鉄道地図 残念な歴史 の商品レビュー
おそらく万人の人が面白いと思う本ではないと思う。 鉄道好き。地図好き。旅行好き。歴史好きここら辺が四拍子くらい揃ってないと楽しめないかもしれない。 色んな要素が入っている本だが硬いところもあるので、読むのに骨が折れる部分があるが、個人的にはそこそこ楽しめました。
Posted by
タイトルが残念だけれどまじめな本です。もう今や鉄道網は残念を通り越しているかも…というのが感想。鉄道はこれからどうなるのか…
Posted by
本書を復刊する前のタイトルが『鉄道地図の「謎」』であるが、確かに明治から現代まで見ると残念な経過を辿っていることを再認識させられた。明治期の鉄道政策から、鉄道敷設法という政治家の我田引鉄による愚策が国鉄の分割民営化へと至らざるを得なかったとは残念でならない。整備新幹線に伴う平行在...
本書を復刊する前のタイトルが『鉄道地図の「謎」』であるが、確かに明治から現代まで見ると残念な経過を辿っていることを再認識させられた。明治期の鉄道政策から、鉄道敷設法という政治家の我田引鉄による愚策が国鉄の分割民営化へと至らざるを得なかったとは残念でならない。整備新幹線に伴う平行在来幹線の分離は、国民にとって利益があるのか? 鉄道存廃議論の中、勝山市長の「道路と同じ社会資本としてとらえ、県と地域の貴重な財産として後世に残すべきだ」という言葉に重みを感じる。
Posted by
古本で購入。タイトルからもうちょっと軽い雑学系かと思ったら語り口はともかく中身はけっこう硬めの日本の鉄道史やった。
Posted by
鉄道の歴史を、主に政治が及ぼした影響を踏まえ、事実に忠実に解説したものが本書の内容である。当時の国会での審議内容や関連法規等について詳細な注釈がつけられおり、また鉄道経営学部の視点踏まえた筆者の意見も明確に記載されていて、学術書といってもよいレベルの内容だと思う。 表題の軽い感じ...
鉄道の歴史を、主に政治が及ぼした影響を踏まえ、事実に忠実に解説したものが本書の内容である。当時の国会での審議内容や関連法規等について詳細な注釈がつけられおり、また鉄道経営学部の視点踏まえた筆者の意見も明確に記載されていて、学術書といってもよいレベルの内容だと思う。 表題の軽い感じからは想像できない高レベルの内容だと思う。
Posted by
元々山海堂といふ出版社から出てゐた、『鉄道地図の謎』なる本の改題発行であります。 内容からすると、改題して正解と申せませう。 まあ、鉄道地図からみた、日本の鉄道史とでも言ひますか。所澤節が全開でございます。念のためにいふと、スイッチバックとか短絡線とかルウプ線とか、さういふ類のも...
元々山海堂といふ出版社から出てゐた、『鉄道地図の謎』なる本の改題発行であります。 内容からすると、改題して正解と申せませう。 まあ、鉄道地図からみた、日本の鉄道史とでも言ひますか。所澤節が全開でございます。念のためにいふと、スイッチバックとか短絡線とかルウプ線とか、さういふ類のものではありません。 原著では「路線図に隠された鉄道の憂鬱」といふサブタイトルが付されてゐました。 誰が憂鬱になるのか。著者でも読者でもなく、路線そのもののやうです。 つまり、常に政争の具にされ続けた、鉄道路線の憂鬱であります。彼らだつて、自ら望んで誕生したものばかりではないのです。 地元代議士の都合で作られた路線は、結局赤字を生み出し、国鉄の経営を圧迫しました。民営化が迫ると、今度は一律の官僚的基準でどんどん廃線となります。路線ごとの「名称」が優先されて、実情は無視されました。 また、近年新たに噴出してゐるのが、整備新幹線との「平行在来線」問題であります。 すでに「東北本線」「信越本線」「鹿児島本線」などの在来線が分断され、なんとも見つとも無い姿になつてゐます。これを憂鬱と言はずして何と言ひませうか。 今後も「長崎本線」「北陸本線」「函館本線」などで、同様の問題が起きるでせう。 残念な歴史は、実は始まつたばかりかも知れません。それを感じてゐる著者・読者は、やはり憂鬱にならざるを得ないのであります。 ...それにしても、本書を発掘、再発行した筑摩書房はなかなかのものであります。 http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11301091399.html
Posted by
●:引用 →:感想 ●あとがき 鉄道地図の栄枯盛衰を、政治を交えながら綴ったのが本書である。(略)ただ、この題名はややもすれば、ループ線とかスイッチバック、勾配緩和のための迂回線、というような内容を連想させる。そういった話を期待されて買われた方には、申し訳ないことをした。 →最...
