原子力マフィァ の商品レビュー

土井淑平【著】

2012/08/10

題名にマフィアとつけるほどだからきっちり反原発の本である。

だれがどこでどういう発言をしたかということが非常に多く書かれている。
そして　その原発の利権に群がる寄り合い所帯の様子を非常に細かくかいてある。

坊主憎けりゃ　袈裟までとい憎いという調子で書いてあるように一見見受けられるが、そうではない。長年　反原発の運動をしてきただけに説得力がある。
また　その原発推進の淵源ともいえる　文明論までさかのぼっていて
非常によく勉強してある。
ただ　著者の熱さにいささか閉口するが、それは読者のこちらの体温が低すぎるせいで、このくらい熱くなる事態になっているのだ。
それが都会でクーラーをつけて　オリンピックなどみていたら
今なお漏洩を続ける原発のことなどつい忘れてしまう。

現実は　漏洩中　それを忘れてはいけない。

様々な警告を無視してきた産官学に罪があることはよくわかるが、
この翼賛体制に抗する勢力を結成しにくのも事実である。

ぜひ　一家に一冊買いましょう。