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言葉のフーガ自由に、精緻に の商品レビュー

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2012/04/16

美術解説を志す私にとって吉田秀和の書いたものは越えられない壁である。音楽という数学と記憶と感性に問う芸術を文章によって表現することをやすやすとこなしている(と感じる)ことに嫉妬を禁じえない。どんなに感動しても作品以上に読み手を感動させることはできないことを批評家、解説者は理解して...

美術解説を志す私にとって吉田秀和の書いたものは越えられない壁である。音楽という数学と記憶と感性に問う芸術を文章によって表現することをやすやすとこなしている(と感じる)ことに嫉妬を禁じえない。どんなに感動しても作品以上に読み手を感動させることはできないことを批評家、解説者は理解しているが、吉田秀和はそれすら芸術の域に踏み込んでいるのである。確かに、彼の文章を読んで旋律や音色を感じることはできない。しかし読者に音楽をにおわせ、ホンモノに向かわせる力かけられていることを感じさせないのに操作しているそんな「力」をもつ文章である。これを芸術でないとだれがいえようか。いつかそんな文章を書きたいものである。

Posted byブクログ

2012/02/01

吉田秀和さんの新刊(?)ですが、約60年にわたる吉田さんの評論からピックアップし編集した本です。改めてまとめて読んでみると吉田秀和さんの偉大さが良くわかります。

Posted byブクログ