明治時代史大辞典(1) の商品レビュー
・あらゆる分野の事項・人物、約9500項目を収録。最適な執筆陣が精確に全項目を書き下ろし。明治を読み解く上で必須のデータ、詳細な索引。『国史大辞典』未収録の項目を新たに多数収載。北海道から沖縄県まで、地域史研究の進展も踏まえた編集。本文理解を助ける挿図・別刷カラー図版・参考文献。...
・あらゆる分野の事項・人物、約9500項目を収録。最適な執筆陣が精確に全項目を書き下ろし。明治を読み解く上で必須のデータ、詳細な索引。『国史大辞典』未収録の項目を新たに多数収載。北海道から沖縄県まで、地域史研究の進展も踏まえた編集。本文理解を助ける挿図・別刷カラー図版・参考文献。 ・事典 ・南山大学図書館に所蔵有り
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「明治時代」を対象とする歴史事典。『国史大辞典』と同様の書式で、執筆者と参考文献を明記している。「明治」限定であるため幕末期や大正期の事項を欠く一方、人名に関しては活躍時期が少しでも明治期に掠れば記載されている。従来の同種の辞書・事典に比べ生活史・文化史の項目が増えている。執筆...
「明治時代」を対象とする歴史事典。『国史大辞典』と同様の書式で、執筆者と参考文献を明記している。「明治」限定であるため幕末期や大正期の事項を欠く一方、人名に関しては活躍時期が少しでも明治期に掠れば記載されている。従来の同種の辞書・事典に比べ生活史・文化史の項目が増えている。執筆者陣は編者から容易に推測できるように、東大・早大出身の研究者が多く、また民衆史系の人びとが著しく少ない。 問題点としては、「大久保利通」の項が毛利敏彦の執筆であるため、当然学界では極少数説の西郷非征韓説を前提にした内容で、他の項目(例えば宮地正人執筆の「明治六年の政変」)と整合性がとれていなかったり、中村政則の執筆による「寄生地主制」の項に参考文献が全く(安良城盛昭の著作はもちろん中村の自著さえも)欠けていたりするなど、論争の当事者が担当した事項内容にいささかの偏りや不足が見られること。また、写真や図版が必ずしも多くなく、視覚的な効果が薄いように感じた。「明治」限定に伴う物足りなさは否めず、大正・昭和戦前期までをフォローする「日本近代史大辞典」がいつの日か作られるまでの過渡期の作品と位置付けられよう。
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