幕末時そば伝 の商品レビュー
タイトルの面白さに、うっかり買ってしまった。古典落語が好きで、この物語の素材となった噺は何回となく聴いたものだ。それだけに、ただ単に噺をなぞるだけの物語になっては興ざめだと思った……のだが、その心配は杞憂だった。うかうかと幕末の日本の動乱が、異譚という形で古典落語と融合させている...
タイトルの面白さに、うっかり買ってしまった。古典落語が好きで、この物語の素材となった噺は何回となく聴いたものだ。それだけに、ただ単に噺をなぞるだけの物語になっては興ざめだと思った……のだが、その心配は杞憂だった。うかうかと幕末の日本の動乱が、異譚という形で古典落語と融合させている。そしてまた、古典落語を演じる現代の噺家によっては、今風のギャグを江戸・明治の話に違和感なくスルっと入れるように、著者も同じことをしており、うっかり読み進めた後でニヤリとさせてくれる。
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ざっくり言ってしまうと古典落語をベースにした連作短編集。 でもベースの落語を知らなくても全然受け入れOKな作品。一話一話はそれぞれのタイトルにある古典落語のあらすじをなぞった体で一話ごとにちゃんと落ち(サゲ)がある安心感。 更に一話目に登場する粗忽長屋の住民が各話に絡んでくる連作...
ざっくり言ってしまうと古典落語をベースにした連作短編集。 でもベースの落語を知らなくても全然受け入れOKな作品。一話一話はそれぞれのタイトルにある古典落語のあらすじをなぞった体で一話ごとにちゃんと落ち(サゲ)がある安心感。 更に一話目に登場する粗忽長屋の住民が各話に絡んでくる連作短編の形式をとっている。呆れるくらいネジが外れ気味な粗忽長屋の住民の軽妙な掛け合いが全編を通して笑いを誘う。 更に更に、誰もが知る江戸幕府末期の幕末から大政奉還に至る歴史的転換点を大ボラを吹きながら壮大に物語る(もちろんフィクション)。 ホントなんとも贅沢な創りである。有栖川有栖氏の解説にもある『サービス精神が豊か』な鯨統一郎を気軽に味わえる一冊。
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さくさく読めたが、一つ引っかかる点が……。 平将門の時代、日本にお茶は無いだろう。 念のため調べてみた。将門の死は西暦940年。栄西が宋から茶の種を持ち帰ったのが1191年。
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これは一言、面白い!久しぶりに本で声出して笑えた。帯にも紹介のある箇所は特に秀逸。 そして落語の素晴らしさも再発見。粗忽長屋の面々が知らぬうちに歴史を動かす重要な局面に関わっていたとは。 何故か、自分は意図してないのに悪役がどんどん勝手に倒れていってくれる、小さい頃に見たピン...
これは一言、面白い!久しぶりに本で声出して笑えた。帯にも紹介のある箇所は特に秀逸。 そして落語の素晴らしさも再発見。粗忽長屋の面々が知らぬうちに歴史を動かす重要な局面に関わっていたとは。 何故か、自分は意図してないのに悪役がどんどん勝手に倒れていってくれる、小さい頃に見たピンクパンサーのクルーゾー警部もよぎる。 あくまでも異譚。でも意外と世の中こんなものかも。ベルリンの壁も、命がけで亡命を試みた人もいたのに、その崩壊は報道官1人の勘違いからだったし。悲劇のすぐ側に喜劇がある。 落語、まさに人生そのもの!辛いこともサラッと笑いに変えて生きていこうと思えた、軽くて重い一冊。 有栖川さんのあとがきも良い!
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外出好きの若殿様、隠密、陰陽師。幕末の政界の裏にいる面々を軸に、古典落語の世界が幕末史を運命付けたという趣向の連作集。 ただ、古典落語の部分は殆ど手が入っていない粗筋そのまんまなので、鯨さんのオリジナルで描いた部分って全体の四分の一とかもっと少ないとかじゃないんだろうか(^^; ...
外出好きの若殿様、隠密、陰陽師。幕末の政界の裏にいる面々を軸に、古典落語の世界が幕末史を運命付けたという趣向の連作集。 ただ、古典落語の部分は殆ど手が入っていない粗筋そのまんまなので、鯨さんのオリジナルで描いた部分って全体の四分の一とかもっと少ないとかじゃないんだろうか(^^; ちょっと残念。
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荒唐無稽で、ある意味ばかばかしい話の連作。 古典落語を知らなくても十分楽しめますね。 色々な歴史の転換点は、こんな感じでばかばかしく進んでいってしまうのかもね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この小説はどのようにカテゴライズするべきか、読み進むごとに印象が変わってきました。 古典落語の物語世界が舞台。江戸時代末期の粗忽長屋に暮らす「熊さん」たちのお話で、庶民を描いた時代小説的ではあります。ところが、彼らの粗忽な行動が日本の歴史を大きく動かしていくという大河小説的な色合いも。その因果関係は、ミステリー的に結びついています。 まるで落語を見ているように、軽妙にストーリーが進みます。落語だけに、ダジャレ的な言葉遊びもふんだんに盛り込まれています。いやあ、面白かった。 重い社会的なテーマを盛り込んだミステリーというのも面白いですが、たまにはこんな洒脱なお話というのもいいものですね。鯨統一郎の本は初めて読みましたが、今後も注目していこうと思います。
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古典落語(それもチョー有名なもの)をベースに、幕末ことを織り交ぜてる作品。 アイデアはいいんだけど、ボクとしてはイマイチ。なんか無理を感じた。 古典落語の方を知らない人が読んだら面白いのかもしれないけどね。
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多くの人が褒めていたし、好きな鯨さんの作品なので読んでみました。 読み始めてすぐに、あっ!これは以前に読んだ本である!ということに気が付きました。文庫になる前に読んでたんだな。 有栖川さんが言ってるほどには私には笑えなかった。しかし、鯨さんの豪快な力技には感心いたしました。 ツラ...
多くの人が褒めていたし、好きな鯨さんの作品なので読んでみました。 読み始めてすぐに、あっ!これは以前に読んだ本である!ということに気が付きました。文庫になる前に読んでたんだな。 有栖川さんが言ってるほどには私には笑えなかった。しかし、鯨さんの豪快な力技には感心いたしました。 ツラツラ~っと読み終えました。 小さんの時そばをすぐにCDで聞き直しました。 落語を聞きたくなる魅力にはあふれています。
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