旧約聖書の誕生 の商品レビュー
#100奈良県立図書情報館ビブリオバトル「古典」で紹介された本です。 2019.3.16 https://m.facebook.com/events/2271985816457260?view=permalink&id=2294499440872564
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神によって作られた人の最も重要な性格は、人が人であることですという部分が最も感動的だった。人間は自分の知恵で善悪を判断したりして自分が「神のように」振る舞いがちである。しかし人間の領分は人が人であることであり、それが最も重要な性格なのだ。 コヘレトの言葉にも「人間にとって最も...
神によって作られた人の最も重要な性格は、人が人であることですという部分が最も感動的だった。人間は自分の知恵で善悪を判断したりして自分が「神のように」振る舞いがちである。しかし人間の領分は人が人であることであり、それが最も重要な性格なのだ。 コヘレトの言葉にも「人間にとって最も幸福なのは、自分の業によって楽しみを得ることだとわたしは悟った。それが人間にふさわしい分である」とある。 また他に印象的だったところとして、旧約聖書における言葉の使い方には二つあるというところである。内容としては散文と詩の違いであるが、著者はそれを「情報の言葉」と「関係性の言葉」と言っているところが興味深い。前者が散文で後者が詩文であるが、後者の詩文を読み解くことが聖典の読み方だなと改めて理解した。
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加藤隆の本は「キリスト教の本質」、「一神教の誕生」に続いて3冊目。今年に入って、立て続けに読んでいる。 辿っている歴史、扱っている学説、彼自身の見解などは上記の本とこの本で変わらない。だが、何度でも読む価値があることが書かれている。 もっと前に読んでいればとも思うし、今だからこそ...
加藤隆の本は「キリスト教の本質」、「一神教の誕生」に続いて3冊目。今年に入って、立て続けに読んでいる。 辿っている歴史、扱っている学説、彼自身の見解などは上記の本とこの本で変わらない。だが、何度でも読む価値があることが書かれている。 もっと前に読んでいればとも思うし、今だからこそこの感動があるとも思える。 見えていた世界が変わる。読んだ後に自分が変わる。 加藤隆をtwitterで紹介していた中田考に感謝したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
誕生というタイトルではあるけど、旧約聖書の内容の紹介と日本人向けの考え方の紹介が主。というか、成立については突っ込んだ話はほぼない。90年代以降の議論は意図的に触れてないのかもしれないけど、モーセ五書の編纂のくだりとか学術的根拠のない自説を事実のように語っているのはちょっと気になる。あと、にわか素人の身で失礼ながら、誤認では?と思われるところがたまにあって引っかかってしまう。ヘロデ大王がユダヤ人に人気あったとか、全くないわけではないだろうけどそう書かれると誤解がありそうな話とか、エレミヤ記は捕囚時代に大規模な編集・加筆を受けているんだけど、その箇所を当時の記述として扱っていたりして、入門書として広く読まれるのにどうなのかなと思う。そんなに古い本でもないわけだし…。元々新約の先生みたいなので、新約聖書の誕生は楽しみに読もうと思う。
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旧約聖書やユダヤ教・キリスト教の最低限の知識がないと読み通すのは難しいかも知れない。 しかし、それでも読み進むにつれ、「えっ?!そういうことだったの!」といったことが多々あるのが愉しい。 宗教書の解説ではあるが、へんに宗教がかっておらず、学術的な知的好奇心がそそられる良書だと思う...
旧約聖書やユダヤ教・キリスト教の最低限の知識がないと読み通すのは難しいかも知れない。 しかし、それでも読み進むにつれ、「えっ?!そういうことだったの!」といったことが多々あるのが愉しい。 宗教書の解説ではあるが、へんに宗教がかっておらず、学術的な知的好奇心がそそられる良書だと思う。
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