星どろぼう の商品レビュー
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図書館に返却するにあたり再読して、感想が変わった。「ほんとうにどろぼうだったのかな?」。 ・「どろぼう」の出立が、「ソードの7」を想わせた。 「ソードの7」の意味のなかに、「トリックスター」というキーワードがある。 「星どろぼう」は、トリックスターに観える。 ・「おきろよ!おとなたちがはなまで星のなかにうまっちゃってるよ」と言う、「ちかくのいえのちいさい男の子」の呼び声を皮切りに、眠っていたはずの村じゅうのこどもたちが、この騒動に気がつき外に出てきた場面で、どろぼうが「これで、村じゅうの人たちが、子どもたちまで、星にさわったことになる」とひとりごちた、このセリフ・姿が印象強い。 ✳︎ [わたしのハイライト] ⭐︎1 どろぼうの盗んだ星をふたたび空にもどそうとするけれど、星は、ただそのまま空におしつけるだけではすぐにおちてしまった。 "いちばんさきにそとにとびだした"男の子が触れてもどった星を見て、こうちょうせんせいは、 「そうだ!あの星は、この子が"さわらせて"とおもったのを、ねがいごとだとかんがえて、空にかえったんだ!ねがいごとは"空の星"にするものだからね」 と気がついて、言う。 「なんのさわぎです?」と、はしごから降りて、もどってきたどろぼうが尋ねると、 「ねがいごとをすると、星が空にくっつくの。ぼくたちがめいめいねがいごとをすれば、星をぜんぶもとのところにかえせるんだよ」 と、男の子が伝える。 男の子が言ったように、星は、村のこどもたち、おとなたちの願いと一触で、かえっていった。 ・「村人たちはつぎつぎにねがいごとをし、星たちは、ひゅーっ、ひゅーっ、と空にもどっていきました」という、「ひゅーっ」ていう表現が、またいい☺︎ ⭐︎2+感想 星を渡す係をしたどろぼうが、「もう星は一つものこっていません」と告げる。「それでいいんだ」「村のものぜんいんが、一つずつねがいごとをしたんだから」と、村びとのひとりが言うと、男の子が、「ぜんいんじゃないよ」「どろぼうはまだねがいごとをしてないよ」と伝える。すると、「どろぼうは、ねがいごとをするしかくなんかないんだ。どろぼうの星がのこっていなくてもかまわないさ」と答えた、だれかのことばに、村びとはみな賛同し、夜明けの気配がする空のもと、それぞれのお家に帰っていく。 (感想) アーノルドの絵には、眠たそうな顔で家に帰っていく村人たちと、後ろ手で、親指でどろぼうを差しながら、村人たちの背に向けてなにかを言っている男の子と、樽の上で足を抱えて、そんな彼らか、あるいは男の子と一緒に、村びとたちを見送るどろぼうの姿が描かれている。 " あとに のこったのは、 男の子と どろぼうだけでした。 「おじさん、 ねがいごとが できなくて きのどくだね」 「おじさんの ねがいごとは、 星に さわることだった。 そして、 ほんとうにさわったんだ」と、 どろぼうは いいました。 " (さいごのページ) 一番初めのページで、 " この どろぼうは、 空の 星に さわりたくて さわりたくて たまりませんでした。 心の おくでは、 じぶんだけの 星を 一つ、 ほしいと おもっていました。 心の おくの その おくでは、 星と いう 星を、 ぜんぶ じぶんの ものにしたいと おもっていました。 " とある。 どろぼうの願い、この想いも、その通りだろう。 その一方で、「これで、村じゅうの人たちが、子どもたちまで、星にさわったことになる」と言った、どろぼうのひとりごとを想うと…、 またあるいは、「星どろぼう」のおじさんがしたことで、村びと全員が、自分の願い事と一触をもって、空にかえした光…星が瞬く空を、この日から観るのだ…、 この「星にさわった」、「願い事をしてかえした」という、村人たちの体験は、「星どろぼう」のどろぼうによって起きて、成された。 1回目に読み終えたときも、この絵本を締めくくる、男の子と「星どろぼう」のおじさんの会話に感じるものがあったけれど、2回目、読み終えた今は、「星どろぼう」が、あるいはサンタクロースにも似ているように見えた(どろぼうはよくないけれど)。 「星どろぼう」の真意が、もしかしたらべつのところにあったかもしれないし、いずれにせよ、この男の子だけが、「星どろぼう」のおじさんの、ほんとうの姿を観ているように想う。
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どろぼうが空にはしごを掛けて星を盗んでいて、 村の人が一人 盗んでることに気づいて 村人が一斉に集まってきて はしごを揺らしたりしちゃったのがどろぼうがはしごから落ちちゃってかわいそうだと思った。 2023/10/25 6歳
