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帝都復興の時代 の商品レビュー

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2018/11/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

各章が必ずしも有機的に連携しているようには感じられない。 ただ、従来とは違った切り口であり、それなりに、ほ~という感じ。 後藤新平は失敗もあるし、強引な面もある。震災は天槌論という評価が流布していていた。これは産業文明への反省と自然回帰を生む。 そして、享楽化、頽廃化が言われ、それへの反発も見られ、昭和へのうねりとなった。 当時の小説にもその影響が見られる。(夢野久作、谷崎潤一郎、江戸川乱歩)

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2013/04/06

正直期待外れ。 東日本大震災後の政治の酷さは実は何も今に始まったことではないとか、関東大震災後の民主化の動きは堕落と一定層の人間は嘆いているとか、時事ネタとしては興味を持てるが、科学としての学問の体を成しているとはとても言えないのでは? これだけの素材を扱うなら、日本文化に関する...

正直期待外れ。 東日本大震災後の政治の酷さは実は何も今に始まったことではないとか、関東大震災後の民主化の動きは堕落と一定層の人間は嘆いているとか、時事ネタとしては興味を持てるが、科学としての学問の体を成しているとはとても言えないのでは? これだけの素材を扱うなら、日本文化に関するもっと厚みある分析が読みたかった。 作者自身が感傷に浸っているとさえ思えなくもない。

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2011/12/25

1923(大正12)年の関東大震災以後の政治・社会状況を、後藤新平と復興院の挫折、「復興院疑獄事件」、そして「天譴論」から「享楽化」・「大衆化」への社会意識の変化を描く。とくに昭和の戦争の時代を理解するためには、震災後のこれら変化を捉えなくてはならないという問題意識には共感すると...

1923(大正12)年の関東大震災以後の政治・社会状況を、後藤新平と復興院の挫折、「復興院疑獄事件」、そして「天譴論」から「享楽化」・「大衆化」への社会意識の変化を描く。とくに昭和の戦争の時代を理解するためには、震災後のこれら変化を捉えなくてはならないという問題意識には共感するところ大である。もちろん、今の東日本大震災後を生きねばならない我々にとっても必読と言えよう。 復興に関連してよく取り上げられる後藤新平、および復興院についてその「実像」を描いたところがとくに興味深い。今年の7月、日経新聞に竹中平蔵氏による後藤新平に関する小論が連載された(「国難に向き合った日本人」のシリーズ)が、その評価は180度異なっていると言っても過言ではない。

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2011/11/21

 この本は、フェイスブックの友達が紹介していたもの。  帝都復興事業の影の部分を描写しており、自分としても初めての事実も多い。 ①閣内では薩摩派、閣外では既成政党勢力と対立していた後藤新平は、内務省人事で政友会を排除するなど、一部政党ののっとりを試みたが、その冒険的手法の...

 この本は、フェイスブックの友達が紹介していたもの。  帝都復興事業の影の部分を描写しており、自分としても初めての事実も多い。 ①閣内では薩摩派、閣外では既成政党勢力と対立していた後藤新平は、内務省人事で政友会を排除するなど、一部政党ののっとりを試みたが、その冒険的手法のため失敗した。(p55)  中邨先生の分析では、後藤は政治に弱かったと指摘していたが、この本では、普通選挙運動などで、後藤が攻勢をかけ失敗したと分析している。 ②復興院は、後藤が各界から人材を集めたと言われているが、実際には、鉄道閥、内務省閥などの対立が生じていた。(p57)  人材の登用と派閥争いというのは、難しい矛盾点で、今にも通じる課題。 ③復興局に格下げされてから、土地区画整理事業の実施にあたり、土地買収などで疑獄事件が頻発し、土木局長が自殺している。(p77)  復興で大きな予算が動くことにより、その発注者側に誘惑が生じるのは事実。そのようなことが絶対に起こらないよう、心したい。  復興庁疑惑の件はいやな情報だが、自分にとっては、肝に銘ずべき大切な教訓である。

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