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ジェントルマン の商品レビュー

3.6

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    52

  3. 3つ

    51

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    3

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2021/07/16

美しい花には棘(毒)がある。 偽善を通り越した非の打ち所のなさの裏には やはり闇しかないのか。 懺悔室を持って闇を知っている自分こそが 誰よりも特別なのだと自負していた夢生だか 肝心なことは何も知らされていない ただの奴隷のままだった。 ベージュ色の床が真紅に染まり 懺悔室が処刑...

美しい花には棘(毒)がある。 偽善を通り越した非の打ち所のなさの裏には やはり闇しかないのか。 懺悔室を持って闇を知っている自分こそが 誰よりも特別なのだと自負していた夢生だか 肝心なことは何も知らされていない ただの奴隷のままだった。 ベージュ色の床が真紅に染まり 懺悔室が処刑台へ。 最後は自らの手できみの罪と見逃し続けた ぼくの罪を裁き、作品を生み出すことで 二人の関係は永遠になれたということなのか。 初の山田詠美さんでした。 とてもサクサク読めたので☆5なのだけど 出てくる誰の心情にも近寄りたくなくて 心情を読もうとすると闇に引きずられそうに なるから−1で。 感想を聞こうとして、やっとこういう事かと 気がつくところもあるぐらいだったので まだまだ読み解けてないことがある気がする。

Posted byブクログ

2021/04/01

高校生のころの坂井嗽太郎(さかい・そうたろう)は、勉強もスポーツも完璧にこなし、女子の人気を集めていました。そんな彼の「ジェントルマン」ぶりに、宮下夢生(みやした・ゆめお)と藤崎圭子(ふじさき・けいこ)は引っかかりを感じていました。そんなある日、夢生は嗽太郎の知られていない内面を...

高校生のころの坂井嗽太郎(さかい・そうたろう)は、勉強もスポーツも完璧にこなし、女子の人気を集めていました。そんな彼の「ジェントルマン」ぶりに、宮下夢生(みやした・ゆめお)と藤崎圭子(ふじさき・けいこ)は引っかかりを感じていました。そんなある日、夢生は嗽太郎の知られていない内面をのぞき見るような出来事を目撃してしまいます。嗽太郎は、人の心の鍵穴をこじ開けずにはいられない衝動を内に秘めていました。そして、この出来事がきっかけで、夢生は嗽太郎に強く惹きつけられ、彼のことを観察しつづけることになります。 やがて彼らは大人になり、嗽太郎は家庭をもって、あいかわらず完璧な「ジェントルマン」を演じ、夢生は自分が彼の秘密を共有するただ一人の人物となります。ところが、漱太郎の妹の貴恵子が、夢生のゲイ仲間のシゲと恋に落ちたことで、物語は急展開し、クライマックスへと向かっていくことになります。 同性愛やサイコパスといった大きなテーマをごった煮にした作品で、もうすこしエンターテインメント志向の小説であればこれらのなかのひとつをメインに据えて収まりのいい物語にするのでしょうが、著者はむしろそれらのテーマを無造作に作品のなかに放り込むことで、振幅の大きな物語をつくることを意図したのかもしれません。ただその割には、登場人物たちのキャラクター設定がやや平板に感じられてしまったのは残念でした。

Posted byブクログ

2021/03/12

ジェントルなのか? 強姦して人を自殺にまで追い込んでしまうのは。。 「人がなにかを感じる時に理由なんてありますか? 」っていうフレーズは好き 純愛といえば純愛? わたしの好きな本ではなかった

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2020/08/27

この人は私にとって絶対だってわかる瞬間は確かにある。愛じゃなくて恋だと思う。恋と乞いって似てる。瑞々しい感覚っていうより、枯れた植物の根っこみたいだけど。

Posted byブクログ

2018/10/08

78:瀬太郎という「完璧な」男にまつわる罪と罰、そして愛情。瀬太郎に惹かれるユメという存在は、山田文学らしい純粋さと脆さ、危うさを持っていて、いびつで、決して愉快ではない物語を艶やかに、そして妖しく彩っています。あまり好きではない方向性の物語なのだけど、どうしてか目を離せない。そ...

