格安エアライン利用ガイド2012 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
LCCが高速バスの代替として「そもそも飛行機に乗らない人」をメインターゲットにしているのだ、ということがよく理解できた。であるから、LCCは深夜の長距離バスと同様、ろくな出発ターミナルもなく、サービスもろくになかったりするわけだ。 確かにその辺の差異を明確にできるのであれば、レガシーベイビーと呼ばれる、JALやANAのようなレガシーキャリアがLCCを子会社に持つシステムが成立するのも理解できる。そしてLCC同士の競争が激しくなれば、現状のツアーバス同様、サービスを上昇させなければならなくなる厳しい世界だということも容易に想像できる。 新幹線と長距離バスが夜行列車をつぶしたように、LCCの発達が新感線の長距離利用を潰すことも十分あり得そうだ。また海外に行くほうが安いということが多くなって、国内の旅行地はいかにLCCの逆方向から客を集めるかに腐心しないといけなくなるだろう。移動コストが下がるということは、要するに相互の商圏が広くなって競争が厳しくなるということなのだから。 LCCによるメリットの大きさを感じつつ、航空業界のデフレが旅行産業全体に与える影響の大きさに恐怖せざるを得なかった。 とまあ、堅い話はさておき、差し当っては東京駅から茨城空港まで500円のバスで出かけて、LCCの春秋航空で上海に遊びに行く計画を練ることにしよう。
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