温泉三姉妹 の商品レビュー
生真面目だったヒロインの豹変
正直なところストーリー的に見るべき点は無い。三姉妹が1人の男(主人公)に想いを寄せている状況設定も定番。また、長女と主人公は自他共に認める恋仲なれどもお互いの家の都合で7年もの長きに渡って結ばれないという背景にもさほどの必要性は感じない。若い頃からの知り合いであることを示す理由付...
正直なところストーリー的に見るべき点は無い。三姉妹が1人の男(主人公)に想いを寄せている状況設定も定番。また、長女と主人公は自他共に認める恋仲なれどもお互いの家の都合で7年もの長きに渡って結ばれないという背景にもさほどの必要性は感じない。若い頃からの知り合いであることを示す理由付けにはなっているが、それがストーリー的な伏線になっている訳でもないので、言ってしまえば1年か数年でも別にいい話。さらには、こうした状況や背景に加え、傾いた温泉の今後を巡る長女と次女とのちょっとした言い争いが頻繁に発生することによる何とも言えない雰囲気が少々気になってしまう。三女も含めたヒロイン達の秘めた想いや軽い嫉妬心の応酬が一応の恋物語として描かれてはいるものの、話の結末となる温泉の行方が妙に中途半端(希望はあるが、むしろ希望しかない印象)なことも含めて全体としてはイマイチと言うしかない。 官能面においては弓月作品として安定レベルというか、シチュエーションも含めて悪くないが、事実上の新婚旅行と思しき第6章だけは異なる。これまで控えめで生真面目でなかなか本音を漏らさなかった長女が、ここに至るまでの肉欲的解放もあり実に淫らな変貌を遂げている。主人公と2人きりならではの積極さで旺盛な肉欲と嫉妬心を露にしており、なかなかの可愛らしさを伴った淫猥さである。旅の始まりから投宿後に至るまで一貫して貪欲であり、このギャップのいやらし破壊力は圧巻だった。個人的な好みと言えばそれまでだが、この第6章だけで星を数が増している。
DSK
- 1