日出処の天子(完全版)(メディアファクトリー版)(2) の商品レビュー
この本の着想は、梅原猛の『隠された十字架』にあるという。聖徳太子=怨霊説を提示した。法隆寺は、怨霊鎮魂寺とされる。聖徳太子の哀しさと孤独と禍々しさが厩戸王子に憑依している。 穴穂部王子は、大王に推挙してもらうために会いに額田大后に近づき、魔がさして暴行を働いた。これが大きな...
この本の着想は、梅原猛の『隠された十字架』にあるという。聖徳太子=怨霊説を提示した。法隆寺は、怨霊鎮魂寺とされる。聖徳太子の哀しさと孤独と禍々しさが厩戸王子に憑依している。 穴穂部王子は、大王に推挙してもらうために会いに額田大后に近づき、魔がさして暴行を働いた。これが大きなスキャンダルとなる。厩戸王子は、野心を抱く穴穂部王子を殺害した。この冷酷さは表情にすらでない。穴穂部王子の後ろ盾は物部守屋である。さらに、穴穂部王子は守屋の娘・豊姫と結婚しようとした。結婚は権力争いの一環に過ぎないのだ。 厩戸王子は、穴穂部王子に刺され、深傷を負う。その傷の回復力は、早い。その後、宅部王子も毛人が押して、頭を打って不慮の事故で亡くなる。厩戸王子は、能力のない泊瀬部王子を次の天皇に推挙する。 この後、蘇我馬子は泊瀬部王子を推すことに対し、物部守屋との戦いが始まる。 毛人と厩戸王子は馬に乗り、守屋の兵士たちに追われて崖から落ちる。毛人は気を失い、厩戸王子は彼を心配して涙を流す。厩戸王子は木の陰に隠れている物部守屋を呪う。やがて、毛人は弓矢を手に入れ、守屋に向かって放つ。矢に打たれた守屋が倒れると、仏の行列が見える。このシーンが印象的である。 厩戸王子の持つ妖しさ、ナイーブさ、傷つきやすさが浮き彫りとなる。圧倒的な予感力と力を備えているにも関わらず、毛人は「王子、あなたはとても人間業とは思えませぬ」と語る。これに対し、厩戸王子は「そなたまで人間でないというのか」と答え、「人間でないこと」に苦悩する。この部分には、厩戸王子の深い運命が感じ取れる。第2巻は、厩戸王子が人間でないと言われることに悩みがあることだ。 また、叔母の額田部女王は、激しく厩戸王子の行為を激しく叱責する。額田部女王は、厩戸王子が殺人をしたことを心で理解する。そして彼は叔母に愛されていないことを痛感している。額田部女王は、竹田王子を溺愛している。こうした複雑な内面を抱える厩戸王子の悩みに戸惑うのが、蘇我毛人である。彼は、変化しやすい厩戸王子の気分にどういう距離感を持つべきかを模索している。 その後、刀自古が蘇我馬子の館に戻ってくる。彼女は非常に美しくなっており、その変貌ぶりに毛人は驚く。 物部との戦いのさなか、竹田王子が亡くなり、額田部女王は半狂乱となる。その額田部女王を、厩戸王子が諭す場面では、周囲の者たちも涙を流す。人の機微に関わる繊細な物語の展開である。
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厩戸王子の毛人愛が止まらない。 実の母に疎まれ忌み嫌われ、寂しいだろうな‥と思える側面も。 王子の超人的な能力も、怖い面があるものの、読んでいてわくわくする。
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物部氏が滅び、新しい大王が即位した。厩戸皇子の活躍があったが、この後も波乱がありそう。続きが気になる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
天才であるがゆえの孤独がひしひしと伝わってきてやきもきしちゃうわ。 彼にとっては当たり前のことが、他の人にとっては人知を超えた神業。誰にも理解してもらえないつらさです。 毛子とすれ違い~。 はやく仲直りしてほしいものです。
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大王争いが激化する2巻、物部の推す穴穂部王子と、蘇我の推す初瀬部王子が厩戸王子の手のひらの上で転がされていき、毛人(えみし)と厩戸王子の関係も、大きく揺らぎます。 機嫌を損ねれば、ぷいと遠ざかってしまう人は、周りを振り回し、好きなように生きているように、幼かった当時に読んだとき...
大王争いが激化する2巻、物部の推す穴穂部王子と、蘇我の推す初瀬部王子が厩戸王子の手のひらの上で転がされていき、毛人(えみし)と厩戸王子の関係も、大きく揺らぎます。 機嫌を損ねれば、ぷいと遠ざかってしまう人は、周りを振り回し、好きなように生きているように、幼かった当時に読んだときは思えました。しかし、今読み返すと、本当は逆で、自分の気持ちを素直に解放できない人の孤独が見えてきます。 だから、盲目的に、寄り添ってあげてほしいと願ってしまいます。 厩戸王子は天才です。「天から与えられた才」との通り、天を捕まえる力を持っています。凡人も多かれ少なかれ持っているものですが、驚いたりおそれたりするだけで理解はできない、そこに特有の孤独があります。 「天子」とは、君主を指す言葉である。しかし、天から愛された子、天より遣わされし子、天の才を振るう子、そう思えるような片鱗が登場する2巻。 某サイトより転載
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数十年ぶりに読んだが、かなり面白い。名作です。 厩戸皇子の孤独がヒシヒシ。毛人とは、まだ蜜月時代。
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