●:引用 →:感想 ●あとがき 鉄道地図の栄枯盛衰を、政治を交えながら綴ったのが本書である。(略)ただ、この題名はややもすれば、ループ線とかスイッチバック、勾配緩和のための迂回線、というような内容を連想させる。そういった話を期待されて買われた方には、申し訳ないことをした。 →最近の本(特に新書)は、その題名と内容が一致しない本が多い。普通は題名に比べてその内容が薄いのだが、本書はそれとは逆に、題名に比べてその内容は重く、結構硬い。 国鉄赤字ローカル線廃止、分割民営化の真犯人は改正「鉄道敷設法」であるとし、明治から国鉄民営化までの鉄道の歴史を鉄道路線の拡張(縮小)を地図でたどりながら語っている
Posted by
路線図とかの歴史かと思ったら、日本鉄道経営史をなんかカジュアルにまとめた内容。そもそもあんまり地図があんまり載ってない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書の題名は、「残念な歴史」とあり、軽い内容を思わせるが、中身はきちんとした鉄道史 同じ筆者の「国鉄の基礎知識」とあわせて読むとおもしろいかも。 キーワードは「政治に翻弄され続けた鉄道」なのだろう。
Posted by
どことなくタイトルに惹かれて。どのへんが「残念」なんだろうか?と。 官と民の思惑がさまざまに交差する様が、どうも鉄道地図に表れるらしい。スリリングな読み物というよりは、地道な資料といった感じがした。出だしからいきなり本題に入る感じの文章構成なのでなかなかびっくりした(笑) 「...
どことなくタイトルに惹かれて。どのへんが「残念」なんだろうか?と。 官と民の思惑がさまざまに交差する様が、どうも鉄道地図に表れるらしい。スリリングな読み物というよりは、地道な資料といった感じがした。出だしからいきなり本題に入る感じの文章構成なのでなかなかびっくりした(笑) 「幹線」と「地方交通線」の差とか全くその言葉すら知らないものがあって「へぇ~」と思うことしきりである。あと、鉄道に関する「ナントカ法」というのもたくさん出てくる。うん、やはり歴史の教科書みたいな感じだ。 著者はいわゆる「鉄道マニア」という感じではない気がする。著者所澤さんのプロフィールが面白い。肩書は一応、「交通史・文化研究家、旅行作家」らしいのだが、経てきた職業が、重電機器設計、輸出事務、広告宣伝、市場調査、ビデオソフト製作、債権管理、医療事務コンサルタント、と… 素人目に見るとどれもそれなりの専門知識が必要そうな職業で、なんかいろんなことに興味ある人なのかな? と思った。 そういう目で見ると、本書の内容も「鉄道大好き」というより「鉄道にまつわる仕組み大好き」の人が書いたもののように思われる。世の中のあらゆることの仕組みに興味があって、視点がコンサル的。そんなこともあってか、本書の最後で「鉄道が存続するためには」の考察はなかなか現実的で、とても興味深かった。 この本は2002年に書かれたものらしいが、「三陸地方に鉄道が必要だったのは津波のたびに交通が途絶えるというせっぱ詰まった事情があったからだ」という意味の文章を読むと、やはりいろいろと考えさせられる。
Posted by
- 1