アマテラスと天皇 の商品レビュー
明治政府の権威を確立するために民衆の間で既に宗教的シンボルだったアマテラスを担ぎ、威信が確立するとともにそして近代化とともに宗教国家のイメージを避けるためもあり、軍元帥・明治天皇を象徴する神武天皇へ。その間、本居(⇒大国隆正)派と平田派という神道の大きな教義の2潮流の抗争があり、...
明治政府の権威を確立するために民衆の間で既に宗教的シンボルだったアマテラスを担ぎ、威信が確立するとともにそして近代化とともに宗教国家のイメージを避けるためもあり、軍元帥・明治天皇を象徴する神武天皇へ。その間、本居(⇒大国隆正)派と平田派という神道の大きな教義の2潮流の抗争があり、平田派は結局、統治安定の障害として取り除かれ、アマテラスを唯一神とする本居派が主流となっていった歴史は興味深いものです。再び1926年の井上哲次郎不敬事件、1935年の天皇機関説事件という政局争いから偶々発生した事件から政治シンボルをコントロールするタガが外れていき、アマテラスとの帰一・現人神化が進み、制御出来ない怪物化していったとの主張は恐ろしいほど的を得ているように思います。天皇自身が玩ばれてきたように感じます。「象徴」 天皇の意味も、次第に「元首」に近い意味で定着しつつあり、将来への危険を残しているという著者の主張も確かに肯けるところです。
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政治シンボルとしての「皇祖神アマテラス」の利用・解釈の変遷を通した天皇制イデオロギー史。著者が美術史専攻のためか政治史理解がやや図式的すぎるし、あとがきで自認しているように植民地・占領地でのアマテラス利用(例えば海外神社)に全く言及がない等の問題はあるが、近代天皇制の思想・文化...
政治シンボルとしての「皇祖神アマテラス」の利用・解釈の変遷を通した天皇制イデオロギー史。著者が美術史専攻のためか政治史理解がやや図式的すぎるし、あとがきで自認しているように植民地・占領地でのアマテラス利用(例えば海外神社)に全く言及がない等の問題はあるが、近代天皇制の思想・文化・教育統制の歴史を学ぶための入門書としての価値がある。
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昔から神としてアマテラスは日本の政治において利用されてきたんだなあという本。 ブログはこちら。 http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4071303.html
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