異文化理解の落とし穴 の商品レビュー
日本の山形にも住んだ中国人学者の中国と日本の比較は非常に深いのですがタイトルにあるようにそれを類型的に日中の文化の違いとして論じることは間違っているのでしょう。しかし、喪を表す色が白(中国)と黒の違いということなど、基本を理解しておくことは非常に重要だと痛感します。著者が語りたい...
日本の山形にも住んだ中国人学者の中国と日本の比較は非常に深いのですがタイトルにあるようにそれを類型的に日中の文化の違いとして論じることは間違っているのでしょう。しかし、喪を表す色が白(中国)と黒の違いということなど、基本を理解しておくことは非常に重要だと痛感します。著者が語りたい本質ではないでしょうが、同じ漢字を使いながら日中の言葉の違いは「落とし穴」(著者はこれとは別義で使っていますが)です。「陰、局部有毛毛雨」が中国語では「曇り、局地的には霧雨が降るでしょう」という紹介は実に笑えます。日本から中国に輸入された言葉、「人気」「融資」「低迷」などを中国人がそれとは知らず使うようになっているとは、やはりグローバル化で当然とはいえ、嬉しいことです。「美の魅惑と異文化交差」「米国という測量点」の最後の2つの章は、欧・日・中の美人観の違い、また米国社会の日本で考える常識との違いなど、別本と言ってもよい興味深いものでした。
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