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マインド・イーター 完全版 の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2012/03/07

これは面白い! 地球外の生きる鉱物であるマインド・イーター、そしてそれと関わる人間を、短編を使って様々な角度から描いている。人間とは? マインド・イーターとは? という一つの謎を辿る、壮大な物語。

Posted byブクログ

2012/02/21

最終的にM・Eと人はどうなるのだろう。どちらが正しいのだろうということは読者に任せられた気がする。 面白い作品です。

Posted byブクログ

2012/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一編の長い詩を読んだような気持ち。宇宙と、その中の地球、そして人の物語。美しくてゾクゾクした。何かこう、根源的なものを揺さぶられる感覚が怖くてゾクゾクもした…。連作短編で、「夢の浅瀬」「憎悪の谷」が特にお気に入りだが他も好き

Posted byブクログ

2012/01/25

30年前の作品であるにもかかわらず、全く内容及び文章が古びていないことに驚きを隠せない。悪意を持つ謎の小天体M・E(マインドイータ)。それを様々な視点から描いているのだが、実験作という意味合いもあるためか、多彩な趣向が凝らしてあり、読んでいて目が離せない。

Posted byブクログ

2012/10/14

内容(「BOOK」データベースより) 宇宙へ出た人類に襲いかかったもの、それがM・E。ひとつ前の宇宙の残滓であり、人間に悪意をもつ、小天体の姿をした存在。精神を食いちぎり人を異質なものに変える。これを破壊せんと連合はハンターを育成し宇宙へ送るが、戦いは絶望的だ。しかもハンターがM...

内容(「BOOK」データベースより) 宇宙へ出た人類に襲いかかったもの、それがM・E。ひとつ前の宇宙の残滓であり、人間に悪意をもつ、小天体の姿をした存在。精神を食いちぎり人を異質なものに変える。これを破壊せんと連合はハンターを育成し宇宙へ送るが、戦いは絶望的だ。しかもハンターがM・Eの顎に倒れると、精神的に強く結ばれた恋人や肉親までもが変貌するのだ。日本SFの里程標的傑作を完全版で贈る。 ---------------------------------------- SFマガジン連載時からワクワクしながら読んでいて、1984年にハヤカワ文庫から出たときは夢中で「これは未完の大傑作だ!」と吹聴して回っていた。このたび書籍未収録だった2編を加え、創元SF文庫から[完全版]として復刊された。完全版とはいえ、本書はマインド・イーターと人類との戦いのごく一部の事象を描いただけで、書かれなかった物語の奥行の広さを感じずにはいられない。惜しいことに作者は1989年以降執筆をしていないようなので、[完全版]と標榜しつつも、やはりどうしても未完の大作という感覚がぬぐえない。 マインド・イーター。それは、ビッグバン以前の宇宙の残滓であり、人類に対する憎悪が結晶したものである。彗星と呼ばれる形態で人類に襲いかかり、接触したものを異質な存在に変化させ、被害者と強いつながりがある者の精神を食いちぎる。 マインド・イーターは岩石であり、結晶であり、音楽であり、原初の言語である。 30年近く前に読んだ本を再読したわけだが、自分で驚くほど細部を覚えていた。描かれるシーンや会話が魅力的だったせいだろう。一方、未来社会の描写(通信手段やコンピュータ、新聞、車等)が古めかしく見えてしまうのは、致し方ないところか。 飛浩隆が「日本SFが成し遂げた最高の達成」という惹句を書いているが、「日本SFが到達した“極北”のひとつ」という意味では賛意を表する。これほど絶望的な精神戦も、そうそうあるものではない。

Posted byブクログ

2012/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 年末年始の暇な時期に何か小説でも読もうとおもって池袋のジュンク堂にて購入。新書もちょっとした恋愛小説のようなものも読み進まないなぁと思っていたときにふとSFを読もうと思いついてSFコーナーで目線の高さに表紙を向けて陳列されていたこの本をチョイス。  マインドイーター(M.E)というタイトルの通り、人の精神を喰らうイキモノの話かと思いきや「人の精神に作用して、崩壊させたり遺伝子を書き換えて(本文にそんな記述はなかったかもしれない)壊すもの」のようで、意思をもった彗星や石、砂のような鉱物の形をしていると。そんなM.Eのいくつかの話が1冊収録されているのがこの本で、1つ1つの話のフィールドも地球上から宇宙空間まであり、ただ人間はそれを破壊するといった話ではない。M.Eに対する解釈も人間が作っただの、M.Eによって人間の言語が作られただのいろいろ出てきますが、基本的に憎しみというものが核になっているとか。遺伝子構造を変えられてかなにかで、人間の体がいろんな動物をくっつけたようなものに変化して最後には核酸になってり液体になったりするというのが何とも恐ろしかった。  過去と未来を知っていて純粋理性のような「神様」みたいな存在を通して人間が何で人間として、猿のような姿形をして理性をもって言葉をつかって、家族や仲間や社会をもったり、神様を信じたりして生きているのかを考えるということを訴えかけてくる。M.Eは特定の社会や家族や姿(一応鉱石の形をしているが)を持たない思念のような存在なので人間の営みを理解することができない。人間が生きるというのは、進化の中で大きい猿のような姿形のようなものが二足歩行を始め、脳を発達させて理性をもち神様を信じるようになったり(人によってはならなかったり)っていう過程からまずは考えられるものであって、過去も未来も死も生からも自由な状態では理解できないとか思ったり。  それにしても「緑の夢」とか過去と未来の遺伝子のすべてを持っていてそのビジョンをみせてくるとか、彗星のように地球にふってきたりしようとするとかとあるゲームのラスボスみたいだなとか、考えちゃうよね(*´ω`*)

Posted byブクログ

2011/12/15

宇宙に進出した人類が遭遇した謎の敵・マインドイーターとの戦いを描いた連作短篇集。外宇宙の、人類とはまったく異質な存在を描こうとする挑戦や、同時にそれを自己の内宇宙の探求へとリンクさせていく思弁的な作品世界が素晴らしい。個々の作品間の実験的な関係性も印象的。それにしても飛浩隆さんの...

宇宙に進出した人類が遭遇した謎の敵・マインドイーターとの戦いを描いた連作短篇集。外宇宙の、人類とはまったく異質な存在を描こうとする挑戦や、同時にそれを自己の内宇宙の探求へとリンクさせていく思弁的な作品世界が素晴らしい。個々の作品間の実験的な関係性も印象的。それにしても飛浩隆さんの「解説」と日下三蔵さんの「解題」はありがたかったなあ。 お気に入りは「サックフル・オブ・ドリームス」、「おまえのしるし」かな。

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