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理想の惑星 の商品レビュー

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2013/11/06

歳を取らない、国家も政府も存在しない、貨幣もない。 あるものは全て共有という惑星『プロスト』に、 優秀だからという理由で連れてこられた秀夫。 幸福とは何か?という命題を読者に突きつける本だ。 私もそうであるが、 「~に・・・してあげたい」とか、「社会や地域に貢献したい」とか、...

歳を取らない、国家も政府も存在しない、貨幣もない。 あるものは全て共有という惑星『プロスト』に、 優秀だからという理由で連れてこられた秀夫。 幸福とは何か?という命題を読者に突きつける本だ。 私もそうであるが、 「~に・・・してあげたい」とか、「社会や地域に貢献したい」とか、 そういった他人にしてあげたいことは誰もが述べることができるが、 では「幸福とは何か」ということに、しっかりと主張できる人物は多くはないのではあろうか。 加えて、お金をたくさん得ることが幸福だとか、のんびり暮らすことが幸福であるとか、 「幸福」の概念は人によって違う。 したがって、他人に何かをすること、社会に貢献すること自体が、幸福につながるとは限らない。 それは単なるおせっかいになる可能性だってあるのだ。 自分に幸福を求めるなら、まず自分にとって幸福とは何かを知ること。 他人に幸福を与えたいのなら、まずその他人にとっての幸福とは何かを知ること。 そうでないと、目的のないままに物事に取り組んでしまい、それが慣性のままに1人歩きしてしまって、 いつの間にか謝った方向のベクトルにいくかもしれないのだ。 新しい情報が毎日豪雨のように降り注ぐ生活に対処するのに精いっぱいで、 私たちは本来あるべきの幸福を含めた「軸」を持たず、ただ目の前にやってくるものに流されながら生活している。 流され続け、最後には同じ海へと注がれ、 皆が毅然と同じ方向を向いてしまい、おかしな方向へと進んでいる気がする。 まずは常識を疑え。社会にも反発してみるといい。 そこから、幸福を含めた真理への追究が始まることだろう。 そんなことを考えさせられた本である。 読んでいて、オーストラリアの中にある独立国(?)、 ハット・リバー王国を思い出した。 オーストラリアに住んでいたレオナードさんという人物が、 政府に対して疑問を持ち、こんなのやってられねーと、 国家を生み出すために必要なことを学びに学んで、 作ってしまった独立国である。 その精神、ただただ尊敬に値する。

Posted byブクログ