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世界を騙しつづける科学者たち(上) の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2022/03/22

今現在、科学についてのフェイクニュースを知ることの手掛かりについての本である。企業に都合が悪い科学的事実を企業側にたった科学者が別の事実を持ってきて反対するという構図である。地球温暖化、タバコの害、SDIでの宇宙でのロケットの撃ち落とし、酸性雨、オゾン層の破壊など今では常識となっ...

今現在、科学についてのフェイクニュースを知ることの手掛かりについての本である。企業に都合が悪い科学的事実を企業側にたった科学者が別の事実を持ってきて反対するという構図である。地球温暖化、タバコの害、SDIでの宇宙でのロケットの撃ち落とし、酸性雨、オゾン層の破壊など今では常識となったものばかりである。日本でも、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなど枚挙にいとまがない。最近は原発の甲状腺がんである。

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2020/11/05

頭だけ少し読んでみたが、今読みたい感じではないなということで積読 第一章 疑念の売り込み 第二章 戦略防衛、「事実」の構築、ジョージ・C・マーシャル研究所の設立 第三章 疑念の種をまく 酸性雨 第四章 対抗のための物語 オゾンホールをめぐる戦い 下巻 第五章 「悪い科学」とは?...

頭だけ少し読んでみたが、今読みたい感じではないなということで積読 第一章 疑念の売り込み 第二章 戦略防衛、「事実」の構築、ジョージ・C・マーシャル研究所の設立 第三章 疑念の種をまく 酸性雨 第四章 対抗のための物語 オゾンホールをめぐる戦い 下巻 第五章 「悪い科学」とは?誰が決めるのか? 二次喫煙を巡る戦い 第六章 地球温暖化の否定 第七章 否定ふたたび レイチェル・カーソンへの修正主義者の攻撃 結論 自由な言論と自由な市場 エピローグ 科学の新しい見方

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2012/11/29

日本にも、放射性物質は身体にいい、とか、原発と病気の因果関係は証明されてないとか、そういう論調がある。彼らもまた、疑惑の商人たちなのかもしれない、と思った。主張については良く分かったので、下巻は読まずにおく。

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2012/10/08

原題はMerchants of Doubt、「疑惑の商人たち」。 主役は4人の科学者達。いずれもアメリカの物理学者で、業界の重鎮であり、政府とも太いパイプを持った、大物。 彼らを実名で批判するのが本書の主な内容。上下2巻600頁に渡って、延々と彼らとその仲間の“やらかしたこと”が...

原題はMerchants of Doubt、「疑惑の商人たち」。 主役は4人の科学者達。いずれもアメリカの物理学者で、業界の重鎮であり、政府とも太いパイプを持った、大物。 彼らを実名で批判するのが本書の主な内容。上下2巻600頁に渡って、延々と彼らとその仲間の“やらかしたこと”が詳細に語られる。 環境問題の議論が起きると、どこにでも首を突っ込んできて、引っかき回す。 そう、引っかき回すこと、そのものが彼らの目的なのだ。 他の専門家達(そもそも彼ら自身は環境問題や生化学の専門家ではなく物理学者)の間ではほぼ結論が出た事柄について、「結論は出ていない」と主張するためだけに、政治家や、マスコミを動員し、大声で騒ぎ立てる。 「タバコに害はない」「地球の温暖化、あるいは人為的影響というのはウソ」「レイチェルカーソンのせいで、数千万人がマラリアで死んだ」…… 斯様な説を耳にした人は少なくないはず。 反対意見が出てくること自体は健全だとは思うけど、彼らの説には裏付けがないタダの言いがかり。 それらの発信源がほぼ同じ人達というのは初耳。 “ジャンクサイエンス”という言葉自体が、彼ら“疑惑の商人達”が、正統派の学説へのネガキャンのために使い始めたってのも意外。 当然のごとく、彼らは、環境問題と真っ向から対立する企業(タバコ会社や農薬会社、石油産業など)から援助を受けて擁護をしてるのだけど、次第、彼らを強烈に捉えているドグマが浮かび上がってくる。 つまり、彼らは冷戦の鬼っ子なのだ。 社会主義、共産主義勢力を全否定するために、資本主義、自由主義経済を至高の論理とし、大企業の利益を守るためにならどんなことでもする――科学者としての倫理に背いてでも。 まー当時の物理学者なんて、自分達の正当性を無批判に信奉でもしてないとやってらんないよなー数百万人を殺すための大量破壊兵器の研究なんてさ。 本の語り口はあくまで冷静に、膨大な参考資料(参考文献の一覧だけで80頁もある)と数年をかけて調べ上げたことを述べているだけなのに、読んでるとなんかもー怒りが沸いてくる、というより、呆れてしまう。どうせ4人のうち3人は既に死んでるけどさ。 いかにマスメディアと(自分自身も含めた)大衆がセンセーショナリズムやメディア工作に弱いかってことに対しても、だ。 ところで気になるのは、彼らと全く同じ主張をする人間が、日本にもいるんだよね。 大手メディアにも出て、WEBでもよく知られ、タバコや地球温暖化への懐疑論の擁護をしている人が。 “疑惑の商人”の日本支部なのか、全く独立して同じ目的のためにやってるのか、ちょっと気になる。

