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鶴見俊輔語録(2) の商品レビュー

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2022/02/15

明るい、という印象を抱いた。鶴見俊輔の語る言葉は明晰で、しかし抽象的な概念を弄ぶイヤミさや臭みがなくあっけらかんと全てを肯定するかのように響く。自分自身について屈託のない口調で「悪人」「タヌキ」であることを語り、「一番病」が蔓延している日本のインテリたちの言論空間に警鐘を鳴らし、...

明るい、という印象を抱いた。鶴見俊輔の語る言葉は明晰で、しかし抽象的な概念を弄ぶイヤミさや臭みがなくあっけらかんと全てを肯定するかのように響く。自分自身について屈託のない口調で「悪人」「タヌキ」であることを語り、「一番病」が蔓延している日本のインテリたちの言論空間に警鐘を鳴らし、政治や宗教を斬る。全てがジャンルを軽々と越境して語り尽くすことができる知性の柔軟さと反射神経に由来している、という印象を受けた。大学の中で専門的な知をオタク的に掘り下げる知性が遂に持ち得ない豪胆さ。むろん、それ故の陥穽もあるのだが

Posted byブクログ