闇の華たち の商品レビュー
乙川さんのお話は、必ずしもハッピーエンドではなく、どちらかというと暗くて陰鬱な印象を与えられるものもあります。でも読み終わってみるとどの話も気持ちに区切りをつけて一歩踏み出そうとしているのが救いです。一つ読むたびにどうしても時代に反発を感じてずにはいられず、読んでいて辛く投げ出し...
乙川さんのお話は、必ずしもハッピーエンドではなく、どちらかというと暗くて陰鬱な印象を与えられるものもあります。でも読み終わってみるとどの話も気持ちに区切りをつけて一歩踏み出そうとしているのが救いです。一つ読むたびにどうしても時代に反発を感じてずにはいられず、読んでいて辛く投げ出したくもなりました。そんな思いをしながら読み終わった6編。好みは読後の優しい「悪名」その後を信じたい「冬の華」。でも一番印象的だったのは「笹の雪」のどうしようもない情けなさだったりします。
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武士の世間のなかで常識にしたがって懸命に生きる人たちの話かな。そういう世間だから仕方ないのかなあと思いながら読んだ。
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「逍遥の季節」に続いて二冊めの乙川さんの本。 こちらは前作のようにはするする読み進められず、 しかも昼休憩中に少しずつだったため、途切れ途切れ な感じの受けとりかたになってしまった。 武家の話となると、すっとアタマに入ってこず、 難儀した。 でも乙川さんの流れるような澄んだ文体は...
「逍遥の季節」に続いて二冊めの乙川さんの本。 こちらは前作のようにはするする読み進められず、 しかも昼休憩中に少しずつだったため、途切れ途切れ な感じの受けとりかたになってしまった。 武家の話となると、すっとアタマに入ってこず、 難儀した。 でも乙川さんの流れるような澄んだ文体は心地よく、 私には難しく感じられたものの味わいはよかった。
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「花映る」「男の縁」「悪名」「笹の雪」「面影」「冬の華」の6短編集。どれも与えられたそれぞれの道の中でけなげに生きてく人たちの話。 主人公たちは不幸を背負っている。それを本人は「小説を書こうとするとき、人間の苦悩なしに物語を書いても意味がないと思ってしまうタイプ」「それが物語の暗...
「花映る」「男の縁」「悪名」「笹の雪」「面影」「冬の華」の6短編集。どれも与えられたそれぞれの道の中でけなげに生きてく人たちの話。 主人公たちは不幸を背負っている。それを本人は「小説を書こうとするとき、人間の苦悩なしに物語を書いても意味がないと思ってしまうタイプ」「それが物語の暗さにつながってしまいます。しかし、暗いからこそ明かりが見えるということもある」と述べているという。 凛として飾りのない清冽な文章、切なすぎて続けては読めないが、軽やかな小説や単純化された主人公物を読んだ後は、乙川作品や葉室作品を読みたくなる。 苦境の淵でもけなげに咲く「冬の華」 「わたし、死んだら雪になります。父や母にそっと触れられるから。」
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底辺を生きる人々を描いた6作品の短編集。 個人的には『悪名』が印象に残る。座敷から見える蝋梅の場面は、目に浮かぶよう。短編ならではの幕引きが気になるところもあるが、読後感は心地よい。 派手さもなく、しっとりと話がすすんでいく。 ゆったりしてるが、心に染み渡る。時代小説とは、か...
底辺を生きる人々を描いた6作品の短編集。 個人的には『悪名』が印象に残る。座敷から見える蝋梅の場面は、目に浮かぶよう。短編ならではの幕引きが気になるところもあるが、読後感は心地よい。 派手さもなく、しっとりと話がすすんでいく。 ゆったりしてるが、心に染み渡る。時代小説とは、かくあるべきとうならせる作風は極上だ。まるで山本 周五郎の生き写しのよう。
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花映る/男の縁/悪名/笹の雪/面影/冬の華の6編。 2011年から2012年への年越しの読了本です。 実はこの本、手にすべきかどうか迷っていました。 最近の乙川さんは、時代物と言っても、私の好まないドロドロした恋愛ものばかりになっていたので。 しかし、これは基本武家もの。男女の愛...
花映る/男の縁/悪名/笹の雪/面影/冬の華の6編。 2011年から2012年への年越しの読了本です。 実はこの本、手にすべきかどうか迷っていました。 最近の乙川さんは、時代物と言っても、私の好まないドロドロした恋愛ものばかりになっていたので。 しかし、これは基本武家もの。男女の愛も出て来ますが、武家ものらしい矜持の上に立ったもの。いや、久しぶりに私の好きな乙川さんの世界でした。読ませてもらいました。 「悪名」は山本周五郎の痛快ものを思わせる、いままでの乙川さんには無い雰囲気の作品でした。
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