ゲド戦記研究 の商品レビュー

織田まゆみ【著】

2012/05/26

　３部作で一度ピリオドを打ちながら、年月を経てからさらに３冊が
出版され、全６冊の長いシリーズとなった「ゲド戦記」の研究解題本。

　ゲド戦記を読んだことのある人ならば必読。そうでない人でも要所
要所であらすじに触れてくれるので決して読めないという本ではない。
注も丁寧だし、引用元もはっきりと明示してある。個人的には一大
失敗作だと思うジブリのアニメ映画やまだ観たことのない海外ドラマ
にまで言及していることでもわかるように、細かいところにまで視線の
行き届いた、とてもよい著作になっていると思う。

　他に読みたい本がたくさんあるのに、ゲド戦記をまた通読したく
なってしまうのが最大の問題点(笑)。

2012/01/29

『ゲド戦記』シリーズの考察本。しょっぱなでジブリ版にガッツリダメ出ししていて笑った。でもそういう人が書いた本なので、かなりきちんと深く考察していて読みがいがある。
脚注が多く、見開きで平均2～3回は欄外を読まなければいけないので、慣れるまで大変。
またゲド戦記を読み直したくなった。

2012/01/04

「ゲド戦記」はアーシュラ・Ｋ・ル＝グウィンの本編５巻、外伝１巻からなるファンタジー小説。
スタジオジブリで映画化されたことで一気にその名が知れ渡りました。
物にはすべからく”真の名”があり、それを知ることで物自体をあやつることができる…
これがゲド戦記の中で魔法と呼ばれる力。「ゲド」とは主人公ハイタカの”真の名”です。
『ゲド戦記研究』はそのタイトル通り、小説世界やフェミニストとしても知られる作者ル＝グウィンの世界観を解説、分析した本。
小説のファンとしてはすでに概知のものばかりでしたが、ウンウンとうなずける内容でかなりボリュームがありました。