アネネクイルコ村へ の商品レビュー
連休のある晴れの一日 むろん、どこにも出かけることもなく 玄関の「箱庭」に椅子を持ち出して 初夏の陽射しの中に素足を晒して 岩田宏さんの 紀行文を読む 緑の風がやわらかく吹いている 音楽はナンシー・アジュラム 本の中に入り込んでいると まるで メキシコのアネネクイルコ村の 土...
連休のある晴れの一日 むろん、どこにも出かけることもなく 玄関の「箱庭」に椅子を持ち出して 初夏の陽射しの中に素足を晒して 岩田宏さんの 紀行文を読む 緑の風がやわらかく吹いている 音楽はナンシー・アジュラム 本の中に入り込んでいると まるで メキシコのアネネクイルコ村の 土埃の舞う道に立っているような 至福のときである
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※このレビューにはネタバレを含みます
時おり手に取りたくなる、みすず書房「大人の本棚」シリーズの最新刊。 副題に付けられていた「紀行文選集」という言葉と、『紀行文は紀行文に親和する、、、ちょうど、犬たちの最大関心事が他の犬たちであるように、、、』という宣伝コピーにいたく惹きつけられた。 1960年代から70年代にかけて出かけたソビエト、イタリア、フランス、そしてメキシコについての紀行エッセイが多数収録されている。 特に多くページを割かれたメキシコへの三度にわたる訪問記が、一番生き生きとして楽しい。同じ場所を二度三度と再訪する場面が以外に新鮮だ。 トロツキーつながりと言えども、いまでこそもてはやされている異端の女流画家フリーダ・カーロの家を銀山の町・タスコ訪ねるくだりなど、どれだけ先見の明があったのかと驚くばかり。
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