アートの起源 の商品レビュー
『丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された「アートの起源」展のカタログとして』とあるけど、読んだ印象としては、杉本博司氏のこれまで関わってきたアートがテーマのエッセイ集といった印象。全部が理解できるわけではないけど、面白かった。 杉本氏の知識や興味の範囲もさることながら、古美術側か...
『丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された「アートの起源」展のカタログとして』とあるけど、読んだ印象としては、杉本博司氏のこれまで関わってきたアートがテーマのエッセイ集といった印象。全部が理解できるわけではないけど、面白かった。 杉本氏の知識や興味の範囲もさることながら、古美術側からも杉本氏を求めるような出来事(『時の浮き橋』)もあり、もうすごいとしか言えない。 『魔の差す場』での『神秘主義者という魔物と、合理主義者という妖怪が二匹住みついている』。『高松宮殿下記念世界文化賞を受賞して』での句の解説。中沢新一との対談『歴史の歴史』での「歴史や流行のスパンが短くなってきている(スピードアップしている)」。などなど、時間をおいてまた読みたいところがたくさんある。 長時間露光での撮影・写真が好きということもあって、ウェブで見かけた『劇場』シリーズの美しさに惹かれたことが杉本博司氏を知る切っ掛けだったと思う。そのため杉本氏を写真家として認識している時期があって、その後SWITCHインタビューか何かで拝見したときに(当然写真も含めた)現代美術家であるという認識に改めた。ということも思い出した。
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知的探究と空想と繰り返し、骨董(歴史)と写真(科学)で遊ぶ。そんな杉本さんの思考が垣間見れる本。 杉本さんの本の中では特に"言語"に焦点が当てられているような気がします。 科学、歴史、宗教etc..についての膨大な知識に裏付けされた空想には「そういう見方もあ...
知的探究と空想と繰り返し、骨董(歴史)と写真(科学)で遊ぶ。そんな杉本さんの思考が垣間見れる本。 杉本さんの本の中では特に"言語"に焦点が当てられているような気がします。 科学、歴史、宗教etc..についての膨大な知識に裏付けされた空想には「そういう見方もあるのか!」とひざを打ちたくなるものもあるし、そんな空想の一端が作品につながっていることにワクワクする。
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刺激的な章と退屈な章の差がすごい。なんだか茶の湯関係は気合入ってる傾向。ジェットコースターのような対談は、体感含め楽しめた。
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ほぼ黒な、モノクロームのカバーを外すと真っ黄色な表紙が好対照な杉本博司、アートの起源 中身はサクサク読めるので1日で読了 中沢新一との対談と、茶会をつくるときの機縁や仮託、本歌取りなどの方法が面白い。見立て、やつしなど、日本的方法を取り入れたい。 日本的方法の本歌取りをやりた...
ほぼ黒な、モノクロームのカバーを外すと真っ黄色な表紙が好対照な杉本博司、アートの起源 中身はサクサク読めるので1日で読了 中沢新一との対談と、茶会をつくるときの機縁や仮託、本歌取りなどの方法が面白い。見立て、やつしなど、日本的方法を取り入れたい。 日本的方法の本歌取りをやりたい。 利休とデュシャンは僕もいつでも憧れです
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丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で2010年に開催された特別展について書かれた本。本人が作品を制作するに至るまでの思考などが書かれていて興味深いです。
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芸術の起源とは、人間の意識の起源である。そこにこそ、現代を生き抜くための手がかりがあるのではないか。作品図版多数、中沢新一氏との対談も収録!
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杉本博司さんの作品を見ていると色んなものをジャンルで分け隔てすることが馬鹿らしくなります。すべてのものは複合的で溶け合っていたりして四方八方に豊か。この本は「アートの起源」展の為に書かれたものだそうです。見に行ってみたかった!杉本氏の作品の豊かな土壌を垣間見ることが出来ます。
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巻末、中沢新一との意気投合の対談でアートの世界から贈与経済的価値交換システムを復活させよ的な論調で盛り上がるくだりが個人的に激しく同感で愉快。
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心の中のもやっとしたものが一瞬晴れた・・・。 西洋的思考の先に見える限界と、東洋的思考による無限の感覚。 なんか言葉にできずに感じていた事を杉本さんが作品と文字で現してくれている。 そうなんよ!って何度も感じた。
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杉本博司の過去の作品と、そのバックグラウンドにある思想を噛み合わせて、アートの起源へと辿る。もっとも、タイトルのインパクトほどに、起源への指向性は強くない。杉本氏は、日本的な思想をインスタレーションに組み込む。いうまでもなく、日本的な表現技法、例えば、掛け軸、茶道などの媒体も用い...
杉本博司の過去の作品と、そのバックグラウンドにある思想を噛み合わせて、アートの起源へと辿る。もっとも、タイトルのインパクトほどに、起源への指向性は強くない。杉本氏は、日本的な思想をインスタレーションに組み込む。いうまでもなく、日本的な表現技法、例えば、掛け軸、茶道などの媒体も用いる。しかし中心は、彼の頭の中にあるイシューを表現する際の副次的ものとして、日本を扱っている気がする。
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