シャクチ の商品レビュー
いつもの柳生ものとか朝鮮ものではなく、初めての中華ものとあって、最初はとっつきにくかったが、序盤を過ぎたあたりから俄然と展開がスピーディになり、蛮人たる主人公が秦の始皇帝の時代から漢の時代まで、中華文明に敢然と立ち向かう姿が描かれる。ただし、一人のみでは、文明の発露たる拡大する帝...
いつもの柳生ものとか朝鮮ものではなく、初めての中華ものとあって、最初はとっつきにくかったが、序盤を過ぎたあたりから俄然と展開がスピーディになり、蛮人たる主人公が秦の始皇帝の時代から漢の時代まで、中華文明に敢然と立ち向かう姿が描かれる。ただし、一人のみでは、文明の発露たる拡大する帝国の武力には抗しようがなく、最後は、次代の担い手たる若者に託しつつも戦って果てるという壮大なストーリーとなっている。文明の勃興は、それに与しない他者に対するものを侵略という形で飲み込むものであることは間違いないが、多様性の在り様を認めない文明の拡大の危うさを描いているが、文明をただひたすらに恐れ、それに接しないという対抗方法ではなく、文明の何たるかを知りつつ、それに飲み込まれることが無いように備えるべきという物語の根底にあるテーマは、現代にも通じる話である。
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シャクチことサメマは蛇人間である! 彼は人類の自由と平和のため、文明と戦うのであった! 毎章、クライマックスには怪獣とのバトルが用意されているあたり、さながら特撮番組のような趣きであります。 第一話「怪奇巨大蟷螂」 第二話「怪奇化蛇」 第三話「怪奇マンティコア」 etc,e...
シャクチことサメマは蛇人間である! 彼は人類の自由と平和のため、文明と戦うのであった! 毎章、クライマックスには怪獣とのバトルが用意されているあたり、さながら特撮番組のような趣きであります。 第一話「怪奇巨大蟷螂」 第二話「怪奇化蛇」 第三話「怪奇マンティコア」 etc,etc… しかしネタ分としては、太公望呂尚の前身がXXXであったとか。 やっぱり朝鮮は古来より妖術師の国であったとか。 序盤は、牙は狼、筋肉はゴリラ、燃える瞳は灼眼の、シャクチの大冒険活劇を楽しむものですが、終盤描かれる、「文明、ひいては中華思想のあり方」。大上段に構えるならば、「文明化とは、他国の価値観による支配」なのではないかと言っているようにも思える。 亡国となる寸前の朝鮮を舞台に、国を愛するものの心構えを説くシーンでは、それが古代の他国の話であると笑い飛ばせないような真実味を感じる今日この頃であった。
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