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2012/10/19

 アイルランドでは、基本的に離婚と堕胎はタブーらしい。法的に離婚が認められたのは1995年のことらしい。人工中絶は国民投票で否決。  このこと自体は特にどうこう言うつもりはない。各国で宗教的・文化的事情があるだろうし、その違いを認めるのも拒絶するのも、その人の自由だろう。  ただ...

 アイルランドでは、基本的に離婚と堕胎はタブーらしい。法的に離婚が認められたのは1995年のことらしい。人工中絶は国民投票で否決。  このこと自体は特にどうこう言うつもりはない。各国で宗教的・文化的事情があるだろうし、その違いを認めるのも拒絶するのも、その人の自由だろう。  ただ、この小説を読む前にそういう背景だけは頭に入れておいた方がいいと思う。  ポルノ小説を書くことを仕事とすることの虚無と、それと相反するようなその小説中の性描写の濃厚さ。ロンドンという外部の世界との間を行き来しながら体験する生と死、入り組んだ人間関係。そして相変わらず自分の居場所で自分の生業を続けるしかない男の姿。  ひとりの男の姿からアイルランドという国の姿が見えて、読者の視界が開けてくる気分がする。それが読書の醍醐味だと思う。

Posted byブクログ