暦はエレガントな科学 の商品レビュー
2011年5月10日朝日の記事 日本気象協会・日本版二十四節気を提案予定 二十四節気 四立(しりゅう) 太陰暦に太陽暦の要素を取り入れたもの 和歌で「立秋なのに暑い…」 1,000年以上前から暦の上の季節と実際の季節にズレ 二至二分 冬至・夏至→四立は二至二分の中間点→四立は天...
2011年5月10日朝日の記事 日本気象協会・日本版二十四節気を提案予定 二十四節気 四立(しりゅう) 太陰暦に太陽暦の要素を取り入れたもの 和歌で「立秋なのに暑い…」 1,000年以上前から暦の上の季節と実際の季節にズレ 二至二分 冬至・夏至→四立は二至二分の中間点→四立は天文学的な概念 気温の変化は太陽より遅れる(海水の熱容量の影響) 本来は光の季節なのに気温の季節と勘違いしてしまう→暑さではなく太陽高度の概念 太陰1か月(朔望月)29.5日 12か月で354日 太陽暦より11日短い 3年たてば季節が1か月ズレる→閏月は3年弱に1回置けばよい→19年に7回 メトン法 19年で2時間のズレのみ 中国での二十四節気 節気と中気 正月の決め方☆理解不能 4年に1度のユリウス暦 365.25日 キリストの復活祭の日程を決めるのに支障 春分は3月21日 復活祭は春分を過ぎた後の最初の満月の後、最初の日曜日→16世紀には10日もズレ グレゴリウス暦 閏年を400年に97回 365.2425日 真太陽年365.2422日 黄道十二宮(12の星座) それぞれの時期に太陽のある星座 期間は二十四節気と似ている→考え方は同じ 暦は契約社会のインフラ 農業のためだけなら自然暦で十分であったはず ケプラーの法則 地球の公転軌道は楕円 江戸時代 大の月30日、小の月29日 月の大小は決まっていなかった→契約社会で暦はインフラ 江戸時代 宣明暦の終り→国産の貞享暦 安井(保井)算哲、後の渋川春海 天地明察(冲方丁の主人公) 父は安井道頓(大阪の道頓堀を掘削 土木学者にとって数学は不可欠) 明治6年(1873年) グレゴリウス暦が採用 天保暦が廃止 明治5年12月2日の翌日が明治6年1月1日 十二支 十干 12と10の組み合わせ→60年で1周 還暦→赤子に戻るので赤いちゃんちゃんこ 壬申の乱672年 戊辰戦争1868年 辛亥革命1911年 西暦が分かれば干支が分かる→☆戦後使われているものはない?1年間に1回しか歴史的出来事がない時代 丙午 1966年(昭和41年) 陰陽五行説でどちらも火 火事が多い 午(じゃじゃ馬) 井原西鶴1686年 八百屋お七 方位 北を子(ね) 時計回りに30°ずつ丑、寅、… 東→90°卯(う) 時刻 深夜0時を子(ね) お昼(正午)を7番目の午 土用の丑の日 陰陽五行説 春夏秋冬に木火金水をセット 土がない→各季節の最後の18日を土 正月7日の七草がゆ 本来は旧暦(新暦ではハウスものでしか食べられない) 桃の節句(陰暦3日は月齢2で大潮 潮干狩りで蛤を食べる習慣) 五月晴れ 旧暦5月は梅雨のころ→梅雨の晴れ間のこと 明治29年(1896年)6月15日 旧暦で5月5日男の子の初節句で酒盃を上げていた人もいた 明治三陸津波 六曜 江戸時代まではなかった・明治に政府が禁じた後、おばけ暦によって普及 二十四節気を目の仇にしている人たちは、六曜を撲滅することを考えるべき 九星 天文学とは関係なく魔法陣という数学遊戯と関係 暦というより占いに使われおばけ暦に混入 十二直 土用の丑は平賀源内のキャッチコピー 土用自体が凶とされていた時代に乗り切る発想 月が毎日宿る星座 二十八宿(にじゅうはっしゅく) 高間塚古墳の壁画 被葬者をピクニックに誘っている図 イスラム暦☆季節の変化がない地域では太陽暦とまったく違うものでも季節のズレが関係ない? 2011年5月17日日経新聞 旧暦の知識を衣料品の販売に活かしている会社・旧暦では閏3月が入るため、春が4か月と通常よりも長いため、GW過ぎまで春の気候が残ると同社は読む。…→実際の暑さとは関係なし 2033年問題 天保暦準拠では2033年から2034年までの月名が決まらない→清朝の時憲暦を参考に解決か? 2011年日本カレンダー暦文化振興協会が設立されたので音頭取り
