100分de名著 武士道 新渡戸稲造(2012年2月) の商品レビュー
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武士が身につけ守るべき教え 義 卑怯や不正を憎む心性 勇 正しいことのために行う行為 仁 弱物、劣者、敗者に対する思いやり 礼 他人を思いやり、社会的地位に敬意を払う 信 口に出したことは命にかけて守る心構え 自らの生き方について日々振り返っておきたい
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作者の知名度や使われている言葉の割に中身まで詳しく知られていないんじゃないかな,というテーマ「武士道」。この本がキリスト教徒の新渡戸稲造が書いたというのが不思議だったけど,そのことが奥深さにつながっているだと納得。 もう武士はいないし,戦後も経ているにもかかわらず,武士道的発想が...
作者の知名度や使われている言葉の割に中身まで詳しく知られていないんじゃないかな,というテーマ「武士道」。この本がキリスト教徒の新渡戸稲造が書いたというのが不思議だったけど,そのことが奥深さにつながっているだと納得。 もう武士はいないし,戦後も経ているにもかかわらず,武士道的発想が結構ある,しかもたとえば,武士道とか縁のなさそう人たちが不祥事に対し辞職を求める姿を見るとなおさら,知っておいたほうがいいのかもしれない。
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武士道を明確に表している書。この人の武士道を見て良いと思った部分を書いているのでしょう。 多角的に武士道を見たいときに、人の意見が欲しくなったらどうぞ。
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他の「武士道」の解説本を読んだとき、もう一つピンとこなかった理由が、これを読んでちょっと理解できた気がします。義や礼、仁よりも名誉を重んじる武士の思考が現代にそぐわず違和感を感じたからだった・・・一方で儒教を下敷きとした武士道の思想には納得。日本人の美徳・美意識を再認識した気がし...
他の「武士道」の解説本を読んだとき、もう一つピンとこなかった理由が、これを読んでちょっと理解できた気がします。義や礼、仁よりも名誉を重んじる武士の思考が現代にそぐわず違和感を感じたからだった・・・一方で儒教を下敷きとした武士道の思想には納得。日本人の美徳・美意識を再認識した気がしました。 でも、同時期のベストセラーだと、「学問のすすめ」の方が(書いてあることは厳しいけど、個人的には)納得感・説得感がある気がします。
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(2012.03.11読了)(2012.01.27購入) 「武士道」の内容が分かりやすく解説してあります。 新渡戸が歴史的事実と違う書き方をしているとなぜそのように思っているのかということや事実はどうだったのかを教えてくれています。 武士道は、儒教の影響が強いようです。ただし、武...
(2012.03.11読了)(2012.01.27購入) 「武士道」の内容が分かりやすく解説してあります。 新渡戸が歴史的事実と違う書き方をしているとなぜそのように思っているのかということや事実はどうだったのかを教えてくれています。 武士道は、儒教の影響が強いようです。ただし、武士の名誉とか切腹、殉死については、武士の文化の中で独特の進化を遂げたようです。 上記のあたりの解説にかなりのページを費やしている印象です。確かに現代日本人には、このあたりが理解しがたいところだろうと思いますので。 目次 【はじめに】日本人と武士道の全体像を示した書 第1回、正義・日本人の美徳 第2回、名誉・日本人の責任の取り方 第3回、忍耐・謎のほほ笑み 第4回、武士道・その光と影 ●武士道は口伝(6頁) 明治以前の武士の世には、これが武士道だという書物は存在しませんでした。本書の中で新渡戸も、「(武士道は)文字に書かれた掟ではない。せいぜい口伝によって受け継がれたものだったり、有名な武士や学者が書いた幾つかの格言によって成り立っているものである」と指摘している ●「義」(25頁) 「義は、たとえて言うと、人の身体に骨があるようなものである。骨が無ければ首も正しく据わることができない。手も動かないし、足も立つことができない。だから、人は才能があっても、学問があっても、義が無ければ世に立つことができない。義があれば、武骨で不調法であっても、武士たる資格がある」 ●「勇気」(26頁) 「戦場の中に駆け入って討ち死にすることは、たいへん簡単なことで、とるに足らない身分の者にもできる。生きるべき時に生き、死ぬべき時にのみ死ぬことを、本当の勇気というのだ」 ●「信」(28頁) 「武士の一言」という言葉は「その言葉が真実であることの十分な保証であった」、約束は「一般に証文なしに結ばれ、かつ履行された」 ●「切腹」(38頁) 切腹は法律上並びに礼法上のひとつの制度だった。それは中世に発明された、武士が罪をつぐない、過ちを詫び、恥を免れ、友を救い、自己の誠実を証明する行為だった。 ●義経(41頁) 最初の確実な切腹は、兄・頼朝に追われて奥州平泉に逃れた源義経が、藤原泰衡の軍勢に攻められた際に行った自害(1189年)でしょう。 ●切腹(43頁) 切腹は武士だけに許された特権的な刑罰でした。武士は支配階級にあるものとして善悪をわきまえ、自分自身を顧みて何らかの非があったと認められる時には死をもって責任をとれる人間である、というのが武士社会の合意とされたからでです。 ●切腹の濫用(47頁) 切腹が名誉だとされたことで、切腹の濫用が増え、「全く不条理な事柄で、または全然死ぬほどではない理由によって」多くの武士たちが、「飛んで火に入る夏の虫」のように死んでいった。 ●日傘をささないのはなぜ(64頁) 「私は炎天下にいるあなたに同情する。私の傘が十分大きければ、あなたを入れてあげることができるが、小さくてそれができない。だから、せめてあなたの苦痛を分かち合いたい」 ●細川ガラシャ(70頁) ガラシャにとって、父明智光秀の謀反は終生忘れることのできない事件でした。主殺しの娘という汚名を被ったガラシャは、豊臣政権下においても、他大名の奥方とさえ付き合いを遠慮していたというのです。そのようなガラシャにとって、大坂城への出頭要請は到底受け入れられないこと。これは、夫忠興のためというよりも、わが身の恥を重ねたくないという「世間体」のためだったのです。 ●刀を抜いたら(88頁) 武士が刀を抜けば必ず相手を斬り留めなければならないし、もし首尾よく斬り留めることができても、人を殺した者には切腹が命じられます。どのような理由で刀を抜いたかが問われることはありません。事の理非の問題ではないのです。一方、斬り損じたら切り損じたで、武士として未熟という理由により、これも切腹を命じられました。つまり、いったん刀を抜いたが最後、その武士は必ず死ぬことになるのです。 ☆関連図書(既読) 「武士道」新渡戸稲造著・矢内原忠雄訳、岩波文庫、1938.10.15 「新渡戸稲造の生涯」須知徳平著、熊谷印刷出版部、1983.10.01 「定訳 菊と刀(全)」R.ベネディクト著・長谷川松治訳、現代教養文庫、1967.03.15 (2012年3月14日・記)
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今、覚悟がたらぬリーダーに「武士道」を《赤松正雄の読書録ブログ》 先の大戦でひとたび日本は滅んだ。蒙古襲来にも倒れず、ペリー来航始め列強の挑発をも凌いだのに、徹底的な敗北を喫したのである。で、それ以来、僅かな歳月の間に、懸命の努力の末、国家再建はなった。だが今、何かがおかしい...
今、覚悟がたらぬリーダーに「武士道」を《赤松正雄の読書録ブログ》 先の大戦でひとたび日本は滅んだ。蒙古襲来にも倒れず、ペリー来航始め列強の挑発をも凌いだのに、徹底的な敗北を喫したのである。で、それ以来、僅かな歳月の間に、懸命の努力の末、国家再建はなった。だが今、何かがおかしい。国破れて山河あり、国起ち上がって人心荒廃す、とでも言うしかない風景が現出している。なぜだろうか。新渡戸稲造『武士道』を読んで、その答えが分かった。 この書物は、長く気になりながら読まずにいた。それが、テレビで放映(NHK「100分de名著」シリーズ)されたのをきっかけにテキスト共々取り組んだ。昭和20年生まれの私などの世代は、生命は地球よりも重いとの信念で生きてきた。どんなことがあっても生きて生きて生き抜くということでもある。名誉を重んじ、忠義のために命を投げ出し、切腹をも厭わぬなどといった立ち振る舞いは、遥か彼方の歴史上の事として棚上げしてきた。 今、目の前に展開する無責任そのものの各界指導者たちのありようは、さすがの私も目を覆いたくなるばかり。切腹をせよとは言わぬまでも、生きる価値なし、さっさと隠居しないか、と怒鳴りたくもなる。新渡戸稲造は、ある時、彼が尊敬する外国人老教授から、「日本の学校教育に宗教教育がないのなら、道徳教育は子どもたちにどうやって授けられるのか」と繰り返して強く問われた。その衝撃から、彼は武士道こそ日本の道徳源だとの結論を出した。 「武士道と云うは死ぬ事と見付けたり」(『葉隠』)との言葉に代表されるように、武士道は、戦時下における国民の覚悟としてかなり偏向的受けとめ方がなされてきた。そうした極端な形ではなく、もっと自然なリーダー論の中核とすべきではないか。忘れられた日本人の美徳を復興させるカギであり、男の覚悟の決め方の指南の書だと素直に思う。 戦前の反動としてあらゆる価値観が逆転してとらえられてきた。「戦後民主主義」のもとで人生を費やしてきた私など命の深いところで巣食っている価値観は、いささか武士道と趣きを異にしている。武士道を何も一方的に礼賛するつもりはないが、いかにも武士、侍がいなくなったといわれていることが今の“日本沈没”と歎かれる事態と深く関わっているように思われる。
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武士道が良いか悪いかは別にして、武士道をよく理解できた。 特に、「武士道の徳目の構造」の図が秀逸。 それにしても、切腹や殉死というのはたいへんなこと。 個人の命よりも、「名誉」の方が重いのはとても厳しい。 武士に生まれなくて、そして、現代に生まれてよかったなと思う。 それでありながら、知らず知らずのうちに武士道的な行動を取っていたりもする。 自分も日本人で、根底には日本人に共通する武士道に由来するような道徳観があるのだなとも思う。
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