続 閑人生生 の商品レビュー
正直なところ、この本読んでまず浮かんだ言葉は「高みの見物」。何だかちょっと冷たいというか、上から目線みたいな気がして。 読み進んでいくうちに、高村薫が相当の覚悟を持って書いているからこういう書きっぷりになるのかな、と思わないでもなくなってきたけど、なんかこう、この人こんなこと書い...
正直なところ、この本読んでまず浮かんだ言葉は「高みの見物」。何だかちょっと冷たいというか、上から目線みたいな気がして。 読み進んでいくうちに、高村薫が相当の覚悟を持って書いているからこういう書きっぷりになるのかな、と思わないでもなくなってきたけど、なんかこう、この人こんなこと書いてて怖くないのかな、と気になって落ち着かず、途中からびゅんびゅんすっ飛ばして読みました。
Posted by
「AERA」掲載の2009〜2011をまとめたもの。 過激だ。 ”苦言”などというレベルを遥かに超えて、実に過激だ、と思う。 「〜のような気がする」「〜な感じ」などのあやふやな表現はなく、「である」「べきだ」「〜ではない」などの言いきりや断言の多い文体からも、確固たる意志が伝...
「AERA」掲載の2009〜2011をまとめたもの。 過激だ。 ”苦言”などというレベルを遥かに超えて、実に過激だ、と思う。 「〜のような気がする」「〜な感じ」などのあやふやな表現はなく、「である」「べきだ」「〜ではない」などの言いきりや断言の多い文体からも、確固たる意志が伝わってくる。 過激でありながら、時に憂えと優しさも響いてくる。 ことに、今年の東日本大震災の後に書かれた最後の何編かは、あやふやなエールではない、うめくような励ましと鼓舞を感じる。 被災地の苦境と、決して楽観できない状況に心を寄せながら、「喪失の悲しみとともに生きてゆくだけである。犀の角のように歩んでゆこう」と。
Posted by
- 1