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星をどろぼうする、それを取り返す、というファンタジーさもよかったけど、それよりも、素朴なのにいつでもふわっと思い出せる絵が印象的で、置いて眺めたくなる絵本。
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図書館本。SNSで見つけて、取り寄せて読んだ本。星を盗んで、見つかってしまったどろぼう。さて、どうやって元に戻そうか…?アーノルド・ローベルの絵が優しく効いています。
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星にさわりたい、星を自分のものにしたいと願うどろぼうはある夜、空に梯子をかけて星を全て盗んでしまう。空に近い場所で星を愛でて暮らしていた村人たちはびっくり仰天! 星どろぼうが次に狙いを定めたものは…。 星を取ったり空に戻そうとしたり、月に隠れたり、現実に有り得ないことばかりなのだが、最後までその世界観が崩れずロマンチックファンタジーにすっぽり浸らせてくれるのがいい。 胸にポッと小さな明かりが灯るような読後感が秋の夜長にぴったり。 でもなぜかこういう素敵なお話系は、5歳11ヶ月の息子にはウケが悪いんだよなぁw
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こういう素朴でほっこりするのに、空気感が素敵な絵本は好き。 愛嬌のあるどろぼう。 少年の純粋な行動と問い。 そして、星は空で願い事を叶えるっていうのがいいなあ。
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5年生読み聞かせに持っていきました。 10分程度です。 山の上の村の泥棒には秘密の願いがあります。「空の星を自分のものにしたい」 ある晩泥棒は梯子で空に登り星をすべて盗んでしまいました。 翌日の夜、星が無くなったことに気が付いた村人は大騒ぎ、星を取り返するために、月に登って泥棒...
5年生読み聞かせに持っていきました。 10分程度です。 山の上の村の泥棒には秘密の願いがあります。「空の星を自分のものにしたい」 ある晩泥棒は梯子で空に登り星をすべて盗んでしまいました。 翌日の夜、星が無くなったことに気が付いた村人は大騒ぎ、星を取り返するために、月に登って泥棒を待ち構えることに… 盗ってくるのは簡単だけど戻すのが大変な星たちをどうやって戻すのか…。 なんとものんびりした星泥棒騒動。 絵柄が可愛らしく、夜空に黄色い光や星の不思議な模様や形が独特な味を出しています。 5年生になると実に静かに聞いてくれます。 この子たちが4年生の時に「パパ お月様とって」を読んだ時は「(月に登ったら)空気が無くて死んじゃうじゃん~~!」なんて声が教室から聞こえていたんですが、5年生にもなるとそんな子供っぽい突っ込みもなく(笑)
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星の本を探していて、借りて読んだ。 どろぼうは、空に はしごを かけて、空の星を ぜんぶ ぬすんだ。 村人たちは、星どろぼうを つかまえるために、月を まもることにした。 文が多めのファンタジー、普通におもしろかったです。 ただ、男の子のキャラクターを活かす終わり方がよかったなぁ、なんて思ってしまいました。 絵がいい感じで、それぞれの星を見るのが楽しかったです。
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ひとりじめしたいがために、空にうかぶ星をすべてぬすんでしまったどろうぼう。それに気づいた村人たちは星をみつけ出して、空にもどそうとします。さあ、空にもどずことはできるのでしょうか?その方法とは?
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≪県立図書館≫ とても素敵な絵本だった。 星の絵もかわいかった。 つい、欲しくなる星たちだ。 星どろぼうの気持も、わかる。 最後の、子供とのやりとりが、あたたかい。 子供は偏見や理屈がない。 素直によりそえる。 いいなぁ。
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