トクヴィルの憂鬱 の商品レビュー
この著作のベースになっているのは政治学研究の博士論文とのことだが、そんな堅苦しさはほとんど感じることなく最後まで通読することができた。今後が楽しみな書き手である。 トクヴィルというフランス政治史上の人物の生き方と思想を手がかりにしつつ、時代を生きる人間がその拠りどころとすべき「聖...
この著作のベースになっているのは政治学研究の博士論文とのことだが、そんな堅苦しさはほとんど感じることなく最後まで通読することができた。今後が楽しみな書き手である。 トクヴィルというフランス政治史上の人物の生き方と思想を手がかりにしつつ、時代を生きる人間がその拠りどころとすべき「聖なる権威」の喪失に立ち会ったとき、どのように自らの「存在理由」を求めていったかということが、まるで「時代」という大きな時間の流れと、その中で自らの思想を確立していこうとする人間の「もがき」の物語のようにも読めた。
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自分、未だにロマン主義論をキチンと読んだことはなくて、ほぼ頭の中で構築した、歴史の流れから推察する妄想みたいなものばかりでニヤニヤ…じゃない萌え萌え…でもない、考えてきたんだけど、こう何かしら読んでみると、文学ロマン主義が『政治的にならざるを得ない』ことの根本的な理由が見えてくる...
自分、未だにロマン主義論をキチンと読んだことはなくて、ほぼ頭の中で構築した、歴史の流れから推察する妄想みたいなものばかりでニヤニヤ…じゃない萌え萌え…でもない、考えてきたんだけど、こう何かしら読んでみると、文学ロマン主義が『政治的にならざるを得ない』ことの根本的な理由が見えてくるから面白いとは思う。 ロマン主義の渦中にいて、やはり自身ロマン主義世代の特徴を備えているトクヴィルの、しかし随所に見られる特殊性とか、その特殊性(自己矛盾)ゆえに分裂しかねない自己を押しとどめる役割を果たしている考え方とかを、主要ロマン主義と対比させつつ論じられていて面白かった。 以後、感想ではなく。 第1部(だったかな?区分)は理解も容易だったけど、第2部(だったよな…)は、自分の詩にたいしての知識不足が祟ったように思う。目下、課題。そもそも文学ロマン主義と詩は切り離せないよなぁ(好むと好まざるとに関わらず)
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第一部が大変面白く、このテーマでこんなにグイグイ読めるとは…!またタイムリーにもこれと前後して映画レミゼラブルを観に行ったので時代背景のイメージも少ししやすかったり。第二部以降、とくに汎神論のへんは知識不足で消化不良…わからなかった。次はバルザック読んで補完したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
革命後のロマン主義世代の高揚と煩悶という視座から再検討する一冊。民主主義の全能感と無能力の落差に直面させられた懊悩をつまびらかにするが、絶望はしなかった。「若者」の苦悩から読み直す興味深い試み。
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