遅い男 の商品レビュー
六十代の独身男ポール・レマンは自転車の事故で片脚を失った。医師は義足を勧めるが、ポールはかたくなに拒否、アデレードの自分のフラットで要介護の暮らしを始める。かつて離婚を経験し、その後は勝手気ままに暮らしてきた。それゆえに、福祉事務所から紹介される介護士たちの年寄り扱い、子供扱いへ...
六十代の独身男ポール・レマンは自転車の事故で片脚を失った。医師は義足を勧めるが、ポールはかたくなに拒否、アデレードの自分のフラットで要介護の暮らしを始める。かつて離婚を経験し、その後は勝手気ままに暮らしてきた。それゆえに、福祉事務所から紹介される介護士たちの年寄り扱い、子供扱いへの苛立ちは募るばかり。彼は人生に絶望しかかっていた。そんな折、ポールのもとにマリアナ・ヨキッチという介護士が送られてくる。仕事熱心で美しいマリアナに、ポールは惹かれていく。だが、彼女には夫と子どもたちが。ポールはマリアナに愛を伝えようと苦心するが、見知らぬ女性作家の出現が彼の人生をさらなる混沌へと導く。
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もっと御大層な話かと思ったがそうでもなかった。 足を怪我してリハビリ生活をする男性の日常が、海外でのリハビリ生活の情報となるかと思ったがその役には立たなかった。 単なるお話。 誰が読むのだろう? 誰をターゲットに書いたのだろう?
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朝日新聞で奥泉光さんによる『遅い男』書評を見かけた。クッツェーは前に1冊読んで途中になっていたものがあったので、改めてチャレンジするいい機会かなと思いレジへ運ぶ。そういえば鴻巣さんの訳なのだ。 いざ読み始めると「意外と読みやすい…?」という感じで進んでいった。でもエリザベス・コ...
朝日新聞で奥泉光さんによる『遅い男』書評を見かけた。クッツェーは前に1冊読んで途中になっていたものがあったので、改めてチャレンジするいい機会かなと思いレジへ運ぶ。そういえば鴻巣さんの訳なのだ。 いざ読み始めると「意外と読みやすい…?」という感じで進んでいった。でもエリザベス・コステロが闖入してくるところで「おっ、何か来たぞ」と身構える。鴻巣さんの解説にも「ポストモダン」と出てくるが、意匠を凝らした小説である。「おっ、何か来たぞ」と思った時に「奥泉さんがこういうの好きそうだ」と思ったりもする。 読みながら全体的に何か寓意があるのだろうか、とふと思うのだけれど、クッツェー自身の来歴や、南アの歴史について疎い者からは、それを感じ取るのは難しかった。でも何か別のことを言おうとしている、という感じを終始受ける。「遅い」って何が遅いのか… 訳文のおかげなのか、深刻なんだけれどもどこかユーモラスな感じもある作品でした。他作品が気になる。また、鴻巣さんが若者言葉を大胆(?)に訳しているが、原文はどんな表現なのか興味深々である。
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なんか、年取るのが怖いなぁとか思っておりましたが、読んでみたらいろいろおかしさも合わせて年取るってこんな感じなのかなぁとひしひしと感じてきます。子どもってこわいー。 『エリザベス・コステロ』読んでいたらもう少し面白く入り込めたかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ノーベル文学賞受賞者の作品。 60代の離婚歴のある少々偏屈な老人が交通事故で片足を失い、家に閉じこもりになる中、介護士の女性に恋心を抱く、少し悲しく、少し重い話。 途中から登場する女性作家は、誰の分身なのか、作者か主人公か。
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交通事故で片足を失った初老の男の、クロアチア人の介護士に寄せる慕情の行方。 男の思惑を打ち砕く他者の感情と現実が容赦ない。
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たまたま日経の書評を見て読んだ。 読みやすいので驚いた。 ケアと老化かあ。 ときめくのも大変だ。
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