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暦を当たり前な日常としてみるかそれを科学としてとらえるかによって見る目が変わってくる。 普通に生活していると暦というのはありきたりな天気用語として終わってしまうが一つ一つ歴史を見ながら読み解くといかに季節を大切に感じてきた昔の人たちの波乱であり優雅な生き様が目に浮かぶようだ。 そして、それを過去から現在の科学の目で読み解くことがいかに楽しいものなのか著者の文章からしみじみ感じられる。 暦というものは日本の宝でもあり他国との生業で存在するものだということをこれからも語り継いでいかなければならない。
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いや、暦というものの考え方が変わりました。 星々の運動をつぶさに観察してきた先人たちがいて。 その後継たる我々は星もよく見えないほど光を放つ世界に住んでいる。 大安とか仏滅は気にしなくていいものだったのか・・・!惰性による慣習はナンセンスかもしれない。でもすべて無駄かというと、そうではなくて、それを信じてきた人々がいるのは事実で。 1000年も前から、光の季節(宇宙の動きから導かれる暦)と、日本列島に住む人々のイメージする春夏秋冬は違うものなんですね。 暦を調べれば民族がわかると伺ったことがありますが、おもしろいなぁ。
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二十四節気と日本人~二十四節気は,立秋といってもまだまだ暑い・・・というように,季節感とずれている。これは中国の暦を導入したからで,日本式の節季があってもいいんじゃないかと考える向きもあるが,そもそも・・・自然暦があって,縄文・弥生時期にはこれで用が足りていたけど,「月末までに・...
二十四節気と日本人~二十四節気は,立秋といってもまだまだ暑い・・・というように,季節感とずれている。これは中国の暦を導入したからで,日本式の節季があってもいいんじゃないかと考える向きもあるが,そもそも・・・自然暦があって,縄文・弥生時期にはこれで用が足りていたけど,「月末までに・・・」という約束をすることが多くなり,太陰暦が生まれた。イスラム暦のような純粋太陰暦では1年12ヶ月では当然,ずれてくるので長期の約束はできない。そこで,太陽高度を計って,1年の長さを割り出し,閏月を入れることが考えられた。また,日食・月食は天意と考えられていたため,権力者としては,その時期を精確に把握する必要が生じて厳密な計算が求められた。光の季節として春夏秋冬を四つ置き,二十四等分するときに,定気法では日数で割るが,地球の軌道が楕円であるため,正気法は15度ずつで割る。二至二分はよく知られており,夏至・冬至・春分・秋分だ。その間に農暦を入れていくと,春分(0度、3月21日)・清明(15度、4月5日)・穀雨(30度、4月20日)・立夏(45度、5月6日)・小満(60度、5月21日)・芒種(75度、6月6日)・夏至(90度、6月21日)・小暑(105度、7月7日)・大暑(120度、7月23日)・立秋(135度、8月7日)・処暑(150度、8月23日)・白露(165度、9月8日)・秋分(180度、9月23日)・寒露(195度、10月8日)・霜降(210度、10月23日)・立冬(225度、11月7日)・小雪(240度、11月22日)・大雪(255度、12月7日)・冬至(270度、12月22日)・小寒(285度、1月5日)・大寒(300度、1月20日)立春(315度、2月4日)・雨水(330度、2月19日)・啓蟄(345度、3月6日)となる。