78:瀬太郎という「完璧な」男にまつわる罪と罰、そして愛情。瀬太郎に惹かれるユメという存在は、山田文学らしい純粋さと脆さ、危うさを持っていて、いびつで、決して愉快ではない物語を艶やかに、そして妖しく彩っています。あまり好きではない方向性の物語なのだけど、どうしてか目を離せない。そうこうしているうちに読み終えてしまって、ラストシーンの美しさと、どうしようもない運命に揺さぶられるとともに、つまらない道徳やモラルというものについて考えさせられました。 「あまり好きではない方向性の物語」を読ませてしまう魅力って、すごいな……。

Posted byブクログ

2018/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気読みできたので、4つ 漱太郎みたいなサイコパスが、世の中に実在しているのだろうか、、、?? 完璧なジェントルマンである表の顔と強姦、暴力、支配を厭わない裏の顔 被害者は後を絶たないが、サイコパスの兄からの狂愛を受けて育った妹が一番悲惨に思われた。 主人公夢生は、しかしながら、漱太郎に恋をする。彼の魅力に抗えない。どんなに欲しくても手に入れられず、彼の理解者たらんとする。 ラストの展開は、夢生が漱太郎を守ろうとしたのか、理由はどうあれ女性以外を衝動の対象とした事への絶望、嫉妬、独占欲なのか、はたまた身内であるシゲの報復でもあるのか、、、? 懺悔室が処刑室へ、自分だけが漱太郎を裁く資格があると語る夢生の悲恋 それと心に引っかかるのは、圭子が友情ではなく、愛情と夢生に言えていたら、どんな展開が待っていたのかという事 圭子の愛情で夢生を救って欲しかったなぁ

Posted byブクログ

2018/02/18

敏太郎の怒りの凄まじさに怯えながら読んだ。登場人物が皆、ひた向きな思いを抱えているが、成就しない。入れる鍵穴を間違えている。 綺麗な絵を一枚ずつ見せられているような小説だ。あまり奥行きは感じなかった。

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2017/05/17

2017年5月17日、再読。前回同様、一気に読み終える。 前回は、主人公ユメの想い人である漱太郎の二面性に魅了されたのと、ユメの想いの強さに引き込まれ、ラストシーンの描写の美しさに衝撃を受けた、という感想だった。今回は、漱太郎の性格とラストを知っているだけに、文章をなぞるだけでな...

2017年5月17日、再読。前回同様、一気に読み終える。 前回は、主人公ユメの想い人である漱太郎の二面性に魅了されたのと、ユメの想いの強さに引き込まれ、ラストシーンの描写の美しさに衝撃を受けた、という感想だった。今回は、漱太郎の性格とラストを知っているだけに、文章をなぞるだけでなくユメの心情に寄り添い読む余裕があった。途中、彼の詩的すぎる語りが若干うっとうしく感じられたりもしたが、ラストを考えるとあの語りは効をなしていた。伏線が何度も敷かれており、脇役と思えた登場人物(路美など)が重要な役割を果たしてラストに向かっていく。ユメがラストであのような行動に出るまでを丁寧に読み取れた。本を閉じた時、静かに涙があふれてきた。その涙がどういう感情なのかよくわからないが、それこそが「どうして?だって漱太郎だよ?」と圭子がユメに問うた答えかもしれない。

Posted byブクログ

2017/05/16

あまり後味がよろしくない。 後味と言っても途中から面白くなくて、読了すら出来なかったんだけど。 ゲイとか強姦とか、そういう世界はあまり興味がない。 だから面白くなかったというよりは、好みの問題かな。 昔のエイミーは好きだったんだけどなぁ。 2017/05

Posted byブクログ

2015/10/18

山田詠美っぽさ?の寄ってらっしゃい見てらっしゃいみたいなかんじ。 人間関係はこういうものだよなあと思った。

Posted byブクログ