定本 見田宗介著作集(2) の商品レビュー
5編の論考と、『見田宗介 現代社会批判―〈市民社会〉の彼方へ』(作品社)を再編集したものを収録しています。 『現代社会批判』は、「〈現在〉との対話」シリーズの1冊です。このシリーズは、小阪修平や竹田青嗣らが現代日本の思想家にインタビューし、彼らの思想を詳しく聞き出したもので、本...
5編の論考と、『見田宗介 現代社会批判―〈市民社会〉の彼方へ』(作品社)を再編集したものを収録しています。 『現代社会批判』は、「〈現在〉との対話」シリーズの1冊です。このシリーズは、小阪修平や竹田青嗣らが現代日本の思想家にインタビューし、彼らの思想を詳しく聞き出したもので、本書では小阪修平がインタビュアーを務めています。とはいえ、ただ見田の説を拝聴することに終始しているのではなく、小阪自身もみずからの思想を雄弁に語っており、かなり見田と響き合うような問題を提出しています。両者は、「外部」をめざそうとするポストモダンの思想家たちのスタンスが、かえって「外部」を幻想的なものとして描いてしまっているのではないかという問題に目を向けます。そして小阪は、見田が『宮沢賢治』の中で論じた「存在の光」や「遠方からの声」という概念に、「外部」と「内部」が反転するところにリアリティを見いだそうとしていることを見ようとしています。 疎外論的な構図がポストモダン思想によって乗り越えられたといったような、単純な理解が成り立たないことがよく納得できました。第三世界を、文明社会を批判するための幻想的な根拠に仕立て上げてしまうのではなく、むしろそうした幻想を求めるまなざしを反転して、文明社会の限りない運動を把握するための努力を続けることは、絶対に他なるものとしての「外部」をいきなり設置して現代社会批判を展開するよりも、はるかに根気のいる作業ではありますが、こうした努力の積み重ねによって希望の実現はなしえないのではないかと思います。
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理解できていない。それは、自分に社会学の基礎的な知識が不足しているからだろう。 定本を読み進める前に今一度、教科書の様な本を読まなければと思う。 ただ、1巻でも感じた見田さんの眼差しの暖かさは感じられた。
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