小さな天体 の商品レビュー
震災直後に発表された震災に関する文章が印象的に残っている人文科学の知識人は、残念ながら僕には数人だ。そのなかの1人が加藤典洋だということと日記を読むのが好きだということなどで、本書を購入。2010年3月30日から2011年5月31日までの日記で、書かれた場所は、主にコペンハーゲン...
震災直後に発表された震災に関する文章が印象的に残っている人文科学の知識人は、残念ながら僕には数人だ。そのなかの1人が加藤典洋だということと日記を読むのが好きだということなどで、本書を購入。2010年3月30日から2011年5月31日までの日記で、書かれた場所は、主にコペンハーゲンとサンタバーバラと東京。ハードカバーの2段組みで409頁もあるものだから、通読にはずいぶんと時間がかかったけれど、その分、楽しめた。震災前の日記の方が読み手には収穫があるのだが、そうしたこととは別に、3月11日から15日までの日記を読んでいるときには(電車に乗っていた)、涙が出た。著者はサンタバーバラにいて、著者の家族は東京と東北にいて、当時の僕は東京にいて、海外にいる友人たちからの電話が引っ切りなしに鳴っていて、そうしたことの全てがそうさせた。まだ、クレーとレリスの日記を、数年にわたり、放り出したままだ。日記は、思考を辿れるから面白い。
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コペンハーゲン、サンタバーバラ、311後の日本での日記。全体を流れる、心地よい風のような雰囲気が以外、もっとしかめっ面した文だと思ってたのに。
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