複雑さに挑む科学 多変量解析入門 の商品レビュー
例によって数式はとばし、1日100ページをノルマに3日で読んだ。数式の意味を考えていちいち立ち止まっていては、一生かかっても読み切れない。 数式どころか、図もほぼ見ていない。細かい点がグラフにびっしりと書かれおり、目で追うのが苦痛だからだ。 こういう論文調の文章を縦書きで読む...
例によって数式はとばし、1日100ページをノルマに3日で読んだ。数式の意味を考えていちいち立ち止まっていては、一生かかっても読み切れない。 数式どころか、図もほぼ見ていない。細かい点がグラフにびっしりと書かれおり、目で追うのが苦痛だからだ。 こういう論文調の文章を縦書きで読むのはつらかった。 ただ、著者による分析・解釈の切れ味が鋭いのは、素人の俺でもわかった。 電気のしくみがわからなくても我々は普通に電気を活用している。だから多変量解析もしくみなどわからなくてもよいのだという人がいるが、それは必ずしも正しくない。 電気は安全に使用できるよう他人が設計・実用化済みのものを消費者として活用させてもらっているだけであって、調査デザインから自前で行う必要に迫られる多変量解析とは全く事情が異なる。 本書はこのボリュームで「質の数量化」までまとめてあり、その要領の良さに驚愕するが、統計素人が最初の一冊として手に取るには相当に荷が重い。
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指導教授からこの本を借りた。実は学生にとって「先生から本を借りる」ことほど有効なことは無いのではないかと最近思っている。学生が何がわからないかも、この後何を知るべきかも熟知しているのは、指導する先生だからだ。言うまでもなく、教員は学生自身より研究の進捗を掌握している。そのような先...
指導教授からこの本を借りた。実は学生にとって「先生から本を借りる」ことほど有効なことは無いのではないかと最近思っている。学生が何がわからないかも、この後何を知るべきかも熟知しているのは、指導する先生だからだ。言うまでもなく、教員は学生自身より研究の進捗を掌握している。そのような先生が、M1最後のこの時期に貸してくださった本が本書だ。 また統計の先生が「統計はその思想を理解することが重要」といっていたこともこの本を読んで思い出した。統計分析の手順や数学的解説より、その背景や実例の詳細が解説されているためだ。 本書を読めば、多変量解析は実はとても身近なもの、そしておよそ統計的に処理できそうにないことも工夫次第で扱えるものということが理解できる。統計は決して魔法の杖ではないが、知っていて損はない、参考になるものと改めて思ったところだ。多変量解析には、因果関係の推論手法より、データ群を構造化したり、情報を圧縮したりする手法の方が多くあるということが意外に感じた。授業では圧倒的に回帰分析に時間を割いたからだ。
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『原因を探る統計学』におすすめとして挙げられていたので購入。 読んでみたものの、頭にあまり内容が入ってきませんでした。内容を理解していないからなのか、書き味と自分との相性が良くなかったのか‥。
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多変量解析に関する本の中では、特に読みやすい本です。 例が古いのには目をつむって、「ある統計法が具体的にどういう作業をするものなのか?」ということを学ぶのに向いています。統計についての知識がある人は、多変量解析を概観することができ、統計を全く勉強していない人でも雰囲気を学ぶこと...
多変量解析に関する本の中では、特に読みやすい本です。 例が古いのには目をつむって、「ある統計法が具体的にどういう作業をするものなのか?」ということを学ぶのに向いています。統計についての知識がある人は、多変量解析を概観することができ、統計を全く勉強していない人でも雰囲気を学ぶことができます。 文章としての説明もさることながら、各統計法の説明に、図を付しているのも理解しやすさにつながるでしょう。直観的・感覚的な理解だけでも知らないよりはずっと良いと思います。 [ 目次 ] 1 多変量解析の基本概念 1.相関と関連 2.クロス集計と単純集計 3.多変量解析について 4.数学的基礎 2 未知の因子をさぐる 1.因子分析とは 2.因子分析の基本モデル 3.因子分析の適用例 4.主成分分析法 3 因果関係をさぐる 1.因果関係について 2.重回帰分析法 3.判別分析法 4 質の数量化 1.質的データと数量化 2.数量化の方法 5 分類の話 1.分類の基本概念 2.分類の方法 3.分類への他の手法の利用
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多変量解析を解説した本としては秀逸。1970年代に書かれたため事例は古いといううらみはあるが初学者にもここまでわかりやすく解説した本は希有といっていい。
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