1,800円以上の注文で送料無料

寺社の装飾彫刻 の商品レビュー

5

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2014/06/05

寺社の装飾彫刻は、鑑賞し辛い場所にあることが多く、見過ごしがちでした。そこにスポットを当て、全国111ヶ所の寺社の装飾彫刻を紹介しています。桃山から江戸にかけて、職人たちが技を競い、木鼻は勿論、虹梁、蟇股、柱、扉と至る所に施した彫刻作品が700点。これは日本のバロック芸術です。本...

寺社の装飾彫刻は、鑑賞し辛い場所にあることが多く、見過ごしがちでした。そこにスポットを当て、全国111ヶ所の寺社の装飾彫刻を紹介しています。桃山から江戸にかけて、職人たちが技を競い、木鼻は勿論、虹梁、蟇股、柱、扉と至る所に施した彫刻作品が700点。これは日本のバロック芸術です。本殿も含め日頃、目にできないところの作品群、見ていて楽しいですよ。さらに、作品テーマも解題して頂けると嬉しいですね。

Posted byブクログ

2013/07/08

本屋さんで偶然見つけ、釘付けになって見入ってしまった本。 仏像はもちろん、寺社の彫刻が大好きな私にとっては「こういう本を待ってました…!!」な内容。どのページを開いても素晴らしすぎる彫刻の写真が掲載されていて、あまりの素晴らしさにため息しか出ません。見終わった後もその余韻にすっ...

本屋さんで偶然見つけ、釘付けになって見入ってしまった本。 仏像はもちろん、寺社の彫刻が大好きな私にとっては「こういう本を待ってました…!!」な内容。どのページを開いても素晴らしすぎる彫刻の写真が掲載されていて、あまりの素晴らしさにため息しか出ません。見終わった後もその余韻にすっかり心奪われてしまいました…。彩色してある彫刻ももちろん綺麗ですが、そうじゃないものも素晴らしいものばかりです。最後の方にそれぞれの彫刻の解説がちょこっと書いてあって、そこを見て「伊勢海老なんてどこに…?……いたっ!!!」なんて再発見する事も…。こんなに心奪われる本に出会ったのは久しぶりです。宝物の本の1冊。 値段は少々高いですが、値段以上の価値ある本だと私は思います。この本に掲載されているお寺を全て見て回るのはかなり難しい事だと思うので、この本を見て「〇〇県にはこんな素晴らしい彫刻のお寺があるのかぁ…」と思いを巡らせています。よくぞこんなにも沢山の彫刻を撮って下さった…!!と思わずにはいられません。名前は分からないけれど、こんなにもたくさんの素晴らしい彫刻を彫る人達がいたんだ…!と思うと胸がとても熱くなります。 中国の故事や幻獣、義経伝説などなど様々な主題が彫り込まれている寺社の彫刻。この本をきっかけに研究が進むといいなぁ…と思います。個人的に、獅子や麒麟はもちろん、飛龍やサイ(今の動物園にいるサイとは違う形のサイ)なども寺社の彫刻としてかなりメジャーな生き物なのかな…?というのが気になりました。どういう意味が込められて彫り込まれたのか、とか山車の彫刻との関連性とか調べたら面白そう……。今後そういった寺社彫刻の研究書にも期待っ!!

Posted byブクログ

2012/04/04

本書掲載の彫刻は、信仰のなせる業である以上に、自らの腕を振るえることがうれしくて仕方がないといった、職人の漲る喜びを感じさせる。これほどの技を持っていれば、存分に高みを目指したいと思うことだろう。 寺社を装飾する彫物自体は法隆寺の昔からあったが、特に華やかになったのは江戸期に入っ...

本書掲載の彫刻は、信仰のなせる業である以上に、自らの腕を振るえることがうれしくて仕方がないといった、職人の漲る喜びを感じさせる。これほどの技を持っていれば、存分に高みを目指したいと思うことだろう。 寺社を装飾する彫物自体は法隆寺の昔からあったが、特に華やかになったのは江戸期に入ってからだという。信仰が貴族から庶民に広がった流れを受けて、それまでの仏像彫刻が室町時代に急速に衰退していく。禅の隆盛により、仏像自体の需要が減ったこともあり、その後、次第に建築が大きなウェイトを占めていったのだという。その契機の1つとなったのが、日光東照宮であった。 本書は仏像に比べて比較的光が当たることが少なかった寺社の装飾彫刻にスポットライトを当てていく。111寺社、700枚余りの写真には、ただただ目を奪われる。 日光はさすがの迫力だが、成田山新勝寺も負けていない。こういった極彩色のものはもちろんだが、彩色のされていないものもまた、その木目の美しさが際だって凄いほど美しい。 英語の副題は“Japanese Wooden Relieves For Temples & Shrines”だが、なるほど、大半は浮き彫り(レリーフ)なのである。透けて向こう側が見える籠の造形など、三次元の造形がすばらしい。 巻末の一木彫、地紋彫、江戸彫の解説も興味深い。一木彫はその名の通り、1本の木から彫り出すものだそうだが、最後の最後に削りすぎて、「あっっっ! 折れた!!」なんてことはなかったんだろうか・・・。 数多くの龍に目を惹かれる。龍って、神獣である以前に、作りがいのあるものだったんじゃないかなぁ・・・伸びたり巻いたりうねったり、牙をむいたり。 それ以外も、寒山拾得あり、縁起あり、日常風俗ありと題材はさまざま。 説話や伝説が彫り込まれたものは、ある意味、立体紙芝居のようで、庶民の啓蒙に役立ちつつ、その目を楽しませたことだろう。 巻頭解説の籔内佐斗司さんが言うようにこの写真の寺社を尋ねてみようとまでは思わなかったが、今度寺社に行ったときにはご本尊だけでなく、建築物の細部にも目をやってみよう、とは思った。名もなき職人達の息づかいまで聞こえてきそうだから。 *作者の若林純さんはフリーの写真家。ヒマラヤ・ネパール・チベット・アラスカへの遠征歴もあり、骨太そうな人だ。本書の写真は約600の寺社を撮影した中から厳選したもの。

Posted byブクログ