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一一一一一 の商品レビュー

3.1

13件のお客様レビュー

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2021/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

饒舌に語る側とその話に応える側がいる。 語る側は相手に対して投げかけ問いただしながら話す。それに対して受けて応える側は「ええ」「そのとおり」「たしかに」「そうですね」「そうです」「おっしゃるとおり」「おそらくは」といった具合に基本的には否定しない合いの手の一言を返し続ける。 この投げる・受けるのやり取りが延々と続く。 受ける側の合いの手の言葉は同じような異常と思える頻度で続くので読み飛ばしたくなるわけだが、ただ我慢してこのやりとりを目で追っていくと、応える側に対してなんかこんな人もいるよなとふと思わせる効果がある気がした。 饒舌に語る側のほうが具体的なことを述べているのだが、語る側よりも応える側の方にリアリティを感じる不思議なゾーンに入る。 そして応える側の「ええ」「そのとおり」「たしかに」「そうですね」「そうです」「おっしゃるとおり」のあまりに無味乾燥な言葉の一つひとつの裏に、応える側の書かれていない心の声が実はあるのではないか?と頼まれてもいないのに勘繰る自分があらわれる。書かれた言葉よりも書かれていない言葉を思いながら書かれた言葉を目で追い続けるということになる。

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2015/08/29

よく分からなくて、2度読んだ。 でも、やっぱりよく分からなかった。 一か所で、こうすると死んでしまうからねと言っていたが、そこで死んだことになっている?記述が出てきて、そこだけが矛盾するので混乱している。 自転車屋さんが、誘拐されたのか、警察から尋問を受けているのか?など細かい部...

よく分からなくて、2度読んだ。 でも、やっぱりよく分からなかった。 一か所で、こうすると死んでしまうからねと言っていたが、そこで死んだことになっている?記述が出てきて、そこだけが矛盾するので混乱している。 自転車屋さんが、誘拐されたのか、警察から尋問を受けているのか?など細かい部分もよく分からない部分もある。 そして、趣旨もなんだろう? 二度目に読み直すと、第一章の部分は、社会に出る学生達へのメッセージなどが込められているようにも思うが、読み終わるとただの会話調で、「そうですね」などの一方が限られたバリエーションの返事で会話を進めるという実験的な手法を試しただけのような気もする。最近は、自我の崩壊により文の主語が途中で変わっている文学が流行っているらしいが、それに近い違和感。私は、好きでない。 最初から最後まで、よく分からない。すっきりしない感は残るし、やや繰り返しや理屈っぽさにしんどさは感じるが、何かは感じたので、★3つ。

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2014/08/24

今までこんな小説を読んだことがない。対話形式で物語が始まるのだが、しばらく読んでもまったく内容が理解できない。誰が何についての会話をしているのか悶々とした気持ちで読み進めると、あるところで霧が晴れたように物語の道筋がみえてくるのだ。その時のなんとも言えない爽快感をぜひ味わってみて...

今までこんな小説を読んだことがない。対話形式で物語が始まるのだが、しばらく読んでもまったく内容が理解できない。誰が何についての会話をしているのか悶々とした気持ちで読み進めると、あるところで霧が晴れたように物語の道筋がみえてくるのだ。その時のなんとも言えない爽快感をぜひ味わってみてほしい。

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2012/11/01

なんだこれ…。語り手が勝手に語りだす物語を、定型的な「ええ」とか「そうなんです」などの簡単な言葉が返ってくるやりとり。その返事は決まっているわけでは無いのだが、雰囲気は一緒。短編が関係ありそうでなさそうな笑える奇妙な感じが、ラーメンズのコントを連想。装丁も美しくて良い。

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2012/10/18

とりあえず読み切ったけど、よく解らなかった。とりとめがない感じ。 ただ、表題や章題や、頁、奥付は凝りまくっている。

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2012/09/25

読後、素直に「あー、おもしろかった」と笑える本。 わかりにくいはわかりにくいが、円城塔のわかりにくさ(←もちろんこれは褒め言葉!)よりは、単純化した文章なのでわかりやすい。 落語の掛け合い場面のような会話体の文章に、読者の方が乗せられてしまう快感がある。

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2012/06/20

こういうのってどうなのさ。正直に言うとよくわからないんだな。なんかこう、評論家が一生懸命研究していろいろ頭を悩ませて論じて、それで結局実はショートコントでした、みたいなさあ。そういう感じになりそうじゃん。 会話ですべてのお話が進行していく。会話といっても、一人は完全に相槌で、相...

