人類の宗教の歴史 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
世界の9大宗教思想をその起源、本質、歴史を含めてわかりやすく紹介した一冊。従来の抑圧的宗教伝統に抗したのがその歩み。入門用の類書が少ない中で便利な一冊。淡泊な感も否めないがググったりwikiで済ませるよりは本書を読むべきか。
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概観として。 諸々の特定の宗教(および思想)の意味は時代とともに変遷している。例えば、儒教もその一つで、そもそも孔子は「精霊や神々は祀りながらも距離を置くべき」としている。儀礼との適切な距離感――現代の儒教の儀礼主義は孔子の没後に定められたものなのである。 他にも、ギリシア哲学に...
概観として。 諸々の特定の宗教(および思想)の意味は時代とともに変遷している。例えば、儒教もその一つで、そもそも孔子は「精霊や神々は祀りながらも距離を置くべき」としている。儀礼との適切な距離感――現代の儒教の儀礼主義は孔子の没後に定められたものなのである。 他にも、ギリシア哲学における、エピキュロス派・ストア派に対する印象は本来的には我々が認識しているものとは真逆のものだったりと、宗教(および思想)は、時代の要請、政治権力との関わりで、その意味合いを大きく変えていくわけである。 じつは、一神教における「神の立ち位置」も同様で、かつては人間の「外」に存在していた「神」は、現代においては「個々人の内」に存在するケースが増えてきている。 「神」は自分の姿に準えて人間を造った。人間は「神」にそのお返しをした(ヴォルテール)
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