分割点には12の節気と12の中気が交互に配され、各月の朔日(1日)が対応する節気前後になるように月名を決める。実際には月中に次の中気が含まれるように決める。例えば雨水が含まれる月を「正月」と決めると元日の前後半月以内に立春があることになる。中気が含まれない月が現れた場合には閏月が設けられる。例外規定も必要になるが,暦を設けてそれを臣下に従わせることが重要。中国で制定された暦を周辺国は報じてきた。当然,緯度が異なれば,日食・月食を予測することは不可能になり,江戸中期には渋川春海が日本独自の貞享暦を編纂した。明治6年,西暦を導入して,混乱が加速し,六曜等という迷信も混入して,混乱は留まらない~日本気象協会ごときが日本の季節にあった新しい二十四節気を提唱しているのは笑止千万の暴挙だということが云いたいのね。著者の意図は解るけど,説明が上手じゃない。wikipediaは,その点,巧いぞお。この人は1951年生まれで高知大学を卒業し,民間気象会社に勤め,退職して建設環境アセスメント業で独立
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暦の歴史、いろんな暦、暦と社会の関わり等々。暦をいろんな角度から見ている本。 普通に生活していて感じる季節と、天文学を元にしてできた二十四節気は違うものなんだよ、てことが一番言いたかった…のだろうか。 身近で毎日関わりのあるものだけど、ちゃんと考えたり知ることは無かった暦の話。知...
暦の歴史、いろんな暦、暦と社会の関わり等々。暦をいろんな角度から見ている本。 普通に生活していて感じる季節と、天文学を元にしてできた二十四節気は違うものなんだよ、てことが一番言いたかった…のだろうか。 身近で毎日関わりのあるものだけど、ちゃんと考えたり知ることは無かった暦の話。知らないことだらけで読んでいて面白いところも沢山あった。のだが。 ある程度太陽や月の動きのような天文学的な知識と暦に関する知識を持っている人向けかな~。 太陽の動きひとつにしても、頭の中に立体的に映像が出てこない私には最初から難しかった(^^; 暦の歴史にしても、読んでいる時は何となく大雑把にそうなのかーと思えるけれど、ちゃんと理解しているのかと言われると全くな状態で…。 読まなきゃ良かったとは思わないし面白いけど、私にはちょっと難しい本だった。
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二十四節季が太陽暦であること、 天文をやっている人間からすれば当たり前なのですが、 なかなか多くの人はそう思いません。 そもそも、実際に感じる季節とずれているという感覚を持っている人が大半でしょう。 「暦の上では…」という表現がそれを表しています。 二十四節季はあくまで天文学的...
二十四節季が太陽暦であること、 天文をやっている人間からすれば当たり前なのですが、 なかなか多くの人はそう思いません。 そもそも、実際に感じる季節とずれているという感覚を持っている人が大半でしょう。 「暦の上では…」という表現がそれを表しています。 二十四節季はあくまで天文学的な概念であり、 たとえば北半球でもっとも昼が長くなり太陽の南中高度が高くなる日が夏=夏至なわけです。 気温がもっとも高くなる時期や海水温がもっとも高くなる日は、 それぞれの熱伝導率や熱容量の関係で送れますが、 太陽の動き的には6月が夏なわけです。 この本は、主に旧暦や和暦を中心として、 読み物的に暦の話が書かれています。 雑節や六曜、十干十二支など暦と関係のある事柄についても、 雑学的に記載されています。 タイトルを見ると、 もっと科学的で計算式や図が出てくる本かと思いがちですが、 そうではありません。 もう少し図などが欲しかった気もしますが… 読み物としては面白いと思います。
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