こういうのってどうなのさ。正直に言うとよくわからないんだな。なんかこう、評論家が一生懸命研究していろいろ頭を悩ませて論じて、それで結局実はショートコントでした、みたいなさあ。そういう感じになりそうじゃん。 会話ですべてのお話が進行していく。会話といっても、一人は完全に相槌で、相槌を打っているほうの人生をなぜかよく知っているらしい語り手が、話を脱線させたりさせなかったりしながら話を進めていく。その情報から、読者は相槌を打っているのが、親友を追いかけて卒業旅行中である女の子であったり、自転車屋の男であったりすることを知る。 「つまりこういうことなんでしょ」「はい」「●●なわけだ」「そうです」みないな、かたっぽが決めつけて追い詰めるみたいなやりとりが続くわけなのです。そこで私は、この言い回し何かを思い出すなあ、と思った。そうだ・・・・ AV男優っぽい! 愚かなるかな私の脳みそ。 だけどまあ、普通に楽しめました。知らない世界(相槌を打っている人はみんな旅をしているんです)に連れ出されるような不安さと聖性みたいなものも感じたぜ。なんといってもタイトルかっこいいしね。あ、巻末の奥付はもっとかっこいいっす。本を手に取った人はぜひ、裏表紙から開いて奥付見てみて。かっこいいよ。あれは確信犯だな!

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2012/02/18

 どんどん横滑りしていく鵺のような文章の軽み、おかしみを堪能するのみ。豊崎社長をして完全には理解できない難しさがあると言わしめた小説だが、そうした難しさを探究するも良し、次々に重なっていく後付の堆積におぼれて驚くも良し。多彩な読み方を許容してくれる懐の深い一冊。かわいらしい装丁に...

 どんどん横滑りしていく鵺のような文章の軽み、おかしみを堪能するのみ。豊崎社長をして完全には理解できない難しさがあると言わしめた小説だが、そうした難しさを探究するも良し、次々に重なっていく後付の堆積におぼれて驚くも良し。多彩な読み方を許容してくれる懐の深い一冊。かわいらしい装丁にも注目だ。願わくば、この文体でもっともっとバリエーションを読んでみたい。全体の短さが、いささか恨めしい。

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2012/02/10

読み終えた直後に感じたのは、『こいつは、えらい小説を読んでしまった…』ということ。物語に必要な整合性が、まるでない。この物語の中では、時間と空間の概念がバラバラになっている…というべきでしょうか。仮定であったはずの話が、いつの間にか既成事実にすり替わっていたり、時間の順序も場所も...

読み終えた直後に感じたのは、『こいつは、えらい小説を読んでしまった…』ということ。物語に必要な整合性が、まるでない。この物語の中では、時間と空間の概念がバラバラになっている…というべきでしょうか。仮定であったはずの話が、いつの間にか既成事実にすり替わっていたり、時間の順序も場所も、何もかもが私たちの世界とは切り離されているのです。 しかし切り離された世界においても、変わらないものがあるというこを、著者は読者にはっきりと投げかけています。それは、自然の摂理に逆らうことはできないということ。生あるものには死が訪れ、死んだものはやがて土に帰り、自然の一部として再生するということ。小動物が猛禽類によって補食されるのと同様に、いかなる存在をも包み込む『自然』にはかなわないのだという、普遍の原理こそが、この物語と私たちの世界とを繋ぐひとつの線(『一一一一一』)なのです。 また、本作が書かれたのはあの3.11の震災の前。しかし、『一一一一一』を縦に重ねてみたとき『三一一』となるように、この物語が3.11後の世界と符合するのは、果たして偶然でしょうか。自然の力を目の当たりにした私たちに、『畏敬の念さえ忘れなければ、怯えることもないんだ』と優しく語りかけている部分があります。 詰まるところ本作は、3.11以降に生じた畏れと愛でるときに抱く親しみという、自然に対するアンビヴァレントな価値観の肯定の物語なのではないかと思うのです。 全編を通して対話形式で進む整合性のない物語は、『流し読みで読みとれないことなど、読まなくてよかったことなのだ、もともと』という作中の言葉通りに独善的で、それでも最後まで語りかけることを止めない優しさを持った物語なのです。

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2012/01/06

わりと面白かった。途中迷路に入ったような気分になるけど。大丈夫です。最後がわりと良かったような気がする。

Posted byブクログ