妓楼には鍵の姫が住まう の商品レビュー
片目を隠し、今日も妓楼で遊び続ける。 そんな妓楼の中で、妙な少女と出会う。 女王様w と言いたくなるほどの 高笑いが似合う少女です。 そんな少女が解決せねばならないのが 四肢がばらばらになった殺人事件。 一体なぜ? とか言っていたら、妙な少年も登場。 うっかり解決してるのに気...
片目を隠し、今日も妓楼で遊び続ける。 そんな妓楼の中で、妙な少女と出会う。 女王様w と言いたくなるほどの 高笑いが似合う少女です。 そんな少女が解決せねばならないのが 四肢がばらばらになった殺人事件。 一体なぜ? とか言っていたら、妙な少年も登場。 うっかり解決してるのに気がつかないほど どうなる!? という展開が。 しかも解決しても、ある意味どきどき展開。 案外平和的に、あちらのお話し合いも済みました。 きちんと話してみないと人は分からない、というのが ものすごく分かりやすく浮き彫りでした。
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ひゃー面白かったくれはちゃん可愛い。誠二さんは実家の力でくれはちゃんにお洋服を貢ぐべき。 後書きにあったf-Clan文庫の「ラブよりロマンを寄越せ(大意)」ってコンセプトは大変同意する。
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どんな場所へも行ける鍵を持ち生まれた妓楼の鍵姫・紅羽 人形の手足を持ち紅羽に従う・十夜 死人視の左目を持つ・誠二 怪異なる事件をお上に頼まれ解決する紅羽(と十夜)を手伝うことになった誠二
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“あの家の中で、誠二は人間ではいられない。誰も、誠二を人間扱いしない。 『守り神って呼ばれながら、化け物扱いされて生きるのって——どんな気分?』 先程紅羽に投げかけた問いを思い出す。 尋ねるまでもないことだった。それがどんな気分かなんて、誰よりこの自分が知っている。 だが、紅羽と...
“あの家の中で、誠二は人間ではいられない。誰も、誠二を人間扱いしない。 『守り神って呼ばれながら、化け物扱いされて生きるのって——どんな気分?』 先程紅羽に投げかけた問いを思い出す。 尋ねるまでもないことだった。それがどんな気分かなんて、誰よりこの自分が知っている。 だが、紅羽と誠二は違う。 (俺は半端だ。どこまでも......半端だ) それでも守り神として吉原のために働いている紅羽とは、絶対的に異なる。 自分は、守り神にも化け者にもなりたくないのだ。 なのに、己自身、胸の底で自分を人と思えないでいるから——だから何をしても、人を真似ているだけのような気分になる。 誠がないと言われるのは、そのせいだ。 何もかもが、真似事でまがいものだから。 (じゃあ、俺は......どうすれば、いい?) 胸の中に、泣き出したいほどやるせない気持ちがあふれる。でも、涙は出ない。 思いきり、喉が破れるくらい叫びたいのに、声も出ない。 (どうしたら、俺は、ちゃんと生きられる?) 出口も答えも得られぬまま、ただひたすらに想いばかりあふれ返る。 それでも生きたいと願うこの心は、一体どこまで浅ましいのだろう。” 個人的に好み。 鍵姫は何となくヴィクトリカを思い出しつつ。 死人視のキャラがとても好き。 続編欲しいなぁ。 “「こ、こらっ、放せ、下ろせっ、この下僕!頭がおかしくなったのではないか!?」 「だって姫さんすげえんだもん、あははは、姫さん最高!」 何かの箍がはずれたかのように大笑いしながら、誠二はなおも紅羽を振り回した。 心の中がひどく軽くなったような気分だった。腹の底で常に渦巻いていた重苦しいものが、全部どこかへ行ってしまったように感じる。今ならきっと空だって飛べる。 すげえすげえと叫びながら紅羽を振り回す誠二に、十夜がどうしたものかという顔で手を出しかねている。紅羽はもはや息もできないという顔で、されるがままになっていた。 と、あっけなく誠二に限界がきて目眩を起こし、紅羽ごと地面に尻餅をついた。 「......うわ、ものすげえ地面が回る......視界が回る......くらくらする」 「当たり前じゃ!怪我をして貧血な上に、あんなくるくる回る奴があるか!」 紅羽ががばと身を起こし、誠二を怒鳴りつけた。誠二はぐらぐらする頭を手で支え、がっくりとうつむく。動けるようになるまで、ちょっと時間がかかる気がする。 「まったく、そなたときたら!いつか深刻な怪我を負っても全く気づかずに、そのまま死ぬのではないかえ!?この馬鹿者めが!」 「うーん、確かに痛覚鈍いのも困りものかもね......結構便利なんだけどねえ、喧嘩のときは」 「ええい、しばらくそこで休んでおれ」 へたり込んだまま動けずにいる誠二から離れ、紅羽が立ち上がる。 それから、ふと思い出したように、尋ねた。 「——そういえば、そなた。先程の鍵は、どうやって手に入れたのじゃ?」 「え?ああ、あれか。あれは......俺も、驚いた」 まだぐらぐらする頭を押えつつ、誠二はへらへらと笑う。 死人の記憶に触れたのなんて初めてだ。まさか物まで受け取れるとは思わなかった。 「見えるだけじゃなかったんだな......死人視って」”
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