資本論 第1巻(1) の商品レビュー
『資本論』はとにかく難しい。これはもはや一つの慣用句のようにすらなっている感もあります。 この作品はこれ単体で読んでも到底太刀打ちできるようなものではありません。 時代背景やこの本が成立した過程、さらにはどのようにこの本が受容されていったかということまで幅広く学んでいく必要が...
『資本論』はとにかく難しい。これはもはや一つの慣用句のようにすらなっている感もあります。 この作品はこれ単体で読んでも到底太刀打ちできるようなものではありません。 時代背景やこの本が成立した過程、さらにはどのようにこの本が受容されていったかということまで幅広く学んでいく必要があります。 私がマルクスを読もうと思い始めたのは「マルクスは宗教的現象か」というテーマがあったからでした。 ここにたどり着くまで1年以上もかかりましたが、マルクスとエンゲルスを学ぶことができて心の底からよかったなと思います
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政府の言う新資本主義が良くわからないので、原点に帰ってみる。中央公論社の世界の名著版。冒頭に資本論とはどういう書物かが解説されていて興味深い。大戦の度に労働運動によって広まっていき、第二次対戦後は赤本として大学からも駆逐された経緯も興味深い。もう少し現代語の訳の日経BP版を読んで...
政府の言う新資本主義が良くわからないので、原点に帰ってみる。中央公論社の世界の名著版。冒頭に資本論とはどういう書物かが解説されていて興味深い。大戦の度に労働運動によって広まっていき、第二次対戦後は赤本として大学からも駆逐された経緯も興味深い。もう少し現代語の訳の日経BP版を読んでみると確かにわかりやすいけれど、意図不明のタイポグラフィがうざい。しかも第1巻分までしかない。いずれにしても図書館への返却日を気にしながら読む本ではないな。 長大な原典も、「とにかく読み通してみろ」とのエンゲルスの解説もあり、目を回しながらチャレンジしようと思います。 ・価値は価値であるがゆえ価値を生む。 ・労働力の買い手と売り手を結びつける唯一の力は、彼らの私的利害の関係だけ。であるはずなのに、会社は利害関係を心の結びつけに置き換えて縛ろうとする。 ・合目的意志は、労働の内容がとその仕方が労働者のとって魅力が少ない位ほど必要。 ・資本家にとって、労働の複雑性などは質的にはなんら区別されない。社会的平均労働に還元される。 ・フーリエは工場を「水割りされた牢獄」と表現。 ・資本主義的生産過程は労働者に生きるためには絶えず労働力を売ることを強要する。 などなど、どきりとしますね。 理解には及ばなくとも、読むことによって自分が何を考え変わるのか興味深いので、エンゲルス先生の言う通りまずは読み通したいと思います。
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経済学の古典の大著「資本論」を読むこととした。数ある翻訳書の中で評判が高く、最近出版された、中山元訳の日経BP版を選んだ。 「そもそもたがいに通訳できる なものであるからこそ、その価値を同じ特別な商品によって共通に測定できるのであり、またそうすることによってこの特別な商品を自分...
経済学の古典の大著「資本論」を読むこととした。数ある翻訳書の中で評判が高く、最近出版された、中山元訳の日経BP版を選んだ。 「そもそもたがいに通訳できる なものであるからこそ、その価値を同じ特別な商品によって共通に測定できるのであり、またそうすることによってこの特別な商品を自分たちの共通の価値尺度である貨幣に変えることができる。価値の尺度である貨幣は、商品の内在的な価値の尺度である労働時間の必然的な現象形態である」p184 「社会的に必要な労働時間によって価値が決定される」p393
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- ネタバレ
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中山元訳、カール・マルクス『資本論 経済学批判 第1巻I』日系BP社、読了。マルクス『資本論』の新訳。第1巻第1分冊として第1篇「商品と貨幣」より第2篇「貨幣の資本への変容」まで収録。マルクスの概念においてわかりにくい「価値対象性」および「剰余価値」を、マルクス自身が稿に手を入れたフランス語訳と対象しながら、訳し分けているところに特徴がある(訳者ならでは。 岩波訳と比べて、非常に読みやすく、挫折した方にはおすすめか。第2分冊へ進んでみます。
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さすがの歯ごたえ。 本書はリベラルアーツの一環として捉え、今年中に第1巻(残り3冊)を読破しようとしている。 最初の数十ページ目から百数ページまでの置いてけぼり感はなかなかのものだが、それ以降については表現にまどろっこしさや、わかりにくいものがあるものの、非常に緻密に論理が組...
さすがの歯ごたえ。 本書はリベラルアーツの一環として捉え、今年中に第1巻(残り3冊)を読破しようとしている。 最初の数十ページ目から百数ページまでの置いてけぼり感はなかなかのものだが、それ以降については表現にまどろっこしさや、わかりにくいものがあるものの、非常に緻密に論理が組み立てられており、想像していたよりかなり読みやすかったように思う。 以前、資本論の要約本を数冊読んでいたこともあり「労働力」に徐々にフォーカスされていく流れにはワクワクした。 本書を読破することにより得られるものが何であるかは未だわからないが、とりあえず残り3冊。 挫折せずに読み通したい。
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資本論は岡崎訳に限ると思っていたが、中山元の訳は時代にマッチしている。すごいものである。第1巻だけで全巻はでないのだろうか?剰余価値という言葉が消えたのは、ちょっとショックだが、こうした大胆な翻訳は絶対必要だと思う。
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