新...

1巻500ページ。全3巻の最初の1巻。 第二次世界大戦で最大の激戦地、スターリングラード。本書はドイツ軍がそのスターリングラードを包囲していた1942年から43年の一時期を描く歴史小説です。 本書の作者グロスマンは対独戦をじかに体験し、ホロコーストの実態を世界で最初に報道した新聞記者。したがい、戦争場面はこれ以上ないリアリティーがあります。 本書はソ連の物理学者とその家族3世代の人々が中心。彼らはユダヤ系であり、強制収容所や絶滅収容所といった過酷な運命が2巻以降に予見されます。しかも、グロスマン自身がユダヤ人です。 第1巻を読み終えた感想は 1)舞台は激戦にあるスターリングラード、ドイツの捕虜収容所、物理学者の家庭、ソ連の反体制派収容所、ユダヤ人移送列車、ソ連の戦車軍団など。とにかく描写はリアリティーに富んでいます。戦争の場面はもちろんですが、物理学者の母親の連行、収容所や移送列車の描写は衝撃を覚えました。 2)本書には非常に多くの人物が登場します。また、舞台ごとに一編の小説のように記述されていますが、それらはほとんど交錯しません。すなわち、同時に数冊の小説を読んでいるようであり、極めて読みにくい小説です。それでも、物語には引き込まれてしまい1巻は完読しました。 以上が1巻を読み終えた感想。2巻目も図書館にリクエストしました。

Posted byブクログ

2021/05/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

10年前から読みたいと思っていた本。 どうせいつか読むでしょうという気持ちで放置していたら、2・3巻が手に入りにくくなっており、泣く泣くAmazonで1万円以上払って購入。 期待通りの作品だった。 第1巻はいろいろな登場人物が一気に出てきて頭に叩き込むのが大変だが、ゲットーに住んでいる母親が息子を案じ別れを告げる手紙を書くシーンのような、一部分を切り取ってそれだけを短編小説としても良いくらいに心に訴えかける章があり、決して退屈はしない。 難点はむしろわき役として登場する歴史的人物の方で、さも当たり前のように登場するので前提知識がないと訳注があったとしても混乱するかもしれない。 登場人物の多さとソ連人の知識が必要なため、内容は素晴らしいが星4とした。

Posted byブクログ

2020/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「個人」がどのようなものなのか描かれているだろうか 「宗教・人種を越え「個人の権利」に光を」 (ギデオン・ラックマン(英フィナンシャル・タイムコラム)による書評、 日経に載っていた) という言葉に魅かれて手に取ってみたけど暗くて冷たい霧の夜の中を歩かされるような感じで最初の数ページでとまる 発刊に至るまでが苦難だったという本書 体調のいい時に再チャレンジしたい

Posted byブクログ

2020/02/08

https://yasu-san.hatenadiary.org/entry/20110918/1316848194 https://ameqlist.com/sfg/grossma6.htm

Posted byブクログ

2017/08/04

ロシア科学者の一家・族の生活とスターリングラード攻防戦とのかかわりあいをつうじて、ナチズムとスターリニズムの同値性をみごとに・・した傑作である。

Posted byブクログ

2017/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全編を通じて重苦しさが漂っている。今もこの世界で、この重苦しさを生きる人のなんと多いことか。人間の自由や平等はどこか遠いところに行ってしまったようだ。「全体主義は暴力を手放すことができない。暴力を手放せば、全体主義は死ぬのである。直接的あるいは偽装されたかたちで永遠に続く絶えざる圧倒的暴力が全体主義の基礎である。人間は自らの意志で自由を放棄することはない。この結論のなかにこそ、われわれの時代の光、未来の光がある。」至言であります。

Posted byブクログ

2015/10/03

おすすめ資料 第158回 (2012.10.5)   20世紀ロシアの作家で、ワシーリー・グロスマンをご存知でしょうか。 グロスマンはウクライナのユダヤ人家庭に生まれた作家であり、従軍記者でもあります。 本書は第二次世界大戦時のスターリングラード攻防戦を舞台にした歴史小説です。...

おすすめ資料 第158回 (2012.10.5)   20世紀ロシアの作家で、ワシーリー・グロスマンをご存知でしょうか。 グロスマンはウクライナのユダヤ人家庭に生まれた作家であり、従軍記者でもあります。 本書は第二次世界大戦時のスターリングラード攻防戦を舞台にした歴史小説です。 一度はKGBによって原稿を没収されましたが...数十年の時を経て、ついに今年日本でも刊行されました。 全三部作とボリュームたっぷりですが、ぜひ挑戦してみてくださいね。

Posted byブクログ