悪い娘の悪戯 の商品レビュー
ノーベル賞作家による、世界を駆ける最高の「ファム・ファタール」もの。とにかく楽しくて切なくて愛おしい話。大人のおとぎ話、とでも言うのか。図書館で借りて感動(?)して、文庫本になったら買おうと思ってるのに全くその気配なし。単行本で買うしかないのか。
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読みやすい ずっと波乱万丈 恋愛ごっこというか ちょっとこってりしすぎて食傷気味だったけど 途中エログロ?までいっててひえぇーと かなりの大人向け 70歳でこれ書くなんて脱帽です 最後の最後でニーニャマラは死ぬ前に会いに来たんだな、と 相容れない性格で、ほんととんでもなく悪い娘、なんだけど 金をずっと望んでた彼女が、それをニーニョブエノに遺そうとする そこに、ニーニャマラもうまく世間並みな愛情関係を作れなかったけど、ニーニョブエノを愛していたんだ、と そして身体中手術の跡と病気で変わり果てたニーニャマラを受け入れるニーニョブエノ 娯楽風に展開してくけど、最後ので深い愛の話になる
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官能小説という前評判があったとのことだけど、確かに性的な表現はかなり露骨なものの、それ以上に四十年に渡り一人の女性を愛し、振り回されながらも待ち続ける主人公の一途さや、ペルー、フランス、日本、スペインと世界各国を舞台にしたストーリーに惹かれる作品。 南米モノのわかりづらさもなく、...
官能小説という前評判があったとのことだけど、確かに性的な表現はかなり露骨なものの、それ以上に四十年に渡り一人の女性を愛し、振り回されながらも待ち続ける主人公の一途さや、ペルー、フランス、日本、スペインと世界各国を舞台にしたストーリーに惹かれる作品。 南米モノのわかりづらさもなく、シンプルなストーリーは、らしくないと言えばらしくないが、登場人物のキャラの強烈さは魅力的。 ここ最近読んだ本の中では、さすがノーベル文学賞作家、秀逸で久しぶりの五ツ星。 ただのラブストーリーに留まらない作品、是非。
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「君のことを永遠に愛しているよ、ニーニャ・マラ(悪い娘)」 「そのキザな台詞は嫌いじゃないわ、でも私は誰も愛さないのよ、ニーニョ・ブエノ(よい子ちゃん)」 各章は、時代の風俗や流行および当地でできた友人、ニーニャ・マラとの再会、唐突な別れ、の3部構成。 ファム・ファタール一本で貫きつつも、国や時代や社会やがおかずとして描かれる。 「緑の家」や「密林の語り部」ほど超絶技巧ではない、「継母礼賛」「官能の夢ドン・リゴベルトの手帖」ほど夢心地ではない、小説としてはシンプルでゆったりとしてバランスのとれた良作。 ところで彼女はクンニリングスが好き。腕で顔を隠して快楽に沈む。 これって自己愛に浸りながら性対象について無限に夢想を巡らせているということで、セックスの真理だよね。 ♪Wind is blowing from the Aegean 女は海 好きな男の腕の中でも ちがう男の 夢を見る UhーAhーUhーAhー 私の中でお眠りなさい
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国境や時代を軽々と超えて展開するストーリー。とことん悪戯な娘を生涯かけて愛し続けた主人公、しかしいたずらに盲目というわけでもなく、断ち切ろうとしたにも関わらず、追いかけられる。白夜行的な悪女なのに、どう考えても憎むべき存在なのに愛されるのはやはりある種の特殊能力。
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僕にも昔あったよ、悪女に振り回されたい願望がね。 この小説はそんな願望を擬似体験できる上に、実際にはそうならなくて本当に良かったと思えたし、ていうか俺にはマジ無理って思わせてくれて、もうなんていうかとにかく満足。
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作者を投影したニーニョ・ブエノのいじらしさ、恋心を存分に楽しむ本。 ノーベル賞作家の描くとても贅沢なラブストーリー。 恋して焦がれて手元にあっても心もとない女を、求め憎み信じたいと願いいつまでも囚われている男の一生を緻密に描いた。幸せな日常は甘く、離れ焦がれ憎む日々は苦く、寂寥感...
