1,800円以上の注文で送料無料

2013年 大暴落後の日本経済 の商品レビュー

3.7

12件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/12/11

この本の著者である中原氏は、財政破たんは無いものの、国債が近未来に暴落することで、庶民の生活が苦しくなると説明しています。具体的には税金が上がって年収が下がるということです、当然、年金の支給金額開始の先延ばし、減額になることでしょう。 国債を保有するのは日本国民だが、先行指標と...

この本の著者である中原氏は、財政破たんは無いものの、国債が近未来に暴落することで、庶民の生活が苦しくなると説明しています。具体的には税金が上がって年収が下がるということです、当然、年金の支給金額開始の先延ばし、減額になることでしょう。 国債を保有するのは日本国民だが、先行指標となる国債先物や保証料率を決めている相場は、外国人の影響が大きいので、国債の暴落まであり得るというのが趣旨だと理解しました。 ただこの数十年で、設備投資の減少から余剰となっている貯金がどのように使われるから国債への投資が減るのかという説明が不十分だったと感じました。 老後になって生活資金のために貯金を取り崩すと説明していますが、本当にそうなるのでしょうか。それについては類書や今後の10年程度の動向をみて自分で判断していこうと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・ビスマルクは19世紀に、平均寿命が50歳以下の時代に、支給開始年齢が70歳の年金制度をつくり、国民が国家への忠誠心を高めるように仕向けた(p15) ・EU加盟国全体で決めた合意として「年間財政赤字はGDPの3%以内、公的債務残高はGDP:60%以内」があるが、2010年ギリシア財政危機が深刻化した時点でこれを守っているのは27加盟国中、スウェーデン、ルクセンブルグ、エストニアの3か国(p18) ・ギリシアは4世紀もの間、オスマントルコ帝国の支配下におかれていて、勤労意欲や納税意欲が低い一面もある(p29) ・欧州金融機関を救済するために注入された公的資金の規模は、EU全体で3500億ドルであり、米国の2500億ドルを超えた(p33) ・1990年代に金融危機を経験したスウェーデン、韓国、タイ等は金融緩和により自国通貨を安くすることで輸出を増やして景気回復をしている(p36) ・フランスとドイツの銀行は、イタリア・スペインにとっては自国の銀行に次ぐ国債の大口スポンサー(p51) ・先見性の高いファンドは、2010年半ば以降、実質的な債務を「国家と金融機関の合計債務」で考えるようになった、するとイタリア、スペインまでも200%を大幅に超えていることが判明(p66、68) ・円の世界全体の外貨準備は3.8%であり流動性が低いので、円を少し買うだけでも円は大きく上昇する(p76) ・次回の大統領選挙でオバマが敗北するのは、白人中間層から「大きな政府」の激しい非難を受けているから(p80) ・経常黒字国と赤字国が同じ為替ルートを使うというEUルールは、株式市場で言えば同じ株価をつけているようなもの(p85) ・2012年中に欧州の財政危機に目処がつけば、ファンドが次の標的にするのは間違いなく日本(p90) ・年金の平均的支給期間は、支給開始年齢が55歳だった1955年比較で長い、1955年当時では男性の平均余命が18年(女性:21年)に対して、現在では男性:23年(同:28年)(p101) ・2011年の一般+特別会計の総予算は220兆円、社会保障費が75兆円、国債費:82兆円であり、財政破たん状態であるといっても過言ではない(p107) ・現役で働く人が減少する一方で、高齢者が増加して資産を取り崩す、海外からの投資収益が激減すうrので、2015~2020年には経常収支が赤字に転落する(p131) ・2011年3月末で、ヘッジファンドの運用残高が初めて2兆ドルを突破、それまでの最高記録:1.9兆ドル(2008年6月末)を抜いた(p134) ・日本へのヘッジファンドへの攻撃が始まるのは、1)欧州財政危機解決の目処づけ完了、2)米国での共和党政権による財政再建開始、である(p135) ・最初の第一歩は、流動性の低い日本国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の購入による保証料の釣り上げ、その次が日本国債先物の売り崩し、海外投資家の取引シェアは現物では16%だが、先物は35%(p143、145) ・国民の防衛策は、自らの金融資産の一部を、ドルやユーロに変えること(p165) ・EU各国が法人税率を下げるのは、国際競争力を高めて、国内の雇用拡大につなげるため(p200) 2011年12月11日作成

Posted byブクログ

2011/12/01

国債暴落の流れ 国債CDSの上昇 先物下落 現物下落 の順で来る 国債発行可能額が「借金の金額と純資産の差額」という単純な計算がされていたのが残念だった。 ファイナンスができるかどうか問題なので。 しかし、上記のような攻撃を受ければ2013年に国債暴落というのもあるかもしれま...

国債暴落の流れ 国債CDSの上昇 先物下落 現物下落 の順で来る 国債発行可能額が「借金の金額と純資産の差額」という単純な計算がされていたのが残念だった。 ファイナンスができるかどうか問題なので。 しかし、上記のような攻撃を受ければ2013年に国債暴落というのもあるかもしれませんね。

Posted byブクログ