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2012/04/11

タバコの健康被害、核戦争による核の冬、産業排気による酸性雨、フロンガスによるオゾンホール、以上4つの環境問題について、膨大なデータがその関連を裏付けているにもかかわらず、疑念を売り込むことでマスメディアを操作し、関連産業界及び政府機関の利便を図る一部の科学者の戦略について解明。 ...

タバコの健康被害、核戦争による核の冬、産業排気による酸性雨、フロンガスによるオゾンホール、以上4つの環境問題について、膨大なデータがその関連を裏付けているにもかかわらず、疑念を売り込むことでマスメディアを操作し、関連産業界及び政府機関の利便を図る一部の科学者の戦略について解明。 科学では100%確実ということがないことを逆手にとって、専門家の間では否定されている意見を科学的に対等な意見として押し通してしまう。 実績を上げ各種研究所の所長等を務めた4人の物理学者が、専門外の環境問題で発言力を高めていく。フレッド・サイツ、フレッド・シンガー、ウィリアム・ニーレンバーグ、ロバート・ジャストロウ。 シンクタンクも中立ではなく、その性格を意識ししないといけない。 ここでやり玉に挙がってりるのは、ジョージ・C・マーシャル研究所、ヘリテージ財団、ケイトー研究所、アメリカン・エンタープライズ研究所。 日本版独自に登場人物紹介が掲載されているが、それでも外国人の名前の羅列で読みやすくはない。 ただ、原書のタイトルでもあるMerchants of Doubtが如何に効果的に機能するかには唖然とさせられる。

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2012/02/28

ナオミ オレスケス (著), エリック・M. コンウェイ (著), Naomi Oreskes (原著), Erik M. Conway (原著), 福岡 洋一 (翻訳) 米国の中枢からニセ情報をバラまく「御用学者」の実態。一部のエリート科学者が特定の企業・政治的団体と癒着し、い...

ナオミ オレスケス (著), エリック・M. コンウェイ (著), Naomi Oreskes (原著), Erik M. Conway (原著), 福岡 洋一 (翻訳) 米国の中枢からニセ情報をバラまく「御用学者」の実態。一部のエリート科学者が特定の企業・政治的団体と癒着し、いかにして反科学的活動をしてきたか。恐るべき事実を描く全米ベストセラー。

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2012/01/30

 科学は完全ではない。これは本書でも繰り返されている。今信じられていることが将来新しい発見により覆されることはあり得る。科学が目的であればとことん完全になるまで研究と議論を続ければ良い。お好きにどうぞという事だ。  本書にはアメリカの御用学者が何をしたかが記されている。さしてドラ...

 科学は完全ではない。これは本書でも繰り返されている。今信じられていることが将来新しい発見により覆されることはあり得る。科学が目的であればとことん完全になるまで研究と議論を続ければ良い。お好きにどうぞという事だ。  本書にはアメリカの御用学者が何をしたかが記されている。さしてドラマチックにではなく淡々と引用文献の番号を付けて。 上巻では、タバコが肺癌の原因になるのか。核の冬は起こるのか。規制により酸性雨を防ぐことが出来るのか。フロンガスがオゾンホールの原因なのかといったことについて書かれている。  問題は科学が、イオウの排出やフロンガスの使用を制限すべきかといった政治的判断の材料として利用されることである。まさに利用される。科学の素人である政治家によって。ここにおいて完全ではない科学には隙が生まれる。御用学者の入り込む余地である。政治家の耳に聞こえの良い話をするゴマすり野郎である。もちろん見返りに利益を得ているし、アメリカだけあって根っこに反共産主義なども存在する。そしてこれも繰り返し書かれているが、御用学者の事実に反する話は新聞や一般市民の目に付くところに出るが、科学者の間で概ね正しいと思われている話は専門誌に発表され一般市民の目に付かないということ。恥を知らない政治家と無能なマスコミがそろうと最悪なのは311後の日本と全く同じである。  なるほどと思わされたのは、必ずしも議論に勝つ必要がないと言うこと。疑念を植え付け、議論を続けさせ、決定を先延ばしにすることで十分目標が達せられている場合があると言うこと。  科学に名を連ねる人は決して1年間に1ミリシーベルト以上でも安全などとは言ってはいけない。科学は法律を決める元になっているが、国民を守るために科学をどう利用するかが本来の政治であり、法律のはず。もっと研究を進めて、必要があれば法律を変えることが本筋。

Posted byブクログ