作者を投影したニーニョ・ブエノのいじらしさ、恋心を存分に楽しむ本。 ノーベル賞作家の描くとても贅沢なラブストーリー。 恋して焦がれて手元にあっても心もとない女を、求め憎み信じたいと願いいつまでも囚われている男の一生を緻密に描いた。幸せな日常は甘く、離れ焦がれ憎む日々は苦く、寂寥感が影を落として恋している気持ちにさせる。 ニーニャ・マラの人物像が最後まで心もとないところ、ずっと一人称で語られたことが成功している。
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ツンデレ悪女小説(ただし、ツン10:デレ0に限りなく近い)。なのにこの悪女に惹かれる男の気持ちになぜか共感できてしまう。男ならなんとなく共感できる人は結構いるんじゃないでしょうか。おもしろいおもしろくないとかいうレベルを超越した、大きな物語に触れたという感覚が残ります。すぐには次...
ツンデレ悪女小説(ただし、ツン10:デレ0に限りなく近い)。なのにこの悪女に惹かれる男の気持ちになぜか共感できてしまう。男ならなんとなく共感できる人は結構いるんじゃないでしょうか。おもしろいおもしろくないとかいうレベルを超越した、大きな物語に触れたという感覚が残ります。すぐには次の読書に取りかかれないほどの濃密さでした。
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こんなに酷い仕打ちを何度も受けながら、ずーっとひとりの女性を愛し続けることができるものなのだろうか。私にはとてもこんなまねはできない。 いっぽう、女性は金目当てに男性遍歴を繰り返すのだが、デラシネ状態に虚しさや淋しさを感じないのであろうか。私は男にも女にも共感は抱けなかった。しか...
こんなに酷い仕打ちを何度も受けながら、ずーっとひとりの女性を愛し続けることができるものなのだろうか。私にはとてもこんなまねはできない。 いっぽう、女性は金目当てに男性遍歴を繰り返すのだが、デラシネ状態に虚しさや淋しさを感じないのであろうか。私は男にも女にも共感は抱けなかった。しかしながら、70歳の齢で、このような作品を発表するリョサ氏にいろんな意味で敬意を表します。
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女は金と権力のある男が好きで男に愛情など求ず、法も倫理も無視してより良い男に乗り換えて行く。男はパリで一生暮らすことだけが人生の目標の男。 男が惚れていることをいいことに、女は男の金やコネを利用して、散々弄んで別の男とあっさり消えてしまう。でも、次に再開した時には、前にあったすっ...
女は金と権力のある男が好きで男に愛情など求ず、法も倫理も無視してより良い男に乗り換えて行く。男はパリで一生暮らすことだけが人生の目標の男。 男が惚れていることをいいことに、女は男の金やコネを利用して、散々弄んで別の男とあっさり消えてしまう。でも、次に再開した時には、前にあったすったもんだは何もなかったかのように、アッケラカンとして、また思わせぶり態度で誘惑する。男は性懲りも無く、今度こそ愛情を得られるかもと愛情を注ぐがまた捨てられる、のループ。 話が進むに連れ、年を取るにつれ、お転婆な娘だな→なんたるビッチ→メンヘル入ってるなぁと、男と一緒に読者は呆れるわけですが、話の中頃から女の隠された過去が明かされるにつれ、女の行動を「悪い娘の悪戯」ですましてきた男の了見の狭さに気づかされる。男も傷ついたかもしれないけど、おんなじ位女に残酷なことしてるよね、と。で、読者は段々女に同情を覚えてくる訳ですが女は最後までビッチなままでやっぱしただの悪い娘かなぁとも思わせて、終わる。 読みはじめは、男の独白スタイルもあいまって、ティファニーで朝食をとかアニーホール、100日間のサマー的な、自由奔放な女と女に翻弄される一途な男を描いた洒脱な小説かな~と思っていたのですが、物語が進んでいくにしたがって、ちょw聞いてないんだけどw的な抜き差しならない修羅場になっていくのが面白かったですね。技巧をこらした重厚な小説を書く人とばかり思っていたのですが、とても読みやすくて笑えて悲しい小品でした。もしかしたら、ペルーの苦い歴史が悪い娘に重ねあわされているのかもわかりませんが、そこまで深読みする知識はなく。。。
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