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雪舞 の商品レビュー

3.6

8件のお客様レビュー

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2023/12/24

術式の流れや状況表現が細やかで迫力がある。 一方、どこの線から「医療の行きすぎ」なのか、あるいは「人間としての尊厳」なのかという問題は非常に難しい。[more] 医長の判断にしろ、若年医師の判断にしても、どちらにも一理あると思うからだ。しかしながらこの作中で中堅が判断を翻したのは...

術式の流れや状況表現が細やかで迫力がある。 一方、どこの線から「医療の行きすぎ」なのか、あるいは「人間としての尊厳」なのかという問題は非常に難しい。[more] 医長の判断にしろ、若年医師の判断にしても、どちらにも一理あると思うからだ。しかしながらこの作中で中堅が判断を翻したのは、あまりにも中途半端ではないか。そうやって揺れ動くのも人間らしいとも言うかもしれないが。

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2020/11/29

この流れで手術することが認められるんだな、というのと、とにかく医長さんかっこいいですね、というのが率直な感想。野津先生は札幌に戻ったあと潰れずにやっていけるのでしょうか……。 なんにしても、渡辺淳一氏の医療小説は面白い。

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2018/09/02

野津先生が一方的にかわいそうな気がする… 子供の場合は判断が難しいのだろうと思う…手術が成功しても失敗してもどちらにしろ患者の家族は辛いのはおなじではないか

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2014/06/22

わずか8か月の水頭症の子供の手術を巡ってやるかやらないか、医師の判断を問う内容の話だった。その子供は脳の圧迫が大きく、母親のことも判断できない状態でさらに両足を動かせない状態だった。手術をしなくても数年の命で、すれば死のリスクが高まる。一度やめると決めたものを野津医師は母親から強...

わずか8か月の水頭症の子供の手術を巡ってやるかやらないか、医師の判断を問う内容の話だった。その子供は脳の圧迫が大きく、母親のことも判断できない状態でさらに両足を動かせない状態だった。手術をしなくても数年の命で、すれば死のリスクが高まる。一度やめると決めたものを野津医師は母親から強く依頼されたこともあり、やる決心をする。医学上やるべきかどうかははっきりしていても、親の気持ち、医者個人としての気持ち、判断には様々なことが関わってくるのだと思った。ただ生かされている命も命に変わりはないけれど、私ならそれを望まない。果たしてその子が望んでいたかどうかは誰にもわからないことだけれど。

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2014/01/29

安楽死と尊厳死についてレポートを書いているときに本屋さんで見つけた本。何かヒントを得れるかもしれないと思い、一気に読み終えた。 この本が書かれたのがかなり昔であることに気づいたのは、物語の終盤で「長距離電話」など聞きなれない単語が出てきてからだった。 そのことから、この手の問題...

安楽死と尊厳死についてレポートを書いているときに本屋さんで見つけた本。何かヒントを得れるかもしれないと思い、一気に読み終えた。 この本が書かれたのがかなり昔であることに気づいたのは、物語の終盤で「長距離電話」など聞きなれない単語が出てきてからだった。 そのことから、この手の問題は、昔から現在に至るまで変わらないのだと考えさせられた。

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2012/06/04

手術をしなければ治る見込みは全くない。手術をして成功したとしても、多少の改善と僅かな延命しかない。その上、体力もなく手術の最中、もしくは直後に死に至る可能性の方が高い...外科医だった筆者の、人の命を救える立場でもあり、奪う事も出来てしまう立場でもある経験が物語の中の苦悩に見事に...

手術をしなければ治る見込みは全くない。手術をして成功したとしても、多少の改善と僅かな延命しかない。その上、体力もなく手術の最中、もしくは直後に死に至る可能性の方が高い...外科医だった筆者の、人の命を救える立場でもあり、奪う事も出来てしまう立場でもある経験が物語の中の苦悩に見事に表現されている。生きて行く中で、決断を余儀なくされる場面がある。気持ちがよく分かる。

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2012/03/13

3月3日~12日 植物のように生きることを運命づけられた幼い命を救うために、現代医学の限界に挑む若い医師。ヒューマニズムとは何なのか、愛とは何なのか、そして命の“重み”とは―外科医として、文学者として、人間の魂と肉体の気高さ、はかなさを見つめつづけてきた作者が、永遠の命題をあら...

3月3日~12日 植物のように生きることを運命づけられた幼い命を救うために、現代医学の限界に挑む若い医師。ヒューマニズムとは何なのか、愛とは何なのか、そして命の“重み”とは―外科医として、文学者として、人間の魂と肉体の気高さ、はかなさを見つめつづけてきた作者が、永遠の命題をあらためて問い直す力作長編。

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2015/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分が桐野夫人の立場だったらどうするだろうと考えながら読み進めた。 亮一君が亡くなってすぐ、次の子供を授かることはできない、というか、したくない、と思うだろう。 色々な障害を持った子供を亡くした後、二人目を望む勇気は、金銭的余裕がないとなかなか持てないと思う。 --- 植物のように生きることを運命づけられた幼い命を救うために、現代医学の限界に挑む若い医師。ヒューマニズムとは何なのか、愛とは何なのか、そして命の“重み”とは--外科医として、文学者として、人間の魂と肉体の気高さ、はかなさを見つめつづけてきた作者が、永遠の命題をあらためて問い直す力作長編。

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