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トールキンとC・S・ルイス友情物語 の商品レビュー

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2020/07/25

『指輪物語』のJ.R.R.トールキンと『ナルニア国物語』のC.S.ルイスの二人を書いた伝記。幼少期、学生時代の話は最小限で、二人がオックスフォードで働くようになってからが本番。互いがどのように影響を与え、名作が執筆される過程を書く。 小説というものは、個人から生まれるものと思わ...

『指輪物語』のJ.R.R.トールキンと『ナルニア国物語』のC.S.ルイスの二人を書いた伝記。幼少期、学生時代の話は最小限で、二人がオックスフォードで働くようになってからが本番。互いがどのように影響を与え、名作が執筆される過程を書く。 小説というものは、個人から生まれるものと思われがちだ。一人の天才の頭の中から出てくるのだと。実際、トールキンもルイスも合作していたのではなく、それぞれが自分で作品を書いている。しかし、この人間関係が無かったらあの名作は生まれていなかったかもしれない。トールキンはルイスに励まされ続けたからこそ『指輪物語』を完成させることができたと言っている。一方ルイスは、トールキンから信仰を含め、様々な影響を受けている。このことを知ると、小説でさえも一人では作れないのかもしれないと思う。 このトールキンとルイスの物語は、創作する者にとって参考になるだろう。彼らは単におしゃべりに興じていたわけではない。定期的な会合を設け、そこで各々の作品を朗読し、批評しあった。信頼できる相手から細かくフィードバックを得ながら執筆を進めたのである。名作を作りたいのなら、このような環境に身を置くのが一番なのかもしれない。

